老けない人は何を飲んでいる? お酒とアンチエイジング

ベストセラー「老けない人は何を食べているのか」の著者、森由香子さんの連載コラムがスタートしました!

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ビールにもワインと同じぐらい抗酸化の力があった

「フレンチパラドックス」。どこかで耳にしたことがあるでしょう。あらためて説明するまでもありませんが、これはフランス人が肉やチーズなど脂質の多いものを大量に摂取しているにも関わらず心臓病の死亡率が低いのは、赤ワインに含まれるポリフェノール成分(アントシアニン、レスベラトロール、タンニンなど)の働きによるものだというものです。

ポリフェノールは植物に含まれる成分のひとつで、色や香り、アクなどを構成する成分です。化学的にいうと分子内にフェノール性水酸基を持つ成分の総称で、500種類以上あります。ポリフェノールは抗酸化物質のひとつで、老化、がん、動脈硬化症を引き起こす活性酸素を除去したり、酸化を抑制したりする働きがあります。

実は、抗酸化物質をふくむお酒は、ワインだけでありません。ワインと同程度の抗酸化物質が含まれるお酒があることが研究でわかりました。それは、ビールです。

昭和女子大学 女性健康科学研究所 中津川研一氏の研究報告によりますと、グラス1杯の赤ワイン(125ml)のなかの抗酸化力は約4000μmol/L。この抗酸化力と同程度の力を、350mlのビールが持っているということです。

お酒にはたいてい抗酸化物質がふくまれている

ビールが抗酸化力を発揮するのは、ビールの原料のひとつ、ホップに含まれるポリフェノール(キサントフモール)やビールの色素(メラノイジン)によるものです。ポリフェノールは植物成分です。実はビールに限らず、植物が原料となるお酒には、多かれ少なかれ抗酸化物質がふくまれています。

たとえばウイスキーには、ポリフェノールのエラグ酸(熟成中の樽のオーク材によるもの)。日本酒にはフェルラ酸。焼酎にも芋、そば、麦という原料の植物に由来するポリフェノールがたくさん含有されています。焼酎はレモン、ライムなどの柑橘類で割れば、抗酸化力はさらにアップします。レモンやライムには、ポリフェノールのヘスペリジン、エリオシトリンが含まれているからです。

みなさん、どんなお酒がお好きですか。お酒にもアンチエイジング効果があることがおわかりいただけたでしょうか。もちろん飲みすぎはいけません。適量のお酒を楽しく飲んで、アンチエイジングしましょう!


※記事の情報は2017年9月15日時点のものです。
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