ベルギービールで外飲み気分を味わう!

10月下旬の週末、東京・豊洲で開催された「ベルギービールウィークエンド」に行ってきました。世界文化遺産であるベルギービールを満喫して気分は晴れ晴れ、自宅でもベルギービールが飲んでみたくなりました。

メインビジュアル:ベルギービールで外飲み気分を味わう!

ベルギービールウィークエンドって?

ベルギービールウィークエンドは、毎年9月の第一週末にベルギーの首都ブリュッセルのグランプラス広場で開催される巨大ビールイベントです。500種類以上のベルギービールが一堂に会し、世界中からなんと5万人以上が集まるそう。

東京では2010年に六本木ヒルズから始まり、これまで札幌、仙台、横浜、名古屋、金沢、大阪、福岡など全国各地で、毎年のべ50日間以上も開催されてきました。人気の秘密はたくさんのベルギービールが並び、おいしいベルギーのローカルフードを、ベルギーのミュージシャンたちの音楽を聴きながら楽しめるという、ほかにない贅沢な催しだからでしょう。  
今回は海に面した豊洲で開催。ベルギービールを手にくつろぐ。席の間隔は例年よりたっぷり確保されていた
今回は海に面した豊洲で開催。ベルギービールを手にくつろぐ。席の間隔は例年よりたっぷり確保されていた
約40種類のベルギービールが楽しめる。ブースで好みのビールをチョイス
約40種類のベルギービールが楽しめる。ブースで好みのビールをチョイス

ベルギービールって何?

チョコレートやワッフルで知られるベルギーには独特のビール文化があります。ドイツやベルギーは気温が低いためワインをつくるブドウ栽培に不向きで、代わりに麦でつくるビールが発達しました。ドイツは今では世界中で飲まれるようになったラガービールを生み、ベルギーにはさまざまなボタニカルやフルーツを使ったビール文化が花開きます。  

ベルギービールの魅力は何と言っても多様性です。透明でゴールドに輝くものから、フルーツのような香りの白濁したビール、強い酸味のビールにフルーツを加えたもの、今も修道院でつくられているビールなど、まさに百花繚乱。生活に根差した豊かなビール文化であると評価され、2016年に世界文化遺産に認定されました。
ベルギービールウィークエンドの会場は、豊洲駅から海沿いに伸びるジョギングコースを歩くこと15分。海面がすぐ近く立ち並ぶ高層ビルの夜景がきれい
ベルギービールウィークエンドの会場は、豊洲駅から海沿いに伸びるジョギングコースを歩くこと15分。海面がすぐ近く立ち並ぶ高層ビルの夜景がきれい
心地よい海風に吹かれながら会場に到着。入口のサインの隣にはコロナ対策の説明があった
心地よい海風に吹かれながら会場に到着。入口のサインの隣にはコロナ対策の説明があった

さわやかなベルギービールからスタート

会場にはビールを提供するブースが並びます。例年の3分の1くらいの出店ですが、この状況下で開催してくれるだけでもありがたいです。選りすぐりのビールを順番に試していきましょう。

まずは軽いタイプから。ベルジャンホワイト(白ビール)が人気の「ベデット(VEDETT)」のロゴが目立つ小西酒造のブースで選んだのは、『ブロンシュ・デ・ナミュール・ホップ&スパイス』です。アルコール度数は4.5%と低めでホップや生姜が香ります。大麦麦芽と小麦、オレンジピール、コリアンダー、さらに名前のとおりたっぷりのホップとジンジャーを使っているようです。
小西酒造(清酒「白雪」醸造元)のブース
小西酒造(清酒「白雪」醸造元)はベルギービールを日本に広めた功労者。「ベデット(VEDETT)」「デュベル(DUVEL)」などを輸入している
ビールの解説パネル
白ビール系はホップの苦みがほとんどなく、ビールが苦手という方にも好まれる

ベルギービールなら修道院もの

続いてベルギービールと言えば真っ先に名前があがる「シメイ(CHIMAY)」のブースへ。このビールは今も修道院で製造され、厳格にレシピが守られています。ちょうど今が飲み頃ですとすすめられたのは『グランドレザーブ』とも呼ばれる『シメイブルー(CHIMAY BLUE)』の樽詰めです。もともとクリスマス用のビールとして開発されたもので、濃厚で豊かなコクは極上の味わいでした。
濃く力強い色味の『シメイブルー(CHIMAY BLUE)』
濃く力強い色味の『シメイブルー(CHIMAY BLUE)』はアルコール度数9%。ビールのなかでは高いが、スパークリングワイン(約12%)よりも3割弱低い
シメイで煮込んだビーフとシメイレッド(CHIMAY RED)』。付け合わせはフリッツ(ポテトフライ)
「シメイで煮込んだビーフがとてもおいしいです」とすすめられて、『シメイレッド(CHIMAY RED)』と合わせた。付け合わせはベルギーのおつまみの定番フリッツ(ポテトフライ)

アルコール度数10%のゴールデンエール

そして最後に試したのは「究極のベルギービール」というコピーに惹かれた『マルール10』。ゴールデンエールというタイプでラガービールのように透明で金色です。アルコール度数が8%前後の高いものが多く、マイルドな口当たりとしっかりしたコクが特徴。このビールの「10」という名前は、ずばりアルコール度数10%です。ビールのなかでは高いですけれど、清酒の15%やワインの13%に慣れた方なら大丈夫です。〆の一杯として満足のいくものでした。
『マルール10』を飲む前にグラスリンサー(グラスの洗浄機)できれいに前のビールを流しました
『マルール10』を飲む前にグラスリンサー(グラスの洗浄機)できれいに前のビールを流しました

家で復習、ベルギービール

イベントでベルギービールを楽しんだ後は、家でもトライしてみましょう。普通のスーパーやコンビニにはベルギービールの扱いはほとんどありませんが、大型のショッピングモールや酒の専門店でなら何種類か置いています。ただ、小さなインポーターの扱いの商品は、ネット通販で取り寄せるのが一番確実かもしれません。

私が個人的に好きなのは『シメイ(CHIMAY)白(CINQ CENTS)』です。シメイのなかでもっともドライでアルコール度数8%と飲みごたえがあります。ブルーと飲み比べると違いが際立っておもしろいです。買い物に出た先で特売になっていたりすると、つい買ってしまいます。
「シメイ(CIMAY)」の青と白
「シメイ(CIMAY)」の青と白。柔らかでふくよかな味わいの青と、ドライで複雑な味わいの白の飲み比べがおすすめ

この原稿を書きながら、今夜はベルギービールを飲まんといかんなと思い、近所のスーパーで探してみました。すると『ヒューガルデンホワイト』を発見。このビールは世界にベルジャンホワイトの名を広めた立役者です。甘いニュアンスのある柑橘系の香りが、すき焼きの甘辛さにマッチして、なかなかの好相性でした。
『ヒューガルデンホワイト』とすきやき

さまざまな酒のイベントがありますが、イベントで試した酒は家で飲んで復習することを強くおすすめします。自宅でゆっくり飲むとまた違った味わいに気づきますから。

ベルギービールウィークエンドは10月23日~25日にも開催。
BELGIAN BEERWEEKEND(ベルギービールウィークエンド)公式HP


※記事の情報は、2020年10月23日時点のものです。

  

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