酒好きほぼ100人にアンケート「飲み放題は好きですか?」

ようやく外でもお酒を楽しめるようになりました。普段は家飲み派でも、1年の締めくくりにたまには外で飲み会をという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は宴会プランにつきものの「飲み放題」はどんな点が支持されているのかをアンケート調査から探ってみます。

メインビジュアル:酒好きほぼ100人にアンケート「飲み放題は好きですか?」

ほぼ半数が飲み放題を利用

東京都では酒席の人数制限も緩和され、これから年末年始に向けて飲み会が少しずつ増えそうです。居酒屋などでは飲み放題付きの宴会プランを用意している店が多くあり、ほとんどの人は1度くらいは利用したことがあるのではないでしょうか。大人数での飲み会では便利な飲み放題ですが、好きなお酒を選びにくいとか、つい飲みすぎてしまうという声も聞かれます。今回の酒好きほぼ100人に聞く酒飲みのミカタでは、皆様の飲み放題の利用についてお聞きしました。

まず、最初に飲み放題の利用状況を確認しましょう。
「あなたはふだん飲食店で飲み放題を利用しますか?」という質問に、「よく利用する」と答えた人は12%で、「時々利用する」の40%と合わせると52%になり、ほぼ半数の方が利用していました。反対に「利用しない」という方は19%で、酒好きな方でも2割ほどが何らかの理由で飲み放題と距離を置いていることがわかります。
飲み放題の利用グラフ

大人数なら飲み放題利用派が優勢

次に飲み放題を利用するシーンを、例示した中からすべて選んでもらったところ、「大人数でのパーティ」が49%でもっとも高くなりました。2番目は「3~4人で飲む時」の34%で、「2人で飲む時(19%)」や「一人で飲む時(8%)」と比べると、人数が増えるにつれて、利用が増えることがわかります。飲む人数が3~4人以上になると飲み放題を利用する人がぐんと増え始め、5人以上の大人数のパーティでは半数が飲み放題を利用しているようです。

また、飲み会の人数以外の要素では「酒に強い人と飲む時」が28%あり、飲み会のメンバーでの酒量の多い人の有無も、飲み放題の選択に影響していることがわかります。
飲み放題を利用するシーングラフ

飲み放題は幹事の味方

飲み放題を利用する理由を聞いた質問でもっとも多く挙がったのは、「飲み代を確定できる(53%)」でした。飲み会をコントロールしやすいところが利用者のいちばんのベネフィットになっているようです。コメントには、「飲み放題なら時間が決まっているので宴会がだらだら続かなくてよい」や「いろいろめんどうなことが無くて助かる」など、使い勝手を重視した飲み会を仕切る幹事側からの意見が寄せられました。
飲み放題を利用する理由グラフ
次に多かったのは「料金を気にせずたくさん飲める(49%)」です。酒代をいちいち気にせず飲めるのがいい、酒を水のように飲む人との飲み会でも安心などのコメントが見られました。

また、飲み放題はお得感が魅力と予想したのですが、「割安だから」を選んだ方は37%にとどまりました。飲む量は人によって差があることも影響してか、飲み放題はそれほど割安ではないと感じる人が少なからずいるようです。「それほど安いとは思わない」「飲み放題の対象でないものを頼む人が大勢いて最終的に割高になった」などの意見が寄せられています。

そのほか次のような意見が寄せられました。
「酒をあまり飲まない人にとって、日本酒やワイン、焼酎などを試すきっかけになる」(30代・男性)
「普段飲まないいろいろなお酒が試せて良い。量も選べたら良いと思う」(40代・女性)
「飲み放題は日本独特の制度だとドイツ人に言われました。彼らは日本に来るたびに飲み放題を楽しんでいます。インドネシアのイスラム教徒の友人たちは、お酒を飲まないのに飲み放題は好きです。いろいろ選べて楽しいから、だそうです」(40代・女性)
「飲める人も飲めない人も気を遣わずに楽しく過ごせる」(50代・男性)
乾杯
幹事にとってたくさん飲んでも料金が一定なのは大きな利点

飲み放題への不満1位は「酒のグレードが低い」

では飲み放題についてどんな点を不満に感じているのでしょうか。例をあげて当てはまるものをすべて選んでもらったところ、「対象の酒のグレードが低い(63%)」がトップ、続いて「飲みたい酒を自由に選べない(57%)」で、この2つが群を抜いて多くなりました。酒類のグレードを高めたり、選択肢を増やしたりするプレミアム飲み放題プランを用意している店もありますが、それでも不満を感じている方が少なくないようです。

気の置けない仲間との少人数の飲み会は好きな酒を自由に頼み、大人数での飲み会は飲み放題にする、という具合に、TPOに合わせて使い分けるという意見も多数寄せられました。

そのほか「元をとろうと欲が出る」「飲みすぎがち」「騒がしい」「飲めない人も同じ料金になる」「せわしない」などの声も3割前後ありました。
飲み放題に不満な点グラフ
【回答者のコメント】
「個人的には飲み放題は嫌いです。好きな銘柄をゆっくりたしなみたいです。ですが大人数とかパーティ等は便利なので仕方ないと思います」(40代・女性)
「元を取ろうとして飲み過ぎて高確率で二日酔いになる」(40代・男性)
「(飲み放題は)お酒がおいしくないお店が結構あるので最近は敬遠しがちです」(40代・男性)
「ビールやワインが複数から選べる飲み放題は良いが、おおむね酒のグレードが低いのが残念。人によって好みや飲む量は異なるので、親しい仲間と飲むときは各々好きな酒を選んで割り勘にする。半面、自分より酒量が多い人たちと飲むときは飲み放題が便利」(50代・女性)
「お酒を飲まない方も含め、参加者全員が飲み放題にしなければいけないプランを利用し、飲まない参加者から苦情を受けた事があります」(50代・男性)
日本酒をお酌する
飲み放題でおいしくない日本酒をたくさん飲まされて嫌いになったという話をよく耳にする

「飲み放題が好き」が「好きではない」を14%上回る

最後に「飲み放題は好きか?」という質問への回答を見てみましょう。「とても好き」が18%、「まあまあ好き」が30%あり、合わせると48%が「好き」と回答しています。飲み放題のメリットとデメリットの双方を考えたうえで、ほぼ半数の方が「好き」と評価しました。

反対に「好きではない」は13%、「あまり好きではない」は21%で、合わせると34%です。「好き」を14%下回ります。
飲み放題は好きかグラフ
飲み放題は、ドリンクの選択肢が制限されたり、気ぜわしくなったりというデメリットがあるものの、幹事の負担を軽減したり気軽に料金を気にせずに飲めたりするメリットを評価する人は多く、飲み会のTPOに合わせて使い分けされていきそうです。

【調査概要】
調査時期:2021年11月9日~11月12日
調査方法:インターネットアンケート
サンプル数:131人(お酒好きな人)


※記事の情報は2021年12月2日時点のものです。

  

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