JAZZを愛する会社員、高野有希子さんのおすすめ家飲み音楽とは? 《私の家飲みプレイリスト⑤》

今回は東池袋にある隠れ家的カフェ「KAKULULU」の店主の奥様に選曲していただきました。

ライター:池谷 恵司池谷 恵司
メインビジュアル:JAZZを愛する会社員、高野有希子さんのおすすめ家飲み音楽とは? 《私の家飲みプレイリスト⑤》
あなたは家飲みのお供にどんなBGMをかけていますか? 音楽好き&お酒好きの方々に、素敵な家飲みミュージックを選曲していただく連載企画「私の家飲みプレイリスト」。
今回ご登場いただくのは、こよなくジャズを愛する会社員で新米ママでもあり、東池袋にある隠れ家のような素敵なカフェKAKULULUの店主の奥様でもある高野有希子さん。そんな高野さんが選んでくれたプレイリストは、国内外のコンテンポラリーなジャズを中心としたプレイリストとなりました。

(記事の最後にSpotifyで実際に音楽が聴けるプレイリストがあります。音楽を聴きながらの家飲みをぜひお楽しみください)
 

今回、選曲してくれたのはこの方!

ジャズを愛する会社員 高野有希子さん

会社員。週末はライブ鑑賞、トランペットの練習、音楽理論の勉強でジャズ三昧。2017年7月に出産。現在育児との両立を模索中。夫は東池袋『KAKULULU』店主。

ジャズを愛する会社員 高野有希子さん

美味しいお酒と最先端のジャズを味わう

高校時代に渋谷系の音楽に熱中し、大ファンだったカヒミカリイを経由して日本のコンテンポラリーなジャズが大好きになったという高野さん。ご自身でもトランペットを演奏し、週末にはライブも頻繁に行かれるジャズフリークで、ご出産の3日前までジャズのライブを見に行っていたという筋金入り。そんな高野さんのプレイリストは国内外の最先端のジャズがずらりとそろったラインナップとなりました。
 

高野さんの選曲はこちら

  • カマシ・ワシントン ・・・ Hub-Tones
  • クリス・シーレ&ブラッド・メルドー ・・・ The Old Shade Tree
  • 伊藤ゴロー・・・ ユリディスのワルツ
  • RS5pb・・・ Danu
  • アニメ「坂道のアポロン」オリジナル・サウンドトラック・・・ Moanin'
  • マカヤ・マクレイヴン・・・Butterscotch
  • マカヤ・マクレイヴン・・・Above & Beyond
  • スワヴェク・ヤスクウケ・・・Oxis
  • TAMTAM・・・Esp
  • 渋谷毅・・・MY FUNNY VALENTINE
  • 小田朋美・・・星めぐりの歌
  • スフィアン・スティーヴンス・・・Death and Dignity
  • ロバート・グラスパー・・・So Beautiful
  • シガー・ロス・・・Heima
  • けもの・・・第六感コンピューター
  • くるり・・・だいじなこと
高野さんのリストは、まず現在のLAジャズシーンの中心人物ともいえるカマシ・ワシントンの最新作『Heaven and Earth』からの1曲でスタート。「会社から帰ってきたばかりで、まだ気持ちが切り替わっていないかな、というときにピッタリ。聴くだけで気分が上がる、高揚する曲です」。ちなみに家で飲むときはどんなお酒を飲むのでしょうか。「ワインかビールですが、この曲ならまずはビール!」
2曲目はがらり変わって、静謐な印象のピアノとフラットマンドリンのデュオで話題のアルバム「Chris Thile & Brad Mehldau」から。ブラッド・メルドーは現在のジャズピアノを代表するアーティストで、クリス・シーリーは音楽マニアで話題となっているブルーグラスバンド、パンチブラザースのフラットマンドリン奏者。「まさにジャンルが入り交じっているところが面白いと思っていて。主人がKAKULULUというカフェをやっているのですが、お店でもよくかけているようです」
 
カフェKAKULULU
東池袋にある隠れ家のようなカフェ「KAKULULU」。今回の取材もKAKULULUで行われた。
次は日本のボサノバギターの第一人者、伊藤ゴローさんの『ユリディスのワルツ』。「これは静かで綺麗な曲です。とても落ちついてゆったりできますね。この曲あたりから白のワインがいいかもしれない。発泡のワインでもいいですね」。
そして次の2曲は新進気鋭のトランペッター類家心平の演奏。「類家さんは私のトランペットの師匠なんです。この『Moanin’』は映画「坂の上のアポロン」のサウンドトラックで、ドラムが若手ナンバー1の石若駿さんですが、石若さんはKAKULULUに演奏者としてよく来てくださって、KAKULULUオブ・ザ・イヤー2017と認定させてもらっています(笑)」。
 
ゆったりした曲にはワインを
次の2曲は世界のジャズシーンで注目されている新世代のドラマー、マカヤ・マクレイヴン。「なんとKAKULULUでマカヤさんがソロのライブをやってくださったことがあって、その思い出の曲です。『Above & Beyond』は最新アルバムの曲ですが結構アグレッシブでイケイケ。お酒も進む感じです!」
次のスワヴェク・ヤスクウケは? 「ポーランドのピアニストで、彼もKAKULULUでピアノソロを弾いてくださいました。この『OXIS』はとてもオシャレな曲で、そこにモダンジャズが合わさった感じでお勧めです」
 
KAKULULU店内
KAKULULU店内
次は日本のバンドで、しかも歌もの。今までとガラっと変わりました。「これはTAMTAMという日本の若手のバンドなんですけど、このバンドもKAKULULUでライブをしてくれて、とてもよかったので、それからよく聴いています。4人編成のバンドでボーカルの女性がトランペットも吹くんです。音楽的には現代ジャズをさらにアップデートした感じで、すごく気持ちいいです」。
その次はうって変わって日本のジャズピアニストの大御所、渋谷毅。「考えてみれば渋谷系を聴いていたので小沢健二さんのバックをしていた時の渋谷毅オーケストラを聴いていたはずですが、その時はスルーしてしまいました。その後日本のジャズをよく聴くようになり、ライブハウスなどで渋谷毅さんのソロを聴いていたらカッコイイと思うようになりました」。
次も日本人アーティスト、東京芸術大学作曲科出身の才媛、小田朋美。「小田さんは今大人気で、ジャズでもポップスでのフィールドで大活躍していますが、このアルバムではピアノの弾き語りをしています。曲の中にクラシック的な要素があって、とても美しいです」。
 
高野有希子さん
さて、だんだん夜も更けた感じでしょうか、落ちついた曲が増えてきました。次のスフィアン・スティーヴンスはどんな方なのでしょうか。「ボーカルの方ですが、とても落ちついた綺麗な曲です。これは曲に惚れましたね」。その次はニューヨークの現代ジャズシーンの中心人物と言えるピアニストのロバート・グラスパー。「この曲は賛否両論があったピアノトリオの演奏ですが、私はとても好きで、やっぱりグラスパーはかっこいいと思っています。実は最近レコードプレーヤーを導入しまして、このアルバムはアナログ盤でも聴いていますが、いいですよ。透明な陶酔感というか……。そんな感じがします」。次のシガー・ロスは? 「これはアイスランドのポストロックバンドです。『Heima』という曲が大好きで、子どもの名前はこの曲からとりました」。
いよいよリストも最後の2曲。けものはシンガーソングライター青羊のソロプロジェクト。「けものの青羊さんにもKAKULULUでライブをやってもらったことがあるんですが、KAKULULUが”けものワールド”に染まって、とても感銘を受けました。これは菊地成孔さんプロデュースのアルバムですが、よく聴いています」。そして最後はくるり。「最新のくるりのシングルですが、KAKULULUオブ・ザ・イヤーの石若駿さんが最近くるりのライブでドラムを叩いていて、この曲はレコーディングにも参加した曲です。いい曲なので、みなさんにもぜひ聴いてもらいたいのでプッシュしてます」。
高野さん、今日はありがとうございました。最後にKAKULULUの美味しいカクテル、カイピリーニャで乾杯しましょう!
 
KAKULULU
(取材協力)KAKULULU | COFFEE MUSIC GALLERY
[住所]東京都豊島区東池袋4丁目29-6
 

Spotifyで聴く、高野有希子さんの家飲みプレイリスト



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※記事の情報は2018年9月22日時点のものです。
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