お酒好きほぼ100人に聞いた、「どぶろくの日」の認知度は?

どぶろく特区は全国で130ヶ所を超えます。今から 20年前、特区設置に関する質問に、当時の小泉純一郎首相が「思わず乗り気になるようなご質問」と応じたことから具体化しました。今回は酒好きほぼ100人にどぶろくについて聞いてみました。

メインビジュアル:お酒好きほぼ100人に聞いた、「どぶろくの日」の認知度は?

10月26日は「どぶろくの日」

10月26日は「どぶろくの日」。最初に、この記念日がどれくらい認知されているかを見ると、知っていたのは24%と4人に1人であった。どぶろく自体あまり知られていない酒であり、この数値は「高い」と見ていいのではないか。さすが酒好きな方々の回答と言えるだろう。
どぶろくの日認知度
制定したのは武重本家酒造株式会社(佐久市)だ。清酒「御園竹」「牧水」の醸造元で、いち早くどぶろく「十二六」を発売したことでも知られている。どぶろくの魅力を広めることを目的に、どぶろくのシーズンが始まる10月下旬、語呂合わせで26日としたそうだ。
『十二六』
「『十二六』は冬場だけの限定発売。特約店での予約販売方式」

次にどぶろくの飲用経験を聞いてみると、飲んだことがあるのは78%であった。市販されたものを飲んだが44%ともっとも多く、酒場で飲んだ(26%)、どぶろく特区で飲んだ(19%)と続き、自分や知人がつくったものを飲んだも9%ある。
どぶろくの飲用経験

どぶろくとにごり酒の違いは?

約8割がどぶろくを飲んだことがあるというのだが、どのくらいの人がにごり酒との違いを理解しているのだろうか? 回答は「知っている(「よく知っている」と「少し知っている」の計)が55%と半分強にとどまり、「まったくわからない」も13%あった。

にごり酒との違いは濾しているかいないかで、どぶろくは発酵した醪を濾さずにそのまま飲む。だから米粒が残っていたり、粥のようにどろどろしていたりする。最近は滑らかなどぶろくもあるが、多くは粒々感を無くすために磨り潰したものだ。

一方、にごり酒は酒税法では清酒に分類され、粗く濾している。もっともこの区分は酒税を徴収する際に、清酒とどぶろくの線を引いたものにすぎず、どぶろくの本質的な定義は議論されていない。
どぶろくとにごり酒の違いの認知
にごり酒で有名な三輪酒造(岐阜県)はどぶろくも製造している
にごり酒で有名な三輪酒造(岐阜県)はどぶろくも製造している

ところで、どぶろくには密造酒のイメージが付きまとう。例えば次のようなコメントだ。「どぶろくという言葉が良いイメージではない。今は飲んでみたいと思うが、昔は怪しげな非合法なもののイメージだった」(70代以上・男性)。

これは1899年に酒税法で自家醸造を禁止したためだ。当時は酒税が国税収入の大きな位置を占めており、税収増のために許可なく酒をつくることを禁じたのである。それまでは農村では漬物や味噌をつくる感覚で当たり前につくっていたから、法律で禁じられかつ厳しく運用されたため密造の罪で多くの逮捕者が出た。

海外では自家醸造を認めている国は多く、イタリアに住んでいる友人はブドウ畑付きの家を買い毎年ワインをつくっている。アメリカのクラフトビールが趣味のビールづくりから広がったことも有名だ。韓国でも解禁されマッコリづくり教室を体験できる。

なお、日本では販売しなければ酒をつくってもよいと誤解している人は少なくないが、今回の回答者の9割は自家醸造がご法度であることを理解していた。
カリフォルニア・サンディエゴにあるクラフトビール「バラストポイント」のホームブリューイング専門店
カリフォルニア・サンディエゴにあるクラフトビール「バラストポイント」にはホームブリューイング(自家醸造)の専門店もある

どぶろくの密造は「まったく聞いたことがない」が4割

それでも、かつて隠れてどぶろくをつくった人はいた。現在のどぶろく特区は密造が盛んだったという地域も多く、それをネタに町おこしをしようと特区を申請したと明言しているところもある。

では、自分の周りでかつてどぶろくをつくっていたという話を聞いたことがある人はどれくらいいるのだろうか。回答は「よく聞いた」はわずか10人で7%、内訳は4人が70代以上、60代が3人と、年齢の高い人が多い。反対に「まったく聞いたことはない」は41%にのぼり、60代以上の方も多く含まれている。

どぶろくの自家醸造は、既に遠い過去のものになっているようだ。

《寄せられたコメント》
「20年ほど前、福島の雪深い場所で、近隣の人が自家製どぶろくを持ち寄る集いに招かれ、参加しました。それぞれ特徴があり、たいへん楽しい集まりでした」(60代・女性)
「大昔に祖母がどぶろくをつくって捕まったと聞いた」(60代・女性)
「岩手県遠野市に12年在住。どぶろく特区で5か所の醸造所のどぶろくが味わえた。加えて、内緒ですが、各家庭の味もあった」(70代・男性)
「昭和30年代地元の神社のお祭りには、会所に日本酒だけでなくどぶろくが置いてあり、中学生の頃から飲んだ記憶がある。だんだんつくらなくなり、いつの間にかどぶろくが消えてしまった」(70代・男性)
周囲でどぶろくをつくっている話を聴いた経験

海外でどぶろくづくりを体験

自分でどぶろくをつくったことがあるか?という質問では、「ある」はわずか3%だが、自家醸造が許されている海外での経験を報告された。

「以前にラテンアメリカ諸国で出会った日系人の方々が代々どぶろくをつくっていました。どぶろくやワインとのつくり方を教えてもらい、現地で実際につくってみましたが、素人でもそれなりのものができるのだなと驚きました」(40代・男性)
「タイにいた時、路上で酵母菌が販売されており、もち米と混ぜて自宅でどぶろく的なものを作ることが可能でした。教えてくれたタイの友人によると、彼は、お酒をつくるというより、まろやかな甘酒のような、お米デザートとして楽しんでいるそうで、冷蔵庫で冷やして飲む(食べる)とのことでした」(40代・女性)
どぶろくをつくった経験
自家醸造の愛好家はフルーツを加えたりしてオリジナルの「どぶろく」で遊ぶことも
自家醸造の愛好家はフルーツを加えたりしてオリジナルの「どぶろく」で遊ぶことも

自家醸造が許可されるといいが8割

現在、自家醸造は許されていないが、解禁したほうがいいという意見は多く、アンケートでは8割にのぼっている。
自家製造が許可されるといいと思うか
ソウルで参加したマッコリづくり体験セミナー。半日で麹づくりから仕込みまでを体験する。
ソウルで参加したマッコリづくり体験セミナー。半日で麹づくりから仕込みまでを体験する。自家醸造が解禁されれば日本でも開催できるようになる

合法なら酒をつくってみたいは7割

さらに「自家醸造が認められたら酒をつくってみたいか?」という質問には「とてもつくってみたい」が41%と最多、「少しつくってみたい」が32%で、合わせると7割を超える。少量の自家醸造を認めてもよいのではないかという意見は、複数寄せられた。

「どぶろくは質の悪い密造酒というイメージでしたが、個人の趣味としての日本酒の自家醸造は悪くないと思いました」(50代・女性)
「どぶろくに限らずワインや日本酒など、本当はつくってみたい。届け出たり酒税を納めたりすればつくれるようになるといい」(40代・女性)
自家製造が認められたら酒を造ってみたいか
特区の農家どぶろくは、大きめの寸胴鍋くらいのサイズで仕込む
特区の農家どぶろくは、大きめの寸胴鍋くらいのサイズで仕込む。どぶろくは家庭用の調理器具で簡単につくれる

どぶろく飲み比べイベントに「参加したい」が8割!

最後にどぶろくを飲み比べるイベントがあったら参加したいかを聞いた。「とても参加したい」が41%、「少し参加してみたい」が38%と、大半の人が飲み比べに関心があった。
どぶろく飲み比べの会に参加したいか
来週、10月26日に開催される「東京どぶらぶフェスタ2022」は、専門家が厳選したどぶろくを飲み比べる催しだ。

どぶろく農家の素朴などぶろく(コンテストで上位入賞したものばかり)、酒蔵がつくる洗練されたどぶろく、いま注目のクラフトサケブリュワリーがつくるモダンなどぶろくを、しっかり味わって、専門家と交流できる。日本の酒の原点「どぶろく」を体験する絶好の機会を見逃すな!
東京どぶらぶフェスタ案内
詳細&チケット購入はこちらから。
東京どぶらぶフェスタ2022 | Peatix 

  《調査概要》
調査方法:WEBアンケート調査
調査期間:2022年10月3日~10月10日
有効回答数:140人(酒好きな人)


※記事の情報は2022年10月20日時点のものです。

  

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