風味を最大限に生かしたフィナンシェ

風味を最大限に生かしたフィナンシェ
-フィナンシェのこだわりの製法とは?
まずフィナンシェに限らず焼き菓子の特徴として、焼き上げた時、外側(表面)はさくっとして中はしっとりしているのですが、時間がたつと“水分移動”というのがあって、水分の多いところから少ないところに移動してしまうんですね。外側のさくっとした生地も、時間がたつとしっとりするのはそのせいなんです。今回はバターの風味を生かすことをしながら、外側のさっくり感と中のしっとり感を両立させることが目標でした。細かい調整をいれると50回以上は試作を重ねました。

-すごい回数ですね!それは普通なのですか?
いえ(笑)。すごく多いです!それだけ納得のいくものが作りたかったので。フィナンシェの通常の製法であれば粉類に卵白を入れて、練ってから最後に溶かしバターを入れて仕上げますが、バターシリーズのフィナンシェは粉に溶かしバターをいれてから、卵白を加えています。粉を油分でコーティングすることで外側のさっくりした食感を残しました。さらに焼き立てのフィナンシェにメープルシロップをしみ込ませています。これも通常やらない行程で、すべて手作業でやっています。バターとメープルの相性をいかして、より風味をアップさせました。
株式会社ファミリーマート 商品本部 藤原由江さん
バターフィナンシェ
-メープルシロップはちょっと他にないですよね。実際にいただいたのですが、風味のコクや旨味がストレートに伝わるというか、今まで食べたことがないフィナンシェでとても美味しかったです。
ありがとうございます。風味をより生かすのと他にはない味の独自性というのも追及しましたし、さっくりとしっとりを両立させる生地の厚み、もとの焼き型も試行錯誤でイチから作りました。
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