【泡盛】ニッポン最古の蒸留酒を飲もう!

夏といえば沖縄、沖縄といえば泡盛! 泡盛の”基本”をおさらいします。

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泡盛。本格焼酎の中でも独特の位置を占める南国沖縄のお酒です。日本の蒸留酒の中でも最も古い歴史をもつこの泡盛、もっと注目されてもいいんじゃないの?とイエノミスタイル編集部では考えています。まずは、泡盛のキホンを調べました。

さて、泡盛って何?

泡盛ラベル
泡盛は、沖縄で作られる本格焼酎の一種です。アルコールの蒸留技術は、大陸から沖縄を経由して九州地方に伝わったといわれていますから、泡盛は最も歴史の長い、最古の国産蒸留酒ということになります。

しかし不思議なのはこの名前です。焼酎なのになぜかわざわざ「泡盛」という別称がついている。「泡盛」の名が歴史上に最初に登場するのは1671年のこと。琉球から幕府への献上品の中に「泡盛酒」の文字が記されているそうです。徳川は家綱の時代です。

ではなぜ「泡盛」なのか、この由来を調べてみると諸説あるのですが、最も有力なのは、日本古来の焼酎の質を調べる方法に由来しているというもの。焼酎を蒸留する際に、ポタポタと垂れて落ちてきたお酒の泡立ちが良いほど良質な酒とされたそうです。泡盛……泡が盛られるほど立つ良質な焼酎、というキャッチフレーズだったんですね。

泡盛はどうやって作られる?

泡盛の原料はお米です。ただし、日本のお米の使うことはほとんどありません。一般的には、細長い粒のタイ米を使うのが習わし。もともとは沖縄で取れたお米が使われていましたが、大正時代ごろからタイ米が使われ始めたようです。その理由もいろいろあって、ひとつには、タイ米は固くべたつかないため、蒸しても扱いやすい、アルコール発酵のときの温度管理がしやすい、発酵し終わったあとのアルコールの収量が多い、などの作業上のメリットがありました。そして、なんといっても、泡盛らしい味わいと香りを出すには、タイ米がぴったりだったようです。
 
タイ米を蒸したら、泡盛用の麹菌、黒麹をまぶして繁殖させ、お米のデンプンを糖化させます。そこに水と酵母菌を入れ、アルコール発酵を行います。こうして出来た原液を蒸留器に入れ、一回だけ蒸留し、高アルコール度数のお酒にします。蒸留直後のアルコール度数はだいたい50度前後。これに水を加えてアルコール度数を調整して出荷します。

泡盛の最大の特徴は、麹菌に沖縄発祥の黒麹を使っていることがあげられます。黒麹を使ってお酒を造るのは世界的にも大変珍しいそうです。黒麹を使って発酵させると強力なクエン酸が発生して殺菌効果を発揮、雑菌が繁殖しやすい高温多湿な沖縄でのお酒づくりに最適なのです。ちなみに、黒麹菌の学名は、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus-awamori)といいます。

古酒(くーす)の魅力

泡盛のかめ
泡盛の大きな魅力は、瓶に入れて長期保存することで「古酒(くーす)」と呼ばれる長期熟成酒に「育つ」こと。古酒は、沖縄の宝とも言われ、現存する最高齢の古酒は、首里城に保管されている150年ものだそうです。かつて琉球王朝時代には300年ものも存在したといいます。長期間寝かせた泡盛は、アルコールの刺激が丸くなり、まろやかなコクと独特の香りが生まれます。江戸末期、琉球を訪れたペリー提督は、泡盛の古酒を飲むと「まろやかに熟し、きつくて甘くて、まるでブランデーのようだ」と絶賛したとか。

業界の基準では、3年以上寝かせたものが「古酒」と名乗ることができます。中には、10年以上を超えるものもあります。このような長期間の保管では、途中で蒸発した分の泡盛やアルコール分を継ぎ足しながら、まさに古酒を「育て」ていくのです。

泡盛の飲み方なんでもアリ

泡盛水割り
泡盛は、いろんな飲み方が楽しめます。アルコール度数も、下は20度前後から上は50度程度とよりどりみどり。

最も一般的な飲み方は水割り。泡盛の味わいをシンプルに楽しみたいならオンザロックで。独特の香りを存分に楽しみたければお湯割りもおすすめです。この他、ウコン茶割りや、シークワーサーの果汁を加えたり、と沖縄特産品を使った飲み方も南国を気分を盛り上げてくれますね。地元沖縄では、ミルクやコーヒーで割ったりする人もいるとか。南国らしく、おおらかに何でもアリな泡盛なのです。焼酎を飲みたい気分だけど、ちょっと目先を変えてみたい。そんなときには泡盛を強くおすすめします!

※記事の情報は2018年8月22日時点のものです。
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