今年も、夏酒の季節がやってまいりました!

日本酒と発酵フレンチのお店「SAKE Scene〼福」を経営する簗塲友何里(やなば ゆかり)さんのお酒コラム。今回は、今年もシーズンが巡ってきた夏限定酒「夏酒」のご紹介。

ライター:簗塲友何里簗塲友何里
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夏酒で夏休み気分も、準備万端!

日本の夏の楽しみ方のひとつとして、夏に出る日本酒「夏酒」を味わうという、目にも身体にも嬉しい方法があります。6月くらいから徐々に限定で販売される夏酒。夏酒は、夏の間日本酒の売上が落ちてしまうことから考えられたもので、2007年頃から始まった風習です。各蔵が工夫をこらした、夏休みを思わせる、見ていて心躍るラベルに包まれています。眺めているだけでも、暑いだけじゃない日本の夏の魅力を再発見できそうですね。花火、浴衣、おばけ、向日葵、カブトムシなどなど。思わず童心に戻って、外に出かけたくなります。ボトルも綺麗な水色や、透明の涼し気な出で立ち。
夏休みももうすぐ! 気分も盛り上がってきます。

おすすめの夏酒たち

さて、肝心のお味はいかがなものでしょうか? 各蔵で様々な工夫をしている夏酒ですが、通常は原酒ではなく、加水をしてアルコール度数を調整し、暑い時でも飲みやすくしている場合が多いです。酸味も高くすっきりとしたフレッシュ感があります。もちろん、夏らしくシュワシュワっとした活性にごり酒もあります。さらに中には、原酒に氷を入れ、ロックでも飲める日本酒などもあり、そのバリエーションを味わうのも楽しいですね。それでは、私の大好きな、今年おすすめの夏酒をご紹介します。

るみ子の酒 純米無濾過生 ブルーボトル(三重・森喜酒造場)

るみ子の酒 純米無濾過生 ブルーボトル(三重・森喜酒造場)
漫画「夏子の酒」の作者さんが、生産者のるみ子さんを描いたラベルが楽しい三重県のお酒です。夏バージョンは、るみ子さんが浴衣を着ています! 通常のるみ子の酒は、しっかりとした深い味わいの日本酒ですが、夏バージョンのブルーボトルは、飲みやすくすっきりしています。米の旨味を感じる料理にも合わせやすく、見た目にも涼し気な日本酒です。
私の経営するSAKE Scene 〼福では、るみ子さんにいらして頂く蔵元会も企画しています。(くわしくはコチラ)。
森喜酒造場ホームページ

伊予賀儀屋 清涼純米 花火(愛媛・成龍酒造)

伊予賀儀屋 清涼純米 花火(愛媛・成龍酒造)
愛媛県の淡白な白身魚に合うような、優しい味わいの日本酒を造っている成龍酒造からは、四季を通して同じ日本酒の味わいの変化をみていく「切り絵」シリーズです。地元の切り絵作家、塩崎剛さんが、下描きをせずに一気に仕上げる四季折々の絵が魅力的なラベルです。夏に出荷される「花火」は、日本らしさを感じる美しい花火の切り絵。味わいは、愛媛県産の酒米、しずく媛のおだやかな米の旨味が感じられます。加水火入れされ、いつまでも飲み続けたくなる優しい印象のお酒に仕上がっています。ゆるゆる、花火を見上げながら魚介のつまみとともに飲みたいお酒です。
成龍酒造ホームページ

文佳人 夏純吟 おばけラベル(高知県・株式会社アリサワ)

文佳人 夏純吟 おばけラベル(高知県・株式会社アリサワ)
高知県らしく鰹などにも合う、コクのある日本酒を火入れしたもの。穏やかな味わいです。夏純吟のおばけラベルは、日本酒にちなんだ可愛いおばけ達が、てぬぐいのデザインのようにちりばめられている、なんとも愛らしい楽しい柄です。

そしてなんと、各おばけを説明しているシールも付いています!冷製の脂の良く乗った鯵の酢締めなど、魚介類によく合います。
株式会社アリサワ FBページ

夏も日本らしい楽しみ方を

あっという間に梅雨明けし、毎日暑い日が続いています。仕事の後は、くっとビールを喉に流し込むのも良いですが、夏酒も仲間に入れてみませんか? 酒屋で夏酒の棚を眺めているだけで、フォトジェニックな可愛いラベルにウキウキします。
ぜひこの限定の夏の楽しみを満喫してくださいね。


※記事の情報は2018年7月10日時点のものです。
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