美と健康を維持する分岐点は“20分”〈老けない人は何を飲んでいる?③〉

「切り上げどき」をきちんと知って、楽しい家飲みライフを。

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美味しいお酒と美味しい料理は、老化防止の役に立つ

職場からの帰り道、今日はお酒にどんな料理を合わせようかとあれこれ考え、飲む前からテンションがあがりますね。そして、美味しいお酒と料理によって疲れた心と身体がいつのまにかほぐれて、たのしい気分もひとしお、ストレスが発散されます。仕事が終わってご自宅での晩酌を何よりの楽しみにしている人も多いでしょう。

過度のストレスにより、老化の原因とされる活性酸素が増えることがわかっています。飲酒と美味しい料理は、楽しい気持ちをもたらし、ストレスから心身を解放してくれるため、活性酸素の撃退に役立ちます。

ではカラダの中でどのようなことが起こり、ストレスが発散されリラックス感がうまれるのでしょうか。

これは、味覚と嗅覚による連携機能と脳内神経伝達物質の分泌が関わっていると考えられています。まず、美味しいと感じること、それには味覚と嗅覚の連携プレイが関与しています。味覚は液体に含まれる化学成分を、嗅覚は気体に含まれる化学成分を共同で検知し、密接に機能して美味しいと感じることができます。

たとえばワインのテイスティング。ワインの味わいを決める際に、ワイングラスを廻して立ち込める香り、グラスを傾けたときに放つ香り、ワインを口に入れたとき、のどを通るときの香りが、ワインの美味しさを決める大きな要素となっています。嗅覚はヒトの本能的な感性に訴え、リラックスさせる効果を味覚とともに働かせます。味覚も嗅覚も両方が機能しないと美味しさを感じることができません。

効果があるのは飲み始めから20分まで。大切な「切り上げどき」

また、美味しいお酒や料理を味わったとき、楽しい気分になる理由として「ドーパミン」や「セロトニン」という神経伝達物質の分泌が作用しています。「ドーパミン」は、楽しいと感じるときに分泌され飲酒によってさらに分泌が促されます。

「セロトニン」は、脳内の万能調整薬といわれ食欲、性欲、攻撃性のような衝動をコントロールする働きがあります。ハッピーホルモンという別名もあり、精神を安定させて楽しい気持ちを感じやすくします。飲酒は、セロトニンの分泌量を増やす作用があります。

ただし、ここからがポイントです。飲酒による「ドーパミン」分泌量の促進は、飲みはじめてから20分ぐらいまで、とされているのです。「セロトニン」も、長く飲み続けると、減少していきます。長時間の飲酒、飲みすぎは、楽しい気持ちがいつのまにか消えてしまいます。ご経験からもなんとなくおわかりいただけるのではないでしょうか。

活性酸素の害から身体をまもるアンチエイジング的な飲み方は、「楽しいな」と感じる程度の飲酒量と時間で切りあげること。それが「老けない」飲みかたを考えるうえで大切なことなのです。


※記事の情報は2017年10月19日時点のものです。
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