【刺身の盛りつけ】オシャレに見えて、ツマなしでも映えるコツをプロが伝授!

スーパーで買ったパックの刺身や奮発して買った柵も、盛りつけがイマイチだと美味しさ半減。そんな残念な盛り方にさようなら。オシャレで見映えの良い盛りつけ方のコツをプロのフードコーディネーターに教わりました! 

メインビジュアル:【刺身の盛りつけ】オシャレに見えて、ツマなしでも映えるコツをプロが伝授!

教えてくれたのはこの方

いのうえ 陽子(いのうえ ようこ)さん

スタイリスト、フードコーディネーター、栄養士、薬膳コンシェルジュ。大手料理教室で講師をした後、祐成陽子クッキングアートセミナーでアシスタントを努める。現在はスタイリストやフードコーディネーターとして、WEB、書籍、広告撮影に伴うスタイリング、テーブルコーディネート、レシピ開発などを行う。

いのうえ 陽子さん

刺身は3つのポイントをおさえると盛りつけ上手に!

刺身を見映え良く盛りつけるには、「皿の選び方」「あしらい(ツマ)の扱い方」「並べ方」の3点をおさえるのがポイントです。

“見映え良く”とはいえ、数種類の刺身の盛り合わせを高級感のある感じに盛りつけたいのか、少量の刺身をカジュアルな感じに盛りたいのかで選ぶ皿やあしらいは変わります。

刺身の盛りつけ・基本ポイント①|皿の選び方

皿各種
皿は、どういう風に盛りたいのかをイメージしながら質感、サイズ、色味、デザインで選びます。

【質感】
マットな質感の皿だとシックに、ツヤのあるものならカジュアルに演出できます。

【サイズ】
高級感を出したい場合は23~25cmくらいの大きめサイズの皿を選び、盛りつける量を少なめにして余白をゆったりとります。カジュアルなイメージで盛りたいなら、余白は適度になるように。1~2人前なら15~20cmくらいがおすすめです。

【色味】
基本的に刺身には黒や茶、深緑の皿が映えますが、カジュアル感を出したい場合は白い皿でも。また、ガラスの器を使うと清涼感を演出できます。

【デザイン】
使いやすいのはシンプルな丸皿ですが、1人前程度の少量を盛りつける場合やツマなどのあしらいが少ない場合は、菊花皿や絵付け皿など表情があるものを使うとさびしい印象になりません。モダンかつカジュアルに見せたい場合は、四角い皿もおすすめです。
丸皿

刺身の盛りつけ・基本ポイント②|あしらい(ツマ)の扱い方

大根のツマや青じそなどのあしらいは、刺身を美味しそうに見せるのに欠かせない名脇役です。パックの刺身を買うとたいてい付いています。

添えられている大根のツマや青じそは、一度冷水にさらしてしゃっきりさせましょう。
大根のツマや青じそは、一度冷水にさらしてしゃっきりさせる

ツマは水にさらした後に、キッチンペーパーで包んでかたく絞ります。このちょっとした下処理で見違えるほどふんわりします。
ツマは水にさらした後に、キッチンペーパーで包んでかたく絞る

高級感や華やかさを演出したい場合は食用菊やタデ、花穂紫蘇、生姜の千切り、ラディッシュやキュウリの飾り切り、“より人参”をあしらったりすると見映えがします。
青じそ、食用菊やタデ、花穂紫蘇、生姜の千切り、ラディッシュやキュウリの飾り切り、“より人参”

より人参は、薄くスライスした人参を斜めに切って竹串に巻き付ければ完成。簡単に作れるので、皿がさびしいと思ったときに覚えておくと便利です。
薄くスライスした人参を斜めに切る
薄くスライスした人参を竹串に巻き付ける
魚を柵で買ったとき、大根のツマが付いていなくてどう盛りつけようと悩んだことはありませんか? そんなときは、ブロッコリーなどのスプラウト類や人参の千切りがツマの代わりになってくれます。
ブロッコリーなどのスプラウト類や人参の千切

スライスレモンやラディッシュ、ハーブ、ミニトマトなど身近な食材や、菜の花、エディブルフラワーもあしらいとして使えます。
スライスレモンやラディッシュ、ハーブ、ミニトマトなど身近な食材や、菜の花、エディブルフラワー

刺身の盛りつけ・基本ポイント③|並べ方

皿の奥側が高く、手前が低くなるようにツマなどの量を調整して刺身を立体的に並べるのが美味しく見せるコツです。盛り合わせの場合、手前にマグロなどの赤身の刺身を置くと全体が締まります。
刺身3種盛り付け

刺身を盛りつけるときはなるべく触る回数を減らすために、3~4切れをまとめて箸でつまんで並べ、皿に置いてから位置を微調整して整えます。
3~4切れをまとめて箸でつまんで並べる

先端が細い盛りつけ用の箸を使うと美しく盛りつけることができます。
先端が細い盛りつけ用の箸を使う

以上が刺身の盛りつけ方の基本ポイントです。続いてはいよいよ実践編! ケース別に盛りつけ方を解説します。

【Case.1】4点盛りの刺身をリッチな感じで盛りつけたい!

刺身盛り合わせパック

<使う皿はこれ!>
直径23cm、マットな質感の黒い丸皿
直径23cm、マットな質感の黒い丸皿。余白もとれる大きさです。

<盛りつけ手順>
手のひらに下処理(前述)した大根ツマをとり、丸く高さが出るように整えます。
大根ツマを丸く高さが出るように整える

皿の左奥に大根ツマを置き、青じそをツマに立てかけます。
皿の左奥に大根ツマを置き、青じそをツマに立てかける

青じそにもたせかけるように箸で刺身を3~4切れつまんで置き、角度や位置を整えます。
青じそにもたせかけるように箸で刺身を3~4切れつまんで置く

同じように右奥、手前にツマと刺身を置いていきます。手前は奥側よりも少し低めにすると高低差がついて立体的に見えます。マグロなど赤身の刺身は手前側に置きましょう。余白をしっかりとると、高級感を演出できます。
手前は奥側よりも少し低めにすると高低差がついて立体的に見える

さらに、手前の低い位置にホタテを置いて。
手前の低い位置にホタテを置く

刺身の間の空間を埋めるように食用菊を置きます。高さのある花穂紫蘇は、奥側の刺身が少し低くなっている位置に置くとバランスがとれます。わさびは皿の右下に置きましょう。
空間を埋めるように食用菊を置き、高さのある花穂紫蘇は、奥側の刺身が少し低くなっている位置に置く

より人参を飾って完成です。
盛り付け完成

【Case.2】1人前の刺身を小粋に盛りつけたい!

サーモン刺身パック

<使う皿はこれ!>
直径15cm、ややツヤのある質感の白い菊花皿
直径15cm、ややツヤのある質感の白い菊花皿。

<盛りつけ手順>
皿の奥に下処理(前述)した大根ツマを置き、青じそをツマに立てかけます。
大根ツマを置き、青じそをツマに立てかける

青じそにもたせかけるように箸で刺身を3~4切れつまんで置き、角度や位置を整えます。
青じそにもたせかけるように箸で刺身を3~4切れつまんで置く

スライスラディッシュと食用菊を、正面を向くように置いて…
スライスラディッシュと食用菊を、正面を向くように置く

皿の右にタデやわさびを置いて完成です。
一人前盛り付け完成

【Case.3】ツマなしの柵を見映えよく盛りつけたい!

柵のパック

<使う皿はこれ!>
角皿
横23×縦9cm、ややマットな質感の白い角皿。

<柵の切り方>
マグロなど目(筋)の向きがはっきりしている魚は、目に対して直角になるように包丁を入れていきます。
目に対して直角になるように包丁を入れる

厚みが均一な柵の場合、上からまっすぐに包丁を入れてひと引きする「平切り(平作り)」がおすすめです。マグロならぶつ切りにしても。
平切り

鯛など厚みが不均一な柵はそぎ切りにします。まな板に対して、柵を右斜め上に傾けて置くと切りやすくなります。
柵

包丁を少し右に寝かせて手前にすっと引き、
包丁を少し右に寝かせて手前にすっと引く

完全に切り落とす前に寝かせていた包丁をまっすぐに起こして引くと、きれいに切れます。
完全に切り落とす前に寝かせていた包丁をまっすぐに起こす

<盛りつけ手順>
大根のツマ代わりにスプラウト類や人参の千切りを盛りつけ、青じそやスライスレモンを添えます。
スプラウト類や人参の千切りを盛りつけ、青じそやスライスレモンを添える

ツマの前に切った刺身を盛りつけていきます。薄くそぎ切りにした刺身をくるりと巻いてのせたり、ぶつ切りの刺身を重ねたりするとより立体感を演出できます。
マの前に切った刺身を盛りつける

小さく切ったプチトマトやラディッシュ、食用花で飾り付けして…
プチトマトやラディッシュ、食用花で飾り付け

皿の右下にわさびを置いたら完成です。
皿の右下にわさびを置いたら完成

* * *

少しのコツをおさえるだけで、その日の食卓シーンに合った刺身の盛りつけ方ができるようになります。ぜひお試しください!

※記事の情報は2023年3月3日時点のものです。
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