西村まどかの目指せ!唎酒師③「ペアリングはメリハリも大事」
こんにちは、日本酒が大好きな西村まどかです。いま、日本酒のソムリエ、「唎酒師」の合格を目指して猛勉強中です。ときどき進み具合をアップするので応援してください!
![メインビジュアル:西村まどかの目指せ!唎酒師③「ペアリングはメリハリも大事」](/sites/default/files/common_mainimg/trends200630_00.jpg)
プロの日本酒ペアリングを体験します
「ペアリング」は日本酒と料理のおいしい組み合わせのことです。濃厚な味のお料理には、しっかりした味のお酒を、淡白なお料理には繊細な味わいのお酒をと、これまでに基本は学びましたが、プロのペアリングコースをいただくのは初めて、とても楽しみでした。
![山田さんと林家たま平さん](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_01.jpg)
しっかり勉強したかったので、フロアを担当する和田さんにお願いして、詳しく説明しながらサービスしていただきました
![「大塚はなおか」さんの和田さん](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_02.jpg)
まどかの学び① ペアリングは大吟醸でスタート!
![南瓜のすりながし](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_03.jpg)
こちらのお店では香りの高い大吟醸をコースの最初に持ってくることが多いそうです。大吟醸はそれだけでおいしいお酒です。でもペアリングコースでこのタイプを続けると疲れてしまうのだとか。穏やかな香りのもの、熟成感のあるもの、きめ細かく伸びやかなものなど、さまざまな味わいのお酒に合わせて、いくつものお料理が用意されます。単品で合わせるだけでなく、最初から最後まで流れの中で楽しめるように組み立てると、華やかな大吟醸は一番最初が使いやすいようでした。
![「黒龍」はふるさと福井を代表するお酒のひとつ。上品な吟醸香が魅力](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_04.jpg)
まどかの学び② ボウルのあるグラスは大吟醸向き
ボウルの口を一度絞ってから飲み口が広がっているので、お酒は口の中にそろりと入り、舌の上にゆっくり広がっていきます。じんわりじっくり楽しめました。
そしてこのグラス、底の真ん中に出っ張りがあります。こんな形は初め見ました。くるくるとグラスを回した時に、お酒が均等に回るようにするためなのだそう。そこまで考えているなんてびっくりですけれど、見た目がカワイイですね。
![グラスの底にピョコッと飛び出た突起がカワイイ](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_05.jpg)
まどかの学び③ 磁器・陶器・ガラス、ペアリングは器も使い分け
真ん中に置かれている縦長の白い器は磁器。石の粉を練って形をつくり、高い温度で焼き締めます。薄くて硬く、指で弾くと金属のような高い音が出ます。左側の茶色っぽい盃は陶器。粘土でつくった厚手の焼き物で、磁器よりも手触りが柔らかく温かみを感じます。(これはお酒の生き字引、山田先生の解説です)
![陶器の平盃、磁器の筒形猪口、チューリップ型のグラスで飲み比べ](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_06.jpg)
その後に左の背の低い器で試します。こちらは陶器。土から出来ているため、器に厚みがあり口当たりが優しいです。陶器は磁器よりも表面がでこぼこしていて、釉薬をかけていないものはお酒を吸います。そのせいでしょうか、磁器よりも口当たりが柔らかく、お酒がまろやかに感じました。
器の形で、お酒の印象が変わることは前回学びましたが、器の材質でも変わるとは思いませんでした。お酒とお料理の組み合わせだけでなく、どんな形のどんな材質の器で飲むかまで考えるのがプロのペアリングなのですね。まだ私にはそこまでできませんが、器の形や素材まで気を配っていこうと思います。それを考えるだけでも、日本酒がどんどん楽しくなって来そうです!
まどかの学び④ 日本酒ペアリングの万能選手クリームチーズ
イチゴとリンゴの酸味と香りが食欲をそそります。食感を楽しめるように、材料はすべて同じ大きさに揃えているそうで、さらにスライスしたアーモンドがアクセントになって、噛むのが楽しい、ますますおいしいという魔術のようなひと品。お酒を含むとセロリの苦味のおかげでしょうか、お酒の甘味がより引き立ちます。それをクリームチーズがうまくまとめてくれました。
「チーズはうま味が豊富。日本酒もそう。うま味でつながって相性はばっちり。クセのないクリームチーズはいろいろな料理に使いやすく、ほとんど日本酒に合うおつまみになる」と山田先生。
![白和えもクリームチーズを使うと洋風の味わいに。ちょっとスイーツの雰囲気も](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_07.jpg)
まどかの学び⑤ 天ぷらにバランス型の純米吟醸をペアリング
これに合わせるお酒は「浦霞 禅」です。
純米吟醸でほどよい具合に香りがあります。味わいは柔らかで個性のある天ぷらにもうまく馴染んで、でも自身のおいしさもちゃんと主張する、バランサータイプだなと感じました。このくらいの軽い揚げ物の油はサラッとさばいて後味すっきりです。私も「浦霞 禅」のようにバランスのいい人間になりたいなあ……としばし妄想。
![「浦霞 禅」は宮城県を代表する銘酒。油をさらりと流して揚げ物も苦にしない](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_08.jpg)
まどかの学び⑥ ペアリングは温度でも演出
はなおかさんでは、茶碗蒸しの時のお酒は、茶碗蒸しより少しだけぬるい温度で提供しているそうです。食べ終わるまでずっと温かく楽しめて、気持ちがほっこりしてきます。ここまで計算しているとは正直驚きました。
![滋味豊かな新ゴボウで野趣のある茶碗蒸しに。「喜久醉 特別純米」はゴボウに負けない腰のある味わい](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_09.jpg)
和田さんが「人間は人肌くらい温度、37度前後で甘みを一番感じやすいんです」と説明してくれましたが、冷酒のほうは甘みより舌の脇が締まるような酸味?渋味?を強く感じました。このお料理にはお燗を合わせるのが好きかな。
![香ばしい花山椒で煮た鮎はコクのある生酛純米がよく合いました](/sites/default/files/styles/news_contents_img1/public/article_img1/trends200630_10.jpg)
食べてから、お燗を飲む。食べてから、冷酒を飲む。
それぞれ、お酒の味、お料理の味が変わって、またおいしさの種類が増えて。どれもそれぞれおいしくて、人それぞれにきっと好みも違って。日本酒とお料理のペアリングは知れば知るほど奥深が深い。本当に楽しくて楽しくて、痺れます。
最後に、お吸い物をいただいたのですが、お吸い物をおいしく感じられるようになったのも、ひょっとして日本酒を知ったおかげかなぁと思ったり。 小さいころはお味噌汁派で、「えーなんでお味噌汁じゃないんや〜!」っていつも思ったのですが、皆さんはそんな風に思ったりしませんでしたか?(笑)
日本酒の楽しみ方がわかると、すべての食べ物をより楽しめる気がします。 これからもこの奥深すぎる日本酒の知識をもっともっと増やして、魅力を発信していけるように頑張ります!
※記事の情報は2020年6月30日時点のものです。
▼参考サイト
西村まどか Instagram Twitter
日本酒のソムリエ唎酒師
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