東京どぶらぶフェスタが開催

「どぶろく」ラヴァーが集まるイベントが10月26日(どぶろくの日)に東京で開催されました。約60人の参加者は20種類のどぶろくを飲み比べ、どぶろく生産者とも交流して、充実のひと時を過ごしました。その模様をレポートします。

メインビジュアル:東京どぶらぶフェスタが開催

どぶろくの日に「東京どぶらぶフェスタ」が開催

「どぶらぶ(どぶろくを愛でる会の愛称)」は、「どぶろくの日(10月26日)」にFOBアカデミー会議室(文京区春日)で「東京どぶらぶフェスタ」を開催しました。これは専門家が厳選したどぶろくを全国各地から取り寄せ、飲み比べながら参加者同士、あるいはどぶろくの生産者と交流するパーティです。
東京どぶらぶフェスタ告知
定員60名(参加費3300円)は満員御礼

3カテゴリー20点のどぶろくを試飲

この日集めたどぶろくは、3つのカテゴリーから計20点です。

ひとつ目のカテゴリーは、どぶろく特区の農家がつくる「特区どぶろく」です。自分で栽培した米でどぶろくをつくることが義務付けられており、生産者は全国で150~200にのぼると思われます。ラーメン屋さんがスープをつくる20Lくらいの寸胴鍋で仕込んでいる方が多いようで、鍋ごと冷蔵庫に入れて低温で発酵をコントロールしているのをよく見ます。味わいはシンプルで、かつて自宅でつくっていた頃のどぶろくに近い味わいです。

二つめは酒蔵どぶろくです。清酒メーカーにもをどぶろくつくっている蔵が何社かあります。酒づくりのプロですから総じて味わいはきれいで、飲みやすく仕上げられています。どぶろくの日を制定した武重本家酒造株式会社(長野県)は、酒蔵どぶろく製造のパイオニアのひとつです。

三つめはモダンどぶろく。最近は「その他の醸造酒製造免許」を取得してどぶろくの製造に乗り出すメーカーが登場しています。どぶろくに地元の特産フルーツを加えたり、ホップや生姜などのボタニカルで香りづけしたりしたものが、次々に登場しています。彼らの多くは、清酒の酒蔵として起業できないためにこの製造免許を取得しました。清酒の消費量は減少し続けているので、新しい製造免許は認められないのですね。
リスト
リストを見ながら20種類のどぶろくを飲み比べた
テーブルに試飲用のどぶろくが並ぶ
テーブルに試飲用のどぶろくが並ぶ

どぶらぶリーダーは酒博士

仕掛け人はどぶらぶの会長を務める大越智華子さん。千葉県のJR稲毛駅前でリカープラザ大越を経営するほか、ワイン、日本酒、焼酎、洋酒、もちろんどぶろくにも詳しい酒博士。昨年出版した『匠が教える 酒のすべて』(三笠書房)は大ヒット、海外でも出版が決まったそうです。

大越さんは「どぶろくは日本酒の原点。これを知らずして酒を語るなかれ」と、最近はどぶろくセミナーを開催しています。
大越会長
開会のあいさつで「どぶろくラブ」を強烈にアピールする大越会長
プラカップに20~30mlずつ注ぎ分けて試す
プラカップに20~30mlずつ注ぎ分けて試す
専門家が厳選しただけあってどれもおいしいが、すべて味は違う
専門家が厳選しただけあってどれもおいしいが、すべて味は違う
モダンどぶろくはフルーツが香り、飲みやすいものが多い
モダンどぶろくはフルーツが香り、飲みやすいものが多い
満員御礼。どぶろくファンがこんなにいたとはびっくり
満員御礼。どぶろくファンがこんなにいたとはびっくり

どぶろく生産者と愛好家が交流

イベントが一番盛り上がったのは来場された4人のどぶろく生産者の商品が当たる福引でしょうか。生産者の方に順番に番号を引いてもらい、パンフレットに記載された抽選番号と合うと、どぶろくが貰えます。

当たりが出るたびに会場はわぁ!と盛り上がります。なかにはせっかく当たったのに途中でお帰りになった方もいらしたようで、再福引になるとまた盛り上がりました。

福引が当たらなくとも生産者から直接、どぶろくについての考えや原料や製造面のこだわりを聞くのは楽しいものです。生産者も飲み手から率直な感想を聞けるのはうれしいことで、そこからあらたな課題を見つけたり、アピールのポイントを修正したりすることもあります。
武重本家酒造「十二六」武重社長と当選者
武重本家酒造(長野県佐久市)の「十二六」は秋冬限定の人気商品。武重社長が自ら賞品を手渡した
仙醸株式会社の黒河内社長と当選者
桜の名所、長野県高遠町の仙醸株式会社の黒河内社長も来場。当選者に自信作を手渡した
「どぶろく卓」中川卓夫さんと当選者
農家どぶろくのレジェンド「どぶろく卓」(新潟県上越市)をつくる中川卓夫さんと当選者
にごり酒「白川郷」
にごり酒「白川郷」で知られる三輪酒造(岐阜県大垣市)は世界遺産白川郷のどぶろくづくりをサポートする。自社でも同種の商品を製造販売している

どぶろくラヴァーから生産者へのメッセージ

イベントでは参加者から生産者への動画メッセージも収集しました。設置されたビデオカメラに向かって、銘々に感想を述べたり、エールを送ったりしました。この動画は「どぶらぶYouTubeチャンネル」で視聴できます。どうぞご覧ください。
スタッフと生産者で記念撮影
終了後、スタッフと生産者で記念撮影。ほっとしました
東京どぶらぶフェスタ2022動画ショートバージョン(約4分)


フルバージョン(約35分)


※記事の情報は2022年12月1日時点のものです。
 

  

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