白央篤司のつまみ暦vol.3~暑い日には、こんな家飲み~
フードライターの白央篤司さんが、ショートエッセイと共に季節の晩酌をお届けする「つまみ暦」。季節はすっかり夏ですが、連日の暑さの中、白央さんはどんな家飲みをしているのでしょうか? さらに記事後半ではお知らせと共に、ライター・泡☆盛子さんとのショートトークもお届けします。

連日の暑さ
この暑さ、洗濯物がすぐ乾くこと、そしてビールがおいしくなることぐらいしか良さを見出せません。だもんで、なかなか休肝日をもうけることの出来ないこの頃。でも帰宅してシャワーを浴びたらもう、どーーにも欲しくなっちゃいますよね、ビール。

豆腐の水を切ってる間に(キッチンペーパーで全体をくるめばOK)、ねぎ刻んで、キムチ出して、箸と小皿とグラスの用意なんかするわけです。その間にほどよく水も切れますので、うつわに豆腐を盛ったら、冷凍常備しているちりめんじゃこ、キムチをのっけて、ごま油と醤油ちょいをかければ完成。あればミニトマトなんか添えても。ビールはもちろん、焼酎のソーダ割りにもよく合います。

私は簡単に、はも皮と塩もみきゅうりを甘酢でひと晩おいてつまみにしてますが、はも皮を軽く炒ってから甘酢にひたす方もいるよう。余ってた紫たまねぎのスライスも加えてみたら、これがなかなかいい。パプリカやみょうがなんかも、今度は加えてみよう。
はも皮、関東じゃなかなか手に入らないのが難点。デパ地下などでたまに見かけるかなあ。あったら、お試しください。

角切りにしたズッキーニと、小ぶりに切り分けたげそ、軽くつぶしたミニトマト数個、細切りショウガ少々を耐熱容器に入れて油でひたし、塩、あら挽き黒こしょうで熱して、全体に火が通ったら仕上げに山椒粉ぱらり、というのが爽やかでいいんです。山椒を加えるだけで、グッと夏向きの風味になりますよ。あるいはカルダモンパウダーもおすすめ。ビールはもちろん、白ワインやスパークリングのおともに。
実は…
思い起こせばイエノミさんは、友人ライター・泡☆盛子さんが誘ってくれて、ご縁ができたのでした。この記事、3年半前か。
白央 おお、盛子さんや。お別れ回も一緒に飲みましょう。盛子さんの毎月の連載、楽しみだったなー。今の時期ならセブンのスムージーでカクテル、なんて回を思い出す。「自宅のブレンダーなどで完成させればいいんじゃない?と思った方へ。無理です」ってところ、笑ったよw

泡 実は、小説やエッセイといった「本」とコミックを交互に紹介してたの。毎回、自分では思いつかない料理を作るのが本当に楽しかったし、いい経験になったと思う。いつか取り上げたいと思っていたのが、『大草原の小さな家』シリーズの『農場の少年』に出てくる、エッグノッグという飲みもの。夏の暑い日に、樽いっぱいに作ったのを柄杓(ひしゃく)ですくって飲むシーンがたまらなくて。連載は終わったけど、個人的にこれに酒を加えて飲むわ、今度。
白央 柄杓ってのがいいね。あとさ、小さく好きなのが、マリトッツォならぬ「アテトッツォ」を盛子さんが考える回。このお菓子はすぐ見かけなくなったけど、個人的には今も好きなんだよー。いろんな大喜利バージョン、あったねえ。
白央 全部かな。とにかく「酒好きしか読んでいない」という前提で話を進められるのが、よかった。「アテな汁もの」とか「小鍋を楽しむ」なんてテーマ、なかなか他ではやらせてもらえないよ。酒好き用に凝った回にするときあり、簡単メインで「味付けはパスタソースにお任せ」とか「冷凍おくらでおつまみレシピ4品」とか、そのときの気持ちでテーマを決めさせてくれて、本当にありがたかったです。盛子さんはここ近年で、イエノミの形などに変化はあった?
泡 去年の秋くらいから沖縄・石垣島の実家に長期帰省をして両親と一緒に暮らしてるんで、イエノミがグッと健康的になったよ(笑)。京都で一人暮らしをしている時は、昼夜問わず好きな時間に好きなだけ飲んでジャンクなものも食べていたけど、今は島の食材メインの自作料理がほとんど。お酒はほぼ毎日泡盛。ヘルシーなはずなのになぜ痩せないのか不思議よ〜。
白央 昼夜問わず好きなだけ飲んでたんかい(笑)。盛子さんの島飲みライフはみなさん、ぜひインスタで「泡☆盛子」をチェックしてみてください。
私は夜飲みをあまりしなくなりました。あっても月に2~3回ぐらい、友人と外で飲むときぐらいでね。休みのときは、家で昼飲みからの早寝がすっかり定番に。まあ、きょうはゆっくり飲みましょうか。
今までイエノミスタイルでお付き合いいただいた皆様、本当にありがとうございました。また、どこかで。
※記事の情報は2025年7月30日時点のものです。
- 1現在のページ