おんせん県・大分のうまい酒・肴その➁|「りゅうきゅう」に泡ワイン、「とり天」にかぼすハイ

さまざまな泉質と豊富な湯量で知られる「おんせん県・大分」は、上質な食材と多彩な郷土料理でも知られています。うまい物のあるところにはうまい酒がある、というわけで今回は大分の酒と肴をご紹介しましょう。

メインビジュアル:おんせん県・大分のうまい酒・肴その➁|「りゅうきゅう」に泡ワイン、「とり天」にかぼすハイ

有楽町で大分グルメを堪能

東京・有楽町、数寄屋橋の交差点の一画のビルの3階にある「座来大分(ざらいおおいた)」は大分県公式のアンテナショップ型レストラン。関サバ・関アジ、豊後牛など大分が世界に誇る食材と、大分県内各地の郷土料理を楽しめます。9月末に開催された試食会では、7種類の料理が用意されていました。
試食のお膳。左上から「りゅうきゅう」「おおいた和牛・肩ロース炭火焼」「おおいた冠地どり とり天」
試食のお膳。左上から「りゅうきゅう」「おおいた和牛・肩ロース炭火焼」「おおいた冠地どり とり天」
さらにこの日の酒リストは、日本酒、焼酎、ワインと盛りだくさん。日本酒は『西の関美吟』、フランスのSAKEコンテスト「Kura Master」で2018年に最高賞を受賞した『ちえびじん純米』など5種類がラインナップ。ワインは「安心院ワイン」のスパークリングワイン、シャルドネ(白)、小公子(赤)の3種類、焼酎は『いいちこスペシャル』『耶麻美人』『兼八』など7種類が並びます。リキュールの「かぼす酒」は食前酒に、「紅茶梅酒」はデザートによさそうです。

「りゅうきゅう」に『安心院スパークリングワイン』

ひととおり試してみて、酒と料理のおすすめの組み合わせをご紹介しましょう。まず、一品目の「りゅうきゅう」には『安心院ワイン』のスパークリングワイン。最初の一杯ですから軽やかにスッキリ飲めるこのワインがおすすめです。

「りゅうきゅう」は新鮮な青魚のひと口大の切り身を、酒、醤油、味醂などの調味液で和えて、しばらく置いておくだけの簡単メニュー。白髪ねぎや胡麻、紫蘇、山椒など好みの薬味を加ええると爽やかな大人の味を楽しめます。もともと庶民的なメニューですが、そこは「座来大分」さん、味付けは濃すぎず素材の味が生き、丁寧な仕事ぶりには上質感が溢れていました。

安心院スパークリングワインは、日本ワインファンなら誰もが認める逸品。泡、酸、甘みがバランスよくまとまってコクがあり、きれいにフィニッシュ。「りゅうきゅう」とは絶品の組み合わせでした。
りゅうきゅう
「りゅうきゅう」は鯵でも鰯でも新鮮な青魚の刺身ならOK
安心院スパークリングワイン
「日本ワインコンクール2022」では2020年ヴィンテージが部門最高で金賞を受賞、提供された2019年のものも「シャンパン&スパークリングワイン・ワールド・チャンピオンシップ2021 」で銀賞を受賞

関アジ・関サバに『ちえびじん 純米』

二品目はお造りにしました。刺身系を続けず他のメニューに進もうかと迷いましたが、せっかくの極上素材です。早くいただいた方がいいと思った次第。

このブランド魚は「大分県と愛媛県の間の海域である「豊後水道」で捕獲されるアジ・サバのうち、大分県漁協佐賀関支店に所属する漁師が一本釣りで獲るもののこと」と説明されますが、それだけではなく取り扱いに細心の注意が払われています。たとえば釣り上げた魚を直接手で触ることはありません。海中を泳ぎ回っている魚にとって人の手は熱すぎて身を痛めてしまうのだとか。高い品質を保証するために、厳しい管理基準を設け順守することはブランド管理の基本です。

噛むとぷりぷりと弾力のある身から旨味がジュワーッと広がります。そこに柔らかく優しい口当たりの『ちえびじん 純米』を含むと、旨味と旨味の相乗効果で、口中に幸せが広がりました。お昼からこんなにもおいしい酒と肴、罪悪感すら覚えます。
見るからにおいしそうな関サバと関アジのお造り
見るからにおいしそうな関サバと関アジのお造り
濃いピンクのラベルが印象的な『ちえびじん 純米』
濃いピンクのラベルが印象的な『ちえびじん 純米』。派手さはないが丁寧なつくりを感じる

とり天に「かぼす焼酎ハイボール」

続いていただいたのは、おおいた冠(かんむり)地どりの「とり天」。

この鶏は烏骨鶏が交配された品種で、大分畜産研究所が4年の歳月をかけて開発したものです。身がしまって歯ごたえがあるのだろうと想像していましたが、このとり天はふっくらジューシー。厚めの衣にぽん酢出汁が染みていて、ご飯が進むお味です。

ドリンクはごくっごくっと飲めるかぼすを搾った焼酎ハイボールといきたがったのですが、こちらのお店にはなさそうだったので(注文すればあったのかもしれません)、自宅で再現してみました。
とり天
大分は鶏をよく食べるが地方によって唐揚げだったり、とり天だったりするそう
 麦焼酎にかぼすを搾ってソーダで割る
麦焼酎にかぼすを搾ってソーダで割るだけ。とり天との相性の良さは鉄板です

「乾しいたけのかぼす浸し」に『西の関美吟』

大分は肉厚なしいたけを乾した「どんこ」の産地でもあります。三大うま味成分のひとつグアニル酸が豊富で生でもおいしいしいたけですが、乾すとグアニル酸が増して旨味が凝縮されたようになります。ちなみに三大うま味成分とは、昆布のグルタミン酸とかつお節のイノシン酸、しいたけのグアニル酸です。

強いうま味の乾しいたけを戻して味付けし、スライスしたかぼすを添えたこのお料理には、甘く濃厚なテクスチャーの『西の関美吟』を合わせました。乾しいたけのうま味と酒の甘みが繋がって、料理と酒の味のボリュームもバランスし、ちょうどいい感じでまとまりました。
見惚れてしまうほど肉厚なしいたけ
見惚れてしまうほど肉厚なしいたけ。かぼすの香りはいいアクセント
「西の関」
「西の関」は大分を代表する日本酒。豊かな味わいが持ち味の正統派

おおいた和牛炭火焼きに『安心院院 小公子』

メインのおおいた和牛の肩ロースの炭火焼きはほどよく火が入り、周りは焼いた肉の旨みが、ほんのりピンクの内側はしっとりとした赤身の味わいを楽しめます。

調味料は柚子胡椒と大蒜(にんにく)味噌なので日本酒や焼酎でもおいしくいただけますが、そろそろ酸味と渋味が欲しくなり赤ワイン『安心院 小公子』をチョイス。

小公子はブドウ品種名で、野生の山ブドウを交配し日本で開発された葡萄です。深い赤い色からはボルドーワインのような力強さイメージしますが、重すぎず複雑でスパイシーな香りと強い酸味は赤身の肉によく合いました。
おおいた牛の炭火焼き
噛むほどに旨みが湧いてきたおおいた牛の炭火焼き
『安心院 小公子』
『安心院 小公子』は山ぶどう系の品種らしくスパイシーで野趣を感じる。見た目ほど渋味や苦みは強くない

「焙じ茶プリン」に「いいちこスペシャル」

ご飯代わりのだご汁でお腹が落ち着いたら、締めのデザートは「焙じ茶プリン」です。焙じ茶の香ばしい香りは食後にぴったり。

酒好きはデザートにも酒を合わせたくなるもので、プリンなら樽で貯蔵熟成した焼酎がおすすめです。「いいちこスペシャル」の樽由来の甘いバニラのような香りが、プリンの甘さに繋がって口中でよく馴染みます。

バーボンウイスキーに羊羹、黒糖焼酎に黒蜜、ライトなウイスキーに抹茶チョコレートなど、ハードリカーに合う甘党酒肴はいろいろあります。
「焙じ茶プリン」
香りの印象どおり軽い仕上がりの「焙じ茶プリン」
「いいちこスペシャル」
樽で貯蔵した「いいちこスペシャル」。オーセンティックバーにも似合うパッケージ

※記事の情報は2022年11月3日時点のものです。

  

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