泡盛・古酒(くーす)の魅力と、おすすめの飲み方

「泡盛」「古酒」って、そもそもどんなお酒? 古酒の魅力とは? 地元・沖縄の人はふだんどうやって泡盛を飲んでいるのか? そんな泡盛に関するさまざまなナゾを、「銀座わしたショップ本店」の泡盛売り場担当の方に聞いてみました!

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都内で泡盛・古酒に出会うなら!「銀座わしたショップ本店」

「銀座わしたショップ本店」
「泡盛といえば…」と向かったのは、沖縄のあらゆる物産を揃える「銀座わしたショップ本店」。泡盛コーナーのある地下売り場は今年の4月に拡張リニューアルしたばかりで、なんと300銘柄も取り扱っているそう。島唄がゆるやかに流れる店内で、泡盛の造り手としてのキャリアももつ、泡盛売り場のチーフマネージャー・藤原直樹さんに、泡盛の魅力やおすすめの飲み方について、いろいろ聞いてみました!

そもそも、泡盛とはどんなお酒?

店内にずらりと並んだ泡盛の瓶
藤原 ざっくり簡単に言うと、「泡盛」というのは沖縄の米焼酎なんです。基本的な作り方として、「タイ米で造る*」、「黒麹菌を使う」、「全麹仕込み」、「単式蒸留」という4つの大きな特徴があります。

まず原料の米を洗って、蒸して、そこに黒麹菌を撒き2日くらい寝かせて菌糸を根付かせます。その後、泡盛酵母と水を加えるのですが、この酵母が麹菌を食べることでアルコールと二酸化炭素が発生します。そして2週間くらいすると「もろみ」になる。どぶろくのような状態ですね。それを一度だけ蒸留(単式蒸留)してできるのが「泡盛」なんです。一回の仕込みで、すべての原料米を麹にするので「全麹仕込み」といい、これは泡盛ならではの製法です。

九州の一般的な本格焼酎造りでは、まず穀物にカビを繁殖させて麹を造り、その麹菌に水と酵母を加えて「もろみ」にし(一次仕込み)、そこに芋や麦、米などの主原料を加えて発酵を進めます(二次仕込み)。泡盛の場合は、初めから主原料であるタイ米を全て麹にする一次仕込み。そこが泡盛と九州の本格焼酎の大きな違いなんです。

泡盛は、アルコール度数が高い?

藤原 蒸留したばかりの状態だと、だいたい60~70度前後くらい。そこに水を加えて度数調整をします。新酒の泡盛のアルコール度数はだいたい30度くらいです。他の乙類焼酎は20~25度くらいなので、やはり泡盛はアルコール度数が高めですね。
 

泡盛の味を決めるのは?

藤原 沖縄県内には47の酒造所があるのですが、地元で造られた泡盛は、やはり地元で良く飲まれています。それはおそらく、「水」が味に大きく影響しているから。沖縄はわりと地域によって水の資質に違いあり、本島でも北部・中部・南部で違いますし、波照間島や久米島など島によっても違います。

原料米は、どのメーカーもだいたい食糧庁の管轄でタイから仕入れたものを使っていますし、黒麹菌にしても泡盛酵母にしても、そんなに種類の選択肢がありません。だから泡盛の味は水で8割決まると私は思っています。

もちろん、原料だけでなく、蒸留方法やどれだけ熟成させるかによっても味に個性が出ますが、その土地の水によって個性が出やすい地酒だからこそ、酒造所も県内各地にあるんだと思います。

泡盛は100%沖縄県産?

藤原 いえ、実は100%ではありません。実際、県外で作られた泡盛が大手メーカーからも出ています。「泡盛」という定義に対する縛りが昔ほど強くなくなってきているんです。そこで、沖縄県で造られた泡盛には、その証として「本場泡盛」とか、「琉球泡盛」(※平成16年以降)と表記されるようになりました。
「琉球泡盛」と表記されたラベル
藤原 *先ほど、泡盛は「タイ米で造る」という話をしましたが、この原料米に関しても、昔はタイ米でないといけないというルールがあったのですが、最近ではそのルールが緩和されて、日本米を使った銘柄も数は少ないですが出てきています。

沖縄に根付く「古酒(くーす)」文化とは?

古酒(くーす)のボトル
藤原 沖縄には泡盛を「貯蔵する」という文化があり、3年以上熟成させたものを「古酒」と呼びます。昔は各家庭に土間があって、泡盛を入れた甕を土に埋めて貯蔵していました。寝かせる環境によって味が変化するので、漬物のように古酒にも「家庭の味」というのがあったんです。

今では、住宅環境の変化で甕貯蔵する家庭はそれほどありませんが、それでも沖縄には、出産祝いとして泡盛入りの甕を贈って、子どもが成人式を迎えたらみんなで20年ものの古酒を飲むという風習が残っています。でもお客様から話を聞くところによると、だいたい七五三のお祝いで親たちがつい飲んじゃうみたいですけど(笑)。

「古酒」と言っても、難しい製法があるわけではありません。新酒の泡盛を瓶に入れたままでも3年以上置いておけば古酒になるので、家庭でも簡単にできます。私も自分で古酒を仕込んで、お店のイベントのときにふるまったりしていますよ。
藤原さんが仕込んだ古酒
藤原さんが仕込んだ古酒。石垣島産の10年物・5年物・3年物をつぎ足しながらブレンドしたもので、アルコール度数は40°くらい。試飲させてもらうと、40°とは思えないほど舌触り滑らかで、まろやかな味わい。一口含むごとに、ふわっとした甘い香りが鼻から顔まわりに広がっていく

泡盛・古酒の美味しい飲み方は?

泡盛のコーヒー割り
藤原 特に飲み方にルールはありません。ロックはもちろん、水割りや炭酸割りで飲むこともありますし、寒い時期にはお湯割りで飲むこともあります。□:□という割合も決められていません。味変したいときはシークワーサーなどの柑橘類をちょっと搾ったり…。自分の好き勝手に飲むのが沖縄スタイルです。

変わった飲み方としては、現地ではよく泡盛をコーヒーで割ったりもします。味がキュッとしまって、泡盛の香りが鼻から抜けたあと、コーヒーの香りが残るのがいいんです。あと個人的におすすめなのは甘酒割り。韓国のマッコリ風になってとてもおいしいですよ! ぜひ試してみてください。


いかがでしたか? 藤原さんいわく「泡盛は難しい顔をして飲むお酒ではない」とのこと。その場をわいわい盛り上げたり、飲む人を慰めたり、鼓舞したり…。沖縄の人にとって泡盛は、生活のベースにあるお酒なんだそうです。そんなおおらかな沖縄の家飲み文化に思いを馳せつつ、ぜひみなさんもいろんな飲み方で「泡盛」を楽しんでみてください!
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今回取材でおじゃました「銀座わしたショップ本店」では、いろんな銘柄の泡盛が楽しめる「せんべろBAR」など、泡盛の魅力に触れるイベントも多数開催しています。気になる方はぜひ「銀座わしたショップ本店」の公式HPや「わしたショップ」のFacebookをチェックしてみてください。
「銀座わしたショップ本店」の公式HP
「わしたショップ」のFacebook

この方にお聞きしました!

「銀座わしたショップ本店」藤原直樹さん

秋田県生まれ。ブラジル留学後、沖縄県名護市の酒造メーカーで約6年間泡盛造りに携わる。その経験を生かし、現在は「銀座わしたショップ本店」でチーフマネージャーとして泡盛売り場を担当。造り手の思いを伝えながら、お客様の泡盛選びをサポートしている。

「銀座わしたショップ本店」藤原直樹さん

※記事の情報は2019年6月13日時点のものです。

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