【酒好きほぼ100人アンケート】眺めながら酒を楽しみたい花は?

春の桜はもちろん、5月のバラ、6月の紫陽花(あじさい)、7月はラベンダーと来て、8月はひまわりが真っ盛り。さまざまな花を楽しめるようになった今、季節を彩る花を肴にお酒を楽しむスタイルが出てきてもよさそうです。今回は、酒好きほぼ100人アンケートから「四季折々の新・花見酒」を考えます。

メインビジュアル:【酒好きほぼ100人アンケート】眺めながら酒を楽しみたい花は?

好きな花のトップ3は「桜・梅・紅葉」

最初に季節を代表する花を列挙して好きな花を選んでもらいました。第1位は「3・4月の桜」で他を大きく引き離して75%の人が選んでいます。続くのは「11月の紅葉(こうよう)」(51%)、「2月の梅」(39%)です。  

これら日本の芸術作品にもたびたび登場してきた花々に続くのは「8月のひまわり」(36%)、「5月の藤」(34%)、「6月のバラ」(32%)、「6月の紫陽花(あじさい)」(32%)、「10月のコスモス」(26%)です。いずれも身近にあり、季節を象徴する花たちです。
好きな花グラフ

好きな花と観ながら飲みたい花

続けて「眺めながらお酒を楽しみたい花」を聞くと、上位は「好きな花」と同じ「桜・紅葉・梅」が占めましたが、「5月の藤」が30%を獲得し、3位の「2月の梅」の37%に迫りました。各地の藤の名所では見ごろの時期に大勢の花見客が集まります。棚に美しい花が連なる様は見事で、足を運んだ方のほとんどがまた来たいと思うと言います。

そのほか興味深いのは「好きな花」と「眺めながら酒を楽しみたい花」にギャップがある点です(グラフ2)。「8月のひまわり」は好きな人の36%に対して飲みたい人は12%と3分の1です。猛暑の中での花見が嫌われたのかと思いましたが、「6月の紫陽花」「6月のバラ」「10月のコスモス」のように、屋外で酒を飲むのにいい季節の花も、眺めながら飲みたい人が、好きな人の半分程度にとどまります。「7月のラベンダー」のように例外はあったのですが、眺めながら酒を楽しみたい気持ちの強弱は、季節や気温ではなく、24節気のような古くからの慣習と結びつく傾向が強いようです。
眺めながらお酒を楽しみたい花グラフ
アジサイとお酒
バラとお酒
6月の紫陽花とバラは好きな花の6番人気。3割の方が「好き」と回答。でも「花見酒」のイメージは薄い。でも写真を撮ってみると紫陽花やバラで花見酒もいい感じです。

8月に眺めたいのは「ひまわり」、飲みたいのは「ビール」

花見酒気分は薄いとはいえ、実際に試してみると楽しそうな四季折々の花見酒、夏から秋にかけて(8月・9月・10月)の花を見ながらどんな酒を飲みたいかを選んでもらいました。「8月のひまわり」ではビール及びプレミアムビールが群を抜いて多くの方から支持されました。
ヒマワリを見ながら飲む酒グラフ
ビールとひまわり
テーブルにひまわりの切り花を活けてプレミアムビール。気持ちいいです!

9月は「曼殊沙華」×「日本酒」

「9月の曼殊沙華」ではほぼ半数の方が日本酒を選択しました。お彼岸の頃に見ごろとなり彼岸花とも呼ばれるこの花は、和のイメージが強いからでしょう。
曼殊沙華で飲む酒グラフ
曼殊沙華
強い赤色が印象的な曼殊沙華。夏の高校野球が終わるとちらほら。花見ならお彼岸あたりでしょうか

10月は「コスモス」×「ワイン」

「10月のコスモス」では飲みたいお酒がワイン(34%)と日本酒(32%)に分かれました。ピンクや黄色などカラフルなコスモスには色味的にはロゼワインが似合いそうです。日本酒は10月1日が日本酒の日で、いよいよ秋本番のこの時期に飲みたくなるのもわかります。
コスモスを見ながら飲む酒グラフ
コスモス
コスモスの咲く頃は秋真っ盛り。カラッとさわやかな晴れた日にワインで花見酒は気持ちよさそうです。もちろん日本酒も

好きな花見酒のスタイルは「眺めのよい部屋から」

次に好きな花見酒のスタイルを聞いてみました。もっとも多かったのはインドア型の「眺めのよい部屋から花見酒」で半数(48%)が支持しています。「虫の来ないところでゆっくり飲みたい」「暑さ寒さを気にしないで心地よく飲みたい」というのが代表的な声です。

一方、桜の花見に代表される「花の下や花畑で酒盛り」は41%でこれはアウトドア型。同率の2位の「自宅の庭やベランダで花を眺めながら飲む」は中間型でしょうか。第4位はインドア型の「散策した後、自宅でゆっくり飲む」(33%)でした。
好きな花見酒スタイルグラフ

「ブドウ畑でワイン」「森でウイスキー」も人気

花見酒ではありませんが、酒とかかわりの深いロケーションをあげて、試してみたい酒シーンを選んでもらいました。どれもみな楽しそうですが、1位は「ブドウ畑でワイン」の49%、僅差で2位は「森林でウイスキー」47%でした。私は「ブドウ畑でワイン」は数年前に大阪のカタシモワイナリーさんで体験、お誘いした方々もみな大絶賛で、天気に恵まれたら最高の気分です。

3位の「麦畑でビール」は麦秋の季節にどうぞ。黄金色のビール麦が風に波打つ景色や、初夏の強い日差しに雲が麦畑に影をつくる景色は感動ものです。
試したいと思う酒シーングラフ
ブドウ畑でお酒
ブドウ畑でワインをやるなら10月がベスト。写真は11月初旬の大阪で、日がかげると寒かった。これより遅いと長時間の食事は難しい
麦畑でビール
ゴールデンウィークが終わったころから5月下旬くらいに麦畑を探してみてください。近くにトイレのある公園があればベストです

家族のつながりを深める 四季折々の新・花見酒

そして、今回のアンケートで発見があったのは、花見酒が家族のつながりを深める機会になっていること。一般に花見酒には酒盛りやホームパーティ、あるいは花の名所を訪ねて楽しむイベント色が感じられます。けれども今回のアンケートでは、快適な室内や自宅での花見酒を好む人が多い結果になっています。

そして「友達におすすめしたい花見酒」という質問(自由記述)への回答では、次のようにとても私的な花見酒が寄せられました。

・孫といっしょにチューリップを見ながらお酒。(50代)
・嫁いだ娘が家庭菜園を始めて、「きゅうりの花が咲きました」等々、逐一SNSで報告して来るのですが、それを見ながらの晩酌が案外楽しかったりします。(50代)
・忘れ去られたような川縁に咲いているサクラの木下で、妻と二人花見酒。(40代)

今回の、桜だけでなく季節ごとにさまざまな花を楽しむ「四季折々の新・花見酒」の提案が、こうした交流の機会として広がっていくことを期待したいと思います。

【調査概要】
調査時期:2019年7月10日~7月15日
調査方法:自記入式アンケート調査
調査対象とサンプル数:酒文化研究所のモニターほかお酒好きを自認する方(週に4~5日以上飲酒する方が7割)108人


※記事の内容は2019年8月6日時点のものです。

    

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