2018.02.06
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イタリア人の食卓訪問! マンマの家飲みおもてなし(3)

ドライトマトのムース盛り付け

マンマにイタリア流のおもてなし術を教わるシリーズの第3回。来客が大勢いてもあわてないマンマの極意は、ムースやディップを上手に使うこと。今回もとっておきのおつまみを教えていただきます。

マンマのとっておきおつまみ「ドライトマトのムース」

イタリアのお母さん「マンマ」は一家のまとめ役。食卓を切り盛りし、テキパキと家事をこなし、子供や老人の面倒をよくみる。パパはグータラでも、マンマはしっかり者。「大黒柱はマンマよ」、そんな家族が普通です。だから、困ったときには”Mamma mia!”「マンマ・ミーア」と言うのです。直訳は「私のマンマ」。英語で言えば”Oh, my god!” と同じニュアンスですから、「マンマ」イコール「神」です(笑)。

 

そんなイタリアのマンマは、急な来客にも動じません。その秘訣をシリーズでご紹介してきました。今回はそんな「イタリア流家飲み」の最終回。私の友人のマンマ、エレナさんにとっておきのおつまみを教えていただきます。

 

「来客が大勢いてもあわてない方法。それは、ムースやディップを活用することよ」。そんな格言(?)が、さりげなく飛び出します。なるほど。言わば、「乾き物のおつまみ」をより美味しくふるまうワザというわけだ。今日教えてもらうのは「ドライトマトのムース」です。

 

まずは材料、5人分。

・ドライトマト……50g

・クリームチーズ……100~120g

・ニンニク……1/2片

・バジルの葉を刻んだもの……大さじ1/2

・パン粉……大さじ1

・パルメザンチーズ(粉チーズ) ……大さじ1/2

・卵白……1/2 個分

・お湯、赤ワイン(ドライトマトを戻す用)

・塩、コショウ

今回使用した材料は、下の写真の通り。卵白は後ほど泡立てますよ。

作り方

まずは、下準備。ドライトマトを戻します。ボウルなどの容器にドライトマトを入れ、沸騰した湯と赤ワインを半々に加えて、ちょうど水面に隠れるようにします。お湯を使えば10~15分で柔らかくなるのでおすすめ。ただし、ムースにするにはできるだけ柔らかいほうがいいので、時間があれば長めに漬け込んでおくと、出来上がりがより滑らかになりますよ。

ここでマンマのワンポイント。

「ドライトマトの水分を切った後は、そのまま乾燥よ。クッキングペーパーなどで拭き取ると、風味を損なう恐れがあるわ」

 

さて、ドライトマトを戻したら、ムース作りに入ります。まずは、柔らかくなったドライトマトを包丁で刻みます。細かくなり、ペースト状になってきたら、クリームチーズ、パルメザンチーズ、バジルの葉、パン粉、ニンニクを加えて、全体を混ぜ合わせます。それからミキサーにかけます。滑らかなムース状になったところで取り出したものが、下の写真の状態です。

これに塩とコショウをして味を整え、卵白を泡立てたものを絡めます。下の写真が完成品です。

時間があれば、ラップをかぶせて、冷蔵庫で冷やすと、より美味しくいただけます。今回はクロスティーニという、イタリアの小さな堅パンでいただきます。下の写真のようにバターを塗る感じで。

ライトボディの赤ワインが止まらない!

そのお味、とてもやさしいのです。まずはドライトマトと2種類のチーズが混ざり合う複雑な酸味が、口の中に広がります。が、決して強くはなく、柑橘系のニュアンスでまろやか。食欲がそそられます。さらに、バジルとニンニクの香りがほのかなアクセントになって、クロスティーニの香ばしさと融合し、噛むごとにたっぷりのコクが出ます。そこにライトボディの赤ワインを合わせると、ワインの軽い渋みと酸味が鼻腔をくすぐりつつ、まるで溶けるように喉を通って行きます。ああ、また次がほしくなる、やめられない、止まらない、という天国のスパイラルへ…。

 

「このムースを作っておけば、ポテトチップスでも、野菜スティックでも応用できるわよ。お客さんの人数が多くても、これならあわてずにおもてなしができるからおすすめ。ポイントは、あまり味つけを濃くしないこと。薄味で、素材の風味そのものが生かされている方が、客人はたくさん食べてくれるわ。その方が、次を作るまで時間が稼げるものね」といたずらっぽく笑うマンマ・エレナに、なんとも言えない余裕と寛容さを感じました。まさに、この温かく、気楽な雰囲気こそが、最高のおもてなしなのだと僕は感激し、天国のスパイラルに身を任せていたのです。

マンマが日本で気に入った調理器具とは?

さて、今回の調理中、マンマが「秘密兵器よ」と、ちょっとしたドヤ顔で取り出してきたものがある。それが写真の「小型自動泡立て器」。「これなら、少量の卵白を泡立てるのに、ちょうどいいわ」とマンマはご満悦。

実はこれ、東京のマンションの近所にある「100円ショップ」で見つけたものだとか。「これが100円だなんて、信じられる? 日本はすばらしいわ。すぐに10本まとめて買ったのよ。イタリアに持って帰って、お友達に配るの」だそうだ。さすが、マンマ。世界のどこにいても、新しいものを見つけるこのバイタリティー。これぞ見習うべきマンマの生活力だと、感服しました。

 

※記事の情報は2018年2月6日時点のものです。

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京藤好男

京藤好男

東京外国語大学イタリア語学科卒業。1995年ヴェネツィア大学留学。イタリア文学専攻。その滞在期間中、ヴェネト州のヴェローナ、ピエモンテ州のランゲ、トスカーナ州のモンタルチーノなど、ワイン名産地の人々と親交を持ち、イタリア・ワインに親しむ。現在、慶應義塾大学など複数の大学で講師を務めるほか、2006-2008年にNHKラジオ『イタリア語講座』、2007年にNHK『テレビイタリア語会話』で講師を務めるなど、様々なメディアで講師活動をしつつ、ワインを始めとするイタリア文化の普及に努めている。著書に『指せば通じる旅のらくらく会話 イタリア』、『文法から学べるイタリア語』(共にナツメ社)、『中級へのイタリア語文法』(三修社)など多数。

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