待ってました! 秋の日本酒。

日本酒と発酵フレンチのお店「SAKE Scene〼福」を経営する日本酒ラヴァー、簗塲友何里(やなば ゆかり)さん。今回は待ちにに待った秋の日本酒!

ライター:簗場友何里簗場友何里
メインビジュアル:待ってました! 秋の日本酒。
そろそろ暑い夏も終わりそうと期待が高まるこの頃。秋へ気分転換するのに必須アイテムに「秋の日本酒」があります。ひやおろし、秋あがりなどなど、瓶に表記されているのが秋のお酒です。ラベルを工夫している蔵も多く、紅葉した葉っぱや月見、ハロウィーンまで様々な秋を感じるデザインで目を楽しませてくれます。
 

秋の日本酒とは?

秋の日本酒の代表が「ひやおろし」です。ひやおろしとは、春先にしぼった日本酒を火入れ(加熱殺菌)をし、ひんやりとした蔵の中でひと夏熟成させて、2度目の火入れをせずに、秋に出荷されるお酒です。それ以外の製法のお酒は、別の名前で出荷されています。秋に出るということは、春先にしぼった日本酒を夏の間保存し、秋口に出荷されるので、味わいに深みが出て、まろやかな印象があります。半年ほど熟成されているため、アルコールと水がよく混ざり合い、丸みを帯びた味わいになるのです。四季の中で、秋が一番好きな私は、しっぽりと落ち着いて秋のお酒と向き合うこの時期を、毎年待ちこがれています。
 

いくつかおすすめの秋の日本酒をあげてみます。

つきよしの 月見に一杯(長野県若林醸造)
うさぎが月で餅つきをしている可愛くセンスのあるラベル。月を見ながらゆるゆる飲みたくなるお酒です。長野県上田市の蔵です。ブランド名の「つきよしの」は、創業のころ、吉野桜の下で月見をしていたら花びらが舞い降り、その美しい情景から名付けられました。開けた後も常温で寝かせることで、丸く丸く柔らかく味が変化し、リラックスして飲める味になりそうです。その変化もお楽しみ頂けます。秋のお酒として、もう一品。ハロウィーン柄のラベルも出ています。こちらは、アルコール度数15%の抑え目な生原酒をそのまま熟成させてから、火入れをしています。秋の夜長に「つきよしの」の飲み比べも楽しみです。
つきよしの 月見に一杯(長野県若林醸造)

十旭日(じゅうじあさひ) 純米酒ひやおろし(島根県旭日酒造)
島根県出雲市の蔵です。本物のようなリアルな、紅葉したイチョウのラベルが瓶にペタペタと貼ってあり、秋の訪れに見ているだけでもワクワクするデザインです。お米は、出雲市で収穫され、自家精米された五百万石。十旭日らしく辛口ながらも旨味を感じる味にし、火入れをして熟成させました。開けたてはフレッシュさも感じましたが、旨味が感じられこのバランスもたまりません。しかしここからが十旭日の本領発揮。どんどん味が成長し飲みごたえがある、ひやおろしに変化するでしょう。いずれにしてもお燗にしてゆっくりと。
十旭日(じゅうじあさひ) 純米酒ひやおろし(島根県旭日酒造)

秋の日本酒は少し温めて。

ひやおろしはや秋あがりは、半年ほど熟成させているのが特徴的なので、少し温めた方が味のまろやかさをより一層感じられます。1回火入れをしているので、味わいが強すぎず、料理に合います。旨味も良く感じる、まさにこのタイプの日本酒は、少し温めるとより奥行きが出た味わいになり、香りもふわっと柔らかで気分も落ち着きます。ぜひぬる燗でどうぞ。合わせるお料理は、出汁の味をしっかり感じるものや、発酵しているものなどなど。チーズも良く合いますし、味噌やキノコの出汁を使った料理も合います。私が経営する発酵フレンチと日本酒のマリアージュのレストランでも、秋のお酒は大活躍! 私もスタッフもこの時期を待ちわびていました。随時秋あがりやひやおろしを仕入れ、飲み頃のタイミングで適温のお燗でご提供します。
 

秋のお酒にゆっくり付き合う

初物が好きな日本人。出荷が始まった秋の早い時期に購入して、開けたてから徐々に熟成が進んで変化していく味わいと、ゆっくりと向き合ってみませんか? 秋のお酒は人気で早く売り切れてしまいます! お早目の購入をおすすしめます。
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