燗酒が恋しい季節。カンタンお燗術のご紹介です。

ライター:簗塲友何里簗塲友何里

温めてみましょう

ではさっそくお燗をつけてみましょう。

◯電子レンジで温める
レンジでチン! は、こだわりが感じられない方法だ、、というご意見が聞こえそうですが、同じ日本酒を同じ量で、同じ時間温めれば、同じ味わいになるというのは良い点です。お手軽に温かい日本酒が飲みたいという場合には、ぜひどうぞ。ただし香りが飛ばないように容器にラップで蓋をして、ちょっと冷まして味を落ち着かせてから飲むことをお勧めします。急激に温めた後はとんがった味がして、お燗の醍醐味である丸い柔らかみが感じにくいです。また、徳利の場合は温度ムラができやすいので、できれば「片口」にラップをかける方がムラなく仕上がります。片口とはお酒やお醤油などを小分けにする時に使う、片側に口のついた容器。お酒をいれるのには重宝します(下の写真)。

酒器 片口鉢 徳利 ヒワ釉 美濃焼

レンジから取り出す時は、大変容器が熱くなっているので、注意です!

◯お鍋で湯煎
次のおすすめは鍋で湯煎する方法です。私は海外のイベントでお燗を付けるときもこの方法を使います。特別な機材もいらないので、手軽でかつ美味しいお燗が付けられる方法です。
まず、日本酒を徳利に満杯ではない量で入れ、徳利が半分ほど浸かる量のお湯を鍋で沸かし、火を止めて徳利を入れます。こうして、日本酒からふわっと香りが立ってくるまで温めましょう。
お鍋で湯煎
お湯の温度ですが、私は80度くらいのお湯でお燗を付けています。80度の少なめのお湯で、徳利の中に入ったお酒の対流でじっくりと温度をあげていきます。煮立ったお湯で、あまり急激に温度を上げるとお燗嫌いの方が感じる特有のツンとした強い香りがしてしまいます。ゆっくりと温度をあげることで、リラックス効果のある優しい香りを楽しめるのです。
この時、もし用意できるのであれば熱伝導率が良いチロリ使うのもお勧めです。チロリは日本酒を温めるための注ぎ口がついた容器です(下の写真)。これにお酒を入れ、同じ鍋で徳利も同時に温めましょう。お燗がついたらチロリから徳利へ移し替えてお楽しみください。
酒タンポ チロリ 錫 タンポ 1.0 180ml 1合 10-9-2

そうそう、温度を測るために料理用の温度計があると安心ですね。
タニタ スティック温度計 グリーン TT-533-GR

◯お燗機を使う
お湯の温度を一定に保ってくれる、お燗機というものもあります。家庭用のものも色々あるので、お燗好きの方は備えておくとらくちんです。
そういえば、お燗機の代わりに、炊飯器を使っている方もいらっしゃいました。炊飯器の保温機能を使ってお湯の温度を一定に保ち、ゆるゆる晩酌を楽しむのです。それも良いアイディアかもしれません。

おすすめのお燗機は、「かんすけ」です。陶器でできた容器にお湯を入れ、保温しながら、付属のチロリでお燗をつけます。
卓上酒燗器 ミニかんすけ EKV5501

気になる温度は?

お燗の温度、以前にも「5℃ごとに違う日本酒の名前と味わい、知ってますか?」でご紹介しましたが、お燗の温度は下記をご参考に。

人肌燗 35℃
ぬる燗 40℃
上燗 45℃
熱燗 50℃
飛び切り燗 55℃

温度計で測って、40度ぐらいになればぬる燗、熱燗なら50度ぐらいが飲み頃です。火入れをした日本酒なら熱燗、香りを飛ばしたくないようならぬる燗が良いでしょう。

いつものお酒の新たな一面を見つけましょう!

皆様も、好きな温度を見つけながらゆっくりとお燗を楽しんで見られてはいかがでしょうか?家にお持ちの日本酒の新たな味わいを発見できるチャンスです。冷やで飲んであまり好みの味ではない日本酒も、一度温めてみてはいかがでしょう? おいしいお酒に変身するかも。そして、プロが付けるお燗をお店で試してみて、自分のお燗とどこが違うか体験してみる。それもまた日本酒の楽しみ方のひとつです。一度はまったら抜け出せない、お燗の世界へようこそ!


※記事の情報は2017年11月1日時点のものです。
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