1人約110本の日本酒を審査する

審査に使用するワイングラスはリーデル社のもの。「メイン」「スパークリングSAKE」「大吟醸」「プレミアム純米」の4つの部門で、それぞれの香りや味を一番引き出す形状のグラスが用意されていました。
左から「メイン部門」「大吟醸部門」用、「スパークリングSAKE部門」用、「プレミアム純米部門」用
左から「メイン部門」「大吟醸部門」用、「スパークリングSAKE部門」用、「プレミアム純米部門」用

編集部員Iの所属するチームが担当したのは「メイン部門」と「大吟醸部門」。まず予審では各チームに割り当てられた約110本の日本酒を、チームメンバー全員でアルコール度数の低いものから全種類審査していきます。

編集部員I:1人で約110本のテイスティングを3時間で完了しなければならないので、1時間に40種ペースで試飲していく計算になります。さらに試飲に加えて1本ずつ点数をつけてコメントを記入するまでを、1本あたり1分くらいで審査していかなくてはなりません。これは時間との戦いでもありますね。
真剣に審査する様子その2

編集部員Ⅰ:ただ美味しいかどうかではなく、飲み飽きしないか、料理に合うか、香りが強過ぎないかなど、諸々のバランスも考えて採点しなければいけないので、結構シビアです。
評価シート

3時間後、予審が終わったら決審です。チームごとに、各メンバーの点数を集計して上位評価された商品を審議。予審での自分の評価と突き合せて、あらためて試飲評価していきます。
決審の様子

編集部員Ⅰ:自分の評価とチームの評価が大きく違っていたらどうしようとプレッシャーを感じていましたが、そんな結果にならずホッとしました。美味しい日本酒は、誰が飲んでも美味しいものなんですね。

開始から約6時間、会場内に日本酒の香りが充満するなか、ようやくすべての審査が終了。結果、全チームから最高金賞51点、金賞244点が選ばれました。審査員のみなさま、本当におつかれさまでした! ちなみに今回の入賞酒の表彰式&お披露目会が、5月15⽇(水)に虎ノ門ヒルズ(東京・港区)で開催されるそうです。日本酒ファンの方は、こちらのイベントもチェックしてみてください。
→ 2018年の入賞酒お披露目会の様子はこちら!

家飲みこそ、ワイングラスで日本酒を

編集部員Ⅰ:当然のことながらどれもレベルの高いお酒ばかりでした。「ワイングラスでおいしい」というテーマなので、香りが高くフルーティーな印象のものが多かったです。とはいえ、それぞれのお酒の個性がしっかりとあって、蔵人の皆さんの自信の1品なんだなというのがよく伝わってきました。あとすべてブラインドでのテイスティングなので、ここの蔵だからこういう香りがして、こういう味だろうという先入観なく飲むことができました。と同時に、いかに普段の自分が先入観で飲んでいるかということに気づかされた良い機会でした。このアワードを通じてワイングラスで日本酒を飲むということが、もっと一般的に楽しまれるようになるといいなと思います。まだまだ少し敷居の高い和食店などでしか、そういう提供のされ方をしていないのが現状なので。家飲みなら好きな酒器で楽しめるし、ワイングラスだから引き出される香り、味わいもあるので、家飲み派の方にこそもっと積極的にワイングラスを使って日本酒を楽しんで欲しいです。

「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019年」の最高金賞受賞酒は下記の通りです。ぜひ家飲みでお楽しみください。
 

最高金賞(51点)

<メイン部門>
「陸奥八仙 特別純米」 八戸酒造株式会社(青森県)
「初槽純吟生酒」 天寿酒造株式会社(秋田県)
「生酛仕込純米酒 鳥海山」 天寿酒造株式会社(秋田県)
「一生青春 特別純米」 曙酒造合資会社(福島県)
「副将軍 純米吟醸」 明利酒類株式会社(茨城県)
「仁勇 純米吟醸」 鍋店株式会社(千葉県)
「甲子 純米吟醸酒」 株式会社飯沼本家(千葉県)
「越後雪紅梅 純米 一心」 長谷川酒造株式会社(新潟県)
「無冠帝」 菊水酒造株式会社(新潟県)
「越後鶴亀 純米」 株式会社越後鶴亀(新潟県)
「越後鶴亀 しぼりたて 純米原酒」 株式会社越後鶴亀(新潟県)
「越後鶴亀 越弌 純米吟醸」 株式会社越後鶴亀(新潟県)
「開運 特別本醸造 生」 株式会社土井酒造場(静岡県)
「蓬莱 吟醸 伝統辛口」 有限会社渡辺酒造店(岐阜県)
「龍門 純米酒」 近江酒造株式会社(滋賀県)
「丹波屋 吟醸」 三宅酒造株式会社(兵庫県)
「KONISHI 大吟醸ひやしぼり」 小西酒造株式会社(兵庫県)
「石鎚 無濾過純米」 石鎚酒造株式会社(愛媛県)
「吟醸 肥前杜氏」 大和酒造株式会社(佐賀県)

<スパークリングSAKE部門>
「人気一 あわ酒スパークリング純米大吟醸」 人気酒造株式会社(福島県)
「MIZUBASHO 雪ほたか AwaSake」 永井酒造株式会社(群馬県)
「花の香 花火」 花の香酒造株式会社(熊本県)

<大吟醸部門>
「陸奥八仙 レイメイ40 純米大吟醸」 八戸酒造株式会社(青森県)
「純米大吟醸 天寿」 天寿酒造株式会社(秋田県)
「萩の鶴 純米大吟醸 山田錦」 萩野酒造株式会社(宮城県)
「純米大吟醸 蔵王昇り龍」 蔵王酒造株式会社(宮城県)
「蒼天伝 純米大吟醸」 株式会社男山本店(宮城県)
「一生青春 大吟醸」 曙酒造合資会社(福島県)
「澤乃井 大吟醸」 小澤酒造株式会社(東京都)
「蔵光」 菊水酒造株式会社(新潟県)
「大吟醸 聖岳」 喜久水酒造株式会社(長野県)
「蓬莱 純米大吟醸 極意傳」 有限会社渡辺酒造店(岐阜県)
「鈴鹿川 純米大吟醸」 清水清三郎商店株式会社(三重県)
「聚楽第 レボリューションネオ」 佐々木酒造株式会社(京都府)
「六甲の雫」 株式会社小山本家酒造灘浜福鶴蔵(兵庫県)
「花の香純米大吟醸 和水」 花の香酒造株式会社(熊本県)
「花の香純米大吟醸 梅花」 花の香酒造株式会社(熊本県)

<プレミアム純米部門>
「陸奥八仙 黒ラベル 純米吟醸」 八戸酒造株式会社(青森県)
「天の戸 貴醸酒 貴樽」 浅舞酒造株式会社(秋田県)
「米から育てた純米酒 天寿」 天寿酒造株式会社(秋田県)
「燦爛 純米吟醸」 株式会社外池酒造店(栃木県)
「大雪渓 素晴らしき平成 純米吟醸」 大雪渓酒造株式会社(長野県)
「蓬莱 手造り純米 ひだほまれ」 有限会社渡辺酒造店(岐阜県)
「鈴鹿川 純米吟醸」 清水清三郎商店株式会社(三重県)
「鈴鹿川 純米」 清水清三郎商店株式会社(三重県)
「英勲 純米吟醸 古都千年」 齊藤酒造株式会社(京都府)
「神心 純米吟醸 瓶囲い」 嘉美心酒造株式会社(岡山県)
「蔵人の自慢酒」 下関酒造株式会社(山口県)
「杉能舎 富貴の誉」 浜地酒造株式会社(福岡県)
「宗政 純米吟醸酒-15」 宗政酒造株式会社(佐賀県)
「萬坊」 亀萬酒造合資会社(熊本県)
 
※記事の情報は2019年3月15日時点のものです。
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