日本酒と焼酎、どちらが体に良いか?

人気管理栄養士・森由香子さんによる連載コラム「老けない人は何を飲んでいる?」。焼酎と日本酒、どちらが良薬として働くかというと、それぞれに違った魅力があるようです。何を飲もうか迷った際の参考にしてみてください!

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ビールの次に、焼酎を飲むか、日本酒を飲むか

「とりあえずのビール」を飲んだ後、次に飲むのを日本酒にしようか焼酎にしようか迷うことはありませんか? そんな時、より体に良いのはどっちだろう?と考える方もいらっしゃるかもしれません。

結論から申し上げますと、日本酒も焼酎も適量といわれるアルコール量20g程度であれば、どちらも体に良い、百薬の長といえるお酒となります。日本酒であれば180ml(1合)、焼酎25度であれば100ml程度(グラス半分)です。(※適量は、年齢、体重、性別、個人のアルコール分解能力の違いにより個人差があります)

では、日本酒と焼酎の構成成分を詳しく見ていきましょう。

日本酒は、タンパク質と美容成分が豊富

まず日本酒は、栄養成分が豊富に含まれています。タンパク質、糖質、ビタミンB6、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ヨウ素、リン、モリブテン、ナトリウム、どれも体に必要な栄養素ですね。知らない間に栄養補給ができてしまうくらいです。

とくに注目したいのがタンパク質。タンパク質は、肌をはじめ、髪、筋肉、酵素など体の主要成分です。また、日本酒は、昔から美肌効果が高いといわれているため、日本酒の美容成分でつくられた化粧品もあるほどです。

焼酎は、糖質やコレステロールを気にする人におすすめ

では、焼酎をみていきましょう。焼酎の構成成分は水とアルコールで、糖質のような栄養成分が入っていません。アルコール濃度が高いという特徴があります。糖質を気にする方は、糖質がゼロの焼酎のような蒸留酒が良いと一般的に言われています。

また、焼酎は血栓を溶かすプロキナーゼを活性化させるため、コレステロールを気にしている人に良いと言われていたり、プリン体がゼロなので尿酸値を気にする人に良いという情報もよく耳にします。

プリン体は、お酒の種類より「飲酒量」が影響

ただ、プリン体に関していえば、お酒だけに焦点をあてるのはナンセンスといえます。実は、どんなお酒であっても、アルコールが代謝される過程において、尿酸は産生されます。どちらかというとプリン体を気にするならば、お酒の種類よりも飲酒量に気を付けたほうがよいのです。さらにいえば、一緒に食べる食事の内容によっても変わってきます。

ともあれ、お酒は、あくまで嗜好飲料です。お好きなお酒を飲むのが一番ですね。日本酒にせよ、焼酎にせよ、お酒には健康的な食生活をおくる上で食事を美味しくいただいたり、消化を助けたり、ストレス発散できたりと大切な役割があります。どちらも適量であれば良薬として働くはずです。


※記事の情報は2019年6月22日時点のものです。
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