スペインのヴィーガンワイン《コスパワインのススメ⑩》

デイリーに楽しめる安旨コスパワインを紹介する企画、今回は環境問題への関心の高いヨーロッパでいま注目のヴィーガンワインをご紹介。スペインからやってきたオーガニックでヴィーガンなワインの味わいとは?

ライター:青田俊一青田俊一
メインビジュアル:スペインのヴィーガンワイン《コスパワインのススメ⑩》
ソムリエの資格を持つ名古屋の酒類卸イズミックの青田が、コスパで選んだ安旨ワインをご紹介。今回はスペインのヴィーガンワインをご紹介します。

ワインにもヴィーガンの時代がやってきた

今回はヨーロッパの中でもとりわけ安くて旨いワインが多い国、スペインのワインです。スペインワインはこのコラムでも何度か取り上げていますが、まだ取り上げていないスペインワインの魅力、それはオーガニックワインの品質の高さです。

スペインは寒さの厳しい冬にとても乾燥した暑い夏という大陸性気候のため、ブドウに付く虫や菌などが非常に少なく、病気や虫害に対しては最低限の予防対策でよかったという歴史があります。そのためスペインではオーガニックワインの文化が根付いており、それが今日のオーガニックワインの品質につながっているというわけです。

そんなわけで今回ご紹介するのもオーガニックワイン「エル・コンベルティード」です。
エル・コンヴェルティード
「エル・コンベルティード」は、2019年にカタルーニャ州に本拠地を置く260のワイナリーの中から“ベスト・オーガニック・プロジェクト賞”に選出されたワイナリー。カタルーニャ州のワイナリーの中ではオーガニックには秀でた存在となります。

しかも、今回ご紹介するのはただのオーガニックワインではありません。いま話題のヴィーガンワインなんです。

話題のヴィーガンワインと言いましたが、そもそもヴィーガンワインってなんぞや、ということで、ヴィーガンワインとは呼んで字の如く、“ヴィーガン”なワインです。ヴィーガンは皆様ご存知の“完全菜食主義”のこと。そもそもワインはブドウからできているのだからヴィーガンにあてはまるに決まっているじゃないですか、と思うかもしれませんが、それが違うんです。

ワインの製造工程には“清澄(せいちょう)”という工程があります。発酵が終わったばかりのワインは澱(おり)で濁っています。この澱は見た目も口当たりも悪いので、澱を沈殿させて上澄みだけをほかの容器に移します。これを何度か繰り返すことでワインを透明にしていくのです。この工程を澱引きと呼ぶのですが、この澱引きで取り除けなかった微細な不純物を除去する工程が清澄です。フランス語ではコラージュと呼ばれます。

この清澄の工程では清澄剤なるものを添加し、そこに不純物を吸着させ上澄みだけを取り出すことで不純物を除去するのですが、この清澄剤がヴィーガンワインの分かれ道になります。清澄剤には卵白やゼラチンといった動物性のたんぱく質が利用されることが多いからです。

ワインに卵白を添加するなんて考えもしなかったと驚かれるかもしれませんが、誰もが知るワインの銘醸地ボルドーでは伝統的にこの卵白を使用した清澄が行われており、ボルドー発祥のお菓子“カヌレ”は、卵白を使うことで余ってしまった卵黄を利用するために生まれたとも言われています。

このように清澄の工程で動物性のものを使用した場合は、ヴィーガン対応ではなくなってしまいますので、代わりに粘土鉱物のベントナイト、豆やジャガイモなどの植物由来のものを清澄剤として使用する、もしくはそもそも清澄しないことでヴィーガン対応のワインにしています。
 
ヴィーガン認証
ラベルに記載されているヴィ—ガンマークは、欧州ベジタリアン協会の認定マーク
欧米では環境問題への関心の高まりから菜食実践者が急増、ヴィーガンワインの需要も増えているそうです。日本でもレジ袋の有料化は記憶に新しいところで、環境問題は避けては通れないご時世。そんな中でヴィーガンワインというのは環境問題に目を向ける小さな1歩なのかもしれません。

とまあ、そこにこだわったとして美味しくなかったら、それはそれでどうなのっていう気もしなくもないので、お楽しみの試飲タイムで検証といきましょう。

ヴィーガンワイン「エル・コンベルティード」を飲んでみた

今回試飲するのは白と赤、各1種類ずつ。白はソーヴィニヨン・ブラン、赤はテンプラニーリョになります。

まずは白、ソーヴィニヨン・ブランからです。
エル・コンベルティード ソーヴィニヨン・ブラン
色合いは輝くイエローゴールド。ソーヴィニヨン・ブランにしては少し濃い目の色調に感じます。香りは柑橘にほんのりハーブ、ソーヴィニヨン・ブランらしい草原のような香りは控えめです。味わいはしっかりとした柑橘系の果実味にすっきりとした酸味、後味にほんのり苦味があります。クセがなく飲みやすいです。

ミネラル感があるので、カルパッチョや海老のサラダなど、シーフード系の前菜との相性は抜群。デイリーに使える使い勝手のいい白ワインです。

お次は赤、スペインを代表する品種のテンプラニーリョです。
エル・コンベルティード テンプラニーリョ
色合いは少し紫がかったルビーレッド、テンプラニーリョらしい色合いです。香りはフルーティーな赤い果実の中に少しスパイシーさを感じます。味わいは凝縮した果実味が印象的で、ほのかな酸味のあとにしっかりとしたタンニン、テンプラニーリョらしい力強い味わいです。スパイシーな印象で赤身肉との相性は抜群、焼肉に合わせてカジュアルに楽しみたいワインです。

今回はご紹介しませんでしたが、「エル・コンベルティード」には他にもベルデホ、シラー、ロゼの3種類が輸入されていて、計5種類のラインアップとなっています。どれもデイリーで楽しめる親しみやすいコスパ抜群のワインです。

オーガニックでヴィーガンなワインなんて、なんか意識高くて敬遠したくなりそうですが、ふたを開けてみればコスパ抜群のフレンドリーなワインでした。カジュアルに家飲みを楽しみつつも、少しだけ環境問題を意識してみるのもいいかもしれませんね。
 

エル・コンベルティード ソーヴィニヨン・ブラン【商品概要】

  • 産地:スペイン
  • 原料品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
  • 容量 / 容器:750ml / 瓶
  • 参考小売価格:950円(税抜)
  • 輸入元:モトックス

エル・コンベルティード テンプラニーリョ【商品概要】

  • 産地:スペイン
  • 原料品種:テンプラニーリョ100%
  • 容量 / 容器:750ml / 瓶
  • 参考小売価格:950円(税抜)
  • 輸入元:モトックス

※記事の情報は2020年8月3日時点のものです。
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