いま”メキシコ飲み”が熱い! 本場のシェフが教えてくれたメキシコのレシピ【第1回:牛肉のタコス】

いま静かなブームになっているメキシコ料理。メキシコ大使公邸のシェフとして、数々の晩餐会で腕を振るうシェフ、ビクトル・バスケスさんに、私たちでもできるメキシコ料理を図々しく教わってきました。みなさんも自宅でメキシコ料理にチャレンジして、ディープなラテン系家飲みを実践してみてください!

ライター:まるまる

本場のタコスは驚くべき料理だった

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メキシコ大使公邸のシェフ、ビクトル・バスケスさん。2年前に着任し、大使夫妻のお食事や各国の要人を招く晩餐会の料理など、多忙な毎日を過ごされているそうです。いつもは懐石料理のような繊細なメキシコ料理を作っているビクトルさんに、私たちがまねできるシンプルな料理を教えてください、とお願いしてみました。

第1回目はタコス。メキシコといえばやっぱりタコスです。メキシコのソウルフードともいえる料理だけあって、ビクトルさんもタコスにはかなりのこだわりがあるみたいです。

「日本にあるメキシコ料理店は、厳密にいうとメキシコ料理というよりテクスメクス(メキシコ風アメリカ料理)が多いよ。もちろんテクスメクスもおいしくて、僕も大好きな店がたくさんあるけどね。タコスは、テクスメクスでなくてメキシコのやりかたで作ると、簡単なものでも1時間ぐらいかかかるんだ」とビクトルさん。

今回は、ぜひにと、本場のやりかたをお願いしてみました。
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まずステーキ用の牛肉。あまり霜降りとかではない赤身っぽい肉です。両面に軽く塩を振ります。あっコショウはどこだろう、すみません私たちコショウ用意してません、とあわててビクトルさんに言ったら、

「コショウ?・・・う〜ん、いらない」

と、どっちでもいい感じ。というかコショウって何だったっけくらいのリアクションでした。実はこのあと、どんな料理にもコショウは出てきません。肉には必ずコショウという固定観念にひとまずさようならします。
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牛肉はフライパンで強火で焼きます。

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ステーキが焼けてきておいしそうだなと思っていたら、ここでいきなりヒタヒタの水を投入! 肉のうま味を閉じこめるなどと細かいこと言いません。
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ふたをしてグツグツ。水が減ったら適宜足しながら1時間煮ます。先に結論を言っときますと、肉をゆで終わった後のお湯は、ビクトルさん流しに捨ててました。肉汁が出たスープがどうのとか、小さいことは言わないのです。
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肉が煮えるのを待つ間に、サルサ(ソース)を作ります。プチトマト、たまねぎ、青唐辛子を、油をひかないプライパンで焼きます。冷たいトマトなどを切って混ぜるんじゃないんですね。少し焦げて黒くなるまで放置して、焦げたらひっくり返します。
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火が通った野菜を潰します。まずたまねぎをつぶし、次に青唐辛子、そしてトマトと加えていきます。使うのはメキシコの石臼「モルカヘテ」です。「これ日本ではあまり見たことがないのでフードプロセッサーかすり鉢でもいいです」とビクトルさん。まあ普通のご家庭にモルカヘテはないと思います。試しにモルカヘテ、持たせてもらったら腰痛が再発しそうになりました。
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塩で味を整え、コリアンダーのみじん切りを加えたらサルサの完成です。
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1時間後、煮えた牛肉をフライパンから取り出したビクトルさん、ためらうことなく細切りに。「あっ・・・」見守る私たちスタッフが思わず息を飲んだ瞬間です。私たち何かにとらわれ過ぎてます。
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追い討ちをかけるように包丁は横にも入って、あっという間にさいの目にカットされてしまいました。
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そして油を引いたフライパンで再度加熱。立派なステーキ肉がこのように扱われることに慣れてない私たちの心配をよそに調理は淡々と進み、もう完成間近です。
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フライパンで温めたトルティーヤに、加熱した牛肉とみじん切りのたまねぎ、コリアンダー。
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サルサと、ライム(またはレモン)をお好みで。本場のタコスの完成です。
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いろいろ驚いているうちにできあがったタコス。さっそく試食させてもらいました。どうだったかというと・・・このうえなく素晴らしい味わいでした。素材そのものの滋味にあふれ、さらっとしているのに同時に深みがあります。調味料は塩のみ、牛肉に対する日本人風のリスペクトは最小限。しかし。こんなにおいしいタコスは生まれてはじめてでした。タコスにあわせたお酒はテキーラ。アルコール度数40度なのに、このタコスと一緒だとどこまでも飲めてしまいそうな危うさを感じたのでした。正統派タコス、みなさんもぜひ作って”メキシコ家飲み”を堪能してみてください!

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