冷蔵庫に残る食材の活用法をイタリア人の奥さまに教えてもらいました(1)

パスタやリゾット、イタリア風のおつまみなどを作ろうと、気合を入れて本場の食材を買ってみたものの、余ってそのまま冷蔵庫に放置、なんてこと、ありますよね。そこで、せっかくの食材を無駄にしないイタリア流の活用法を、日本で暮らすイタリア人女性に聞いてきました。

ライター:京藤好男京藤好男

目次

パスタをおいしく仕上げるコツはこれだ

その間に、パスタの準備をします。鍋で茹でるとき、イタリアでは先に、茹で汁の方に塩味を加えます。

このときの塩加減がなかなか難しい。日本ではよく「海水の濃度」とか「水に対して1パーセントの塩」とか言われたりします。しかし、やはりこれは何度かやってみて、自分なりのいい塩梅を見つけるのがいいように思います。実は、イタリアでは「サーレ・グロッソ(Sale grosso)」という粗塩が簡単に手に入ります。粗塩といっても、岩塩を荒く削ったような感じ。この「サーレ・グロッソを一掴み」というのがイタリア流です。こんな感じ。

「サーレ・グロッソを一掴み」というのがイタリア流

ここでクラウディアさんが、パスタを美味しく仕上げる大切なポイントを2つ教えてくれました。

1つ目、スパゲッティを茹でるのは「袋に表示されている時間の半分」にすること。「ゆで時間8分」であれば「4分」で取り上げます。

2つ目、麺を上げるとき、ザルに流さないで、菜箸やパスタ用の器具を使って麺だけをフライパンに移すこと。これは、茹で汁を後に取っておくためです。

さて、パスタを茹でている間、リサさんから質問が。「どうしてプッタネスカ(娼婦風)というのですか?」

「イタリアでは、いくつか説があるのだけれど、ナポリのスペイン人地区にあった娼婦の館のオーナーが、客の男性へサービスとして出したというのがよく言われているわ。これを食べると、また元気が回復すると評判になったとか。もう1つは、このパスタのソースが、その娼婦たちの下着やガウンの色を表しているというもの。例えば、トマトの赤、パセリの緑、オリーブの濃い紫は、彼女たちが客引きのために身につけていたランジェリーの色に似ているというわけよ」

というクラウディアさんの説明に、リサさんもなるほどとうなずくばかり。確かに、その香りのよさ、彩りの鮮やかさに、すでにかなりの食欲をそそられております。これ食べたら、こりゃ、いろんな意味で元気が出るだろうなあ。そんなことを思っているうちに、パスタもいい頃合いに。

パスタもいい頃合いに。

このようにスパゲッティをぜんぶフライパンに移したら、鍋からゆで汁を取って、フライパンに注ぎます。

鍋からゆで汁を取って、フライパンに注ぎます。

こうしてフライパンの中で再度煮込むために、パスタのゆで時間を半分にしていたのですね。フライパンで、他の具材と一緒にゆでることによって、ソースの絡みが良くなり、また乳化してパスタ全体にコクが出るのです。

こうしてフライパンの中で再度煮込むために、パスタのゆで時間を半分にしていたのですね

さあ、盛り付け。もう一度刻んだパセリを全体にかけて、彩りを加えます。さらに、エキストラバージン・オリーブオイルを好みでかけたら、できあがりです。

「プッタネスカはイタリアでも、南部のパスタなの。日差しが強く、暑くて、とても乾燥した地域ね。だから、合わせるワインはフレッシュで果実味のある、さわやかな辛口の白がおすすめ。今日はカンパニア州産のファランギーナを用意したわ」

と、さすがクラウディアさん。「ワインと料理の産地を合わせる」という、イタリアの食の基本をしっかりとおさえています。

エキストラバージン・オリーブオイルを好みでかけたら、できあがりです

それでは、たっぷりいただきましょう。Buon appetito!(ブオナッペティート)

それでは、たっぷりいただきましょう。Buon appetito!(ブオナッペティート)

「ソースがすごく濃厚。でも、とてもさっぱり。ケッパーとオリーブの塩味が、いいアクセントになっていますね」とリサさん。食べ出したら、止まらない、といった勢い。

満足そうにうなずくクラウディアさん。「冷えた白ワインがよく合いますね。トマトをとろとろにして、パスタにしっかり絡ませるようにすると美味しく仕上がります。すると、このようにワインがまろやかな感じるでしょ?」

そう言われて、ワインを味わうリサさん。「本当にスッキリ。この白は、ワインだけで飲むとフルーティーだけど、パスタに合わせたらコクがある感じに。ふしぎです。パスタをつまみにワインもありですね。新しい家飲みのパターンができそう。パスタとワインの女子会とか。盛り上がるかも」

と言いつつ、二人の女子会、すでにかなり盛り上がってます。冷蔵庫の残り物でこんなに喜んでもらえるなんて。するとクラウディアさん、さらにうれしい活用法を教えてくれました。それはまた次回に。


※記事の情報は2018年6月5日時点のものです。

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