暑~い夏、アウトドアで冷えた白ワインを美味しく飲む方法

イタリア留学経験もあり、イタリア語講師として多数の著作がある京藤好男さん。イタリアの食文化にも造詣が深い京藤さんが在住していたヴェネツィアをはじめイタリアの美味しいものや家飲み事情について綴る連載コラム。今回は、イタリアで出会った、暑~い夏にアウトドアで冷えた白ワインを美味しく飲む方法をご紹介します。

ライター:京藤好男京藤好男
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ヴェネツィア仕込み! 夏の白ワインの楽しみ方

夏がやって来た。照りつける太陽、まとわりつく湿気、うだるような暑さ、そんな厳しい季節になると、私は無性に辛口の白ワインが欲しくなる。「軽く、フレッシュで、酸味強めの白」が私の好みだ。そして、それは屋外で飲まれなければならない。

暑い日は、外に出て白ワインを飲む。そんな習慣が身についたのはヴェネツィアに留学中のこと。サン・マルコ広場近くで土産物店を営むジャンニ・ヴォラーノさんは、私が講師を勤めていた日本語講座の受講生であり、またアルバイトを提供してくれる友人でもあった。当時44歳。小柄だが筋肉モリモリ、鼻が大きく、ダスティン・ホフマンにちょっと似ている。

「ティ・キエード・ウン・ファヴォーレ(頼みたいんだけど)」

と、電話がかかる。それがアルバイトの合図だ。仕入れの書類を作ったり、郵便局まで荷物を代わりに受け取りに行ったり、彼が不在のときの店番をしたり。そんな雑用めいた仕事がすむと、

「アンディアーモ・アッラ・スピアッジャ(浜辺へ行こう)」

と、私を誘うのだ。それがたいてい午後3時頃。断る間もなく、彼は自ら「ピクニック・セット」と呼ぶ、屋外で飲むための用具一式を肩にかけ、店を閉める。シャッターにこんな札を下げて。

「準備中、18時開店」

「居酒屋か」。ツッコミたくなったものだ。そうして、いつも私たちはサン・マルコの船着場から水上バスに乗り込み、リド島へ向かった。ヴェネツィア本島から15分ほど沖に出たこの島は、今では「ヴェネィア国際映画祭」の会場として有名だが、ここには海水浴ができる砂浜があり、ヴェネツィアっ子が海を楽しむためのリゾート地でもある。

その砂浜にシートを広げ、ジャンニが用意したワインを傾けながら、ただのんびりと、波の音に身をまかせ、暑い日の午後を過ごすのだ。こんなときに飲む白は、キリッと冷えていなければならない。そのために彼が行なっていた工夫は、「アウトドア・ワイン」のお手本として、今も私が実践している。ヴェネツィア人直伝の美味しい飲み方をお教えしよう。

1.ワインのボトルに濡れタオルを巻いて冷やす
冷蔵庫で冷やしただけのボトルは、当然ながら、移動中に温度が上がってしまう。そこで予め、濡れたタオルを巻いて冷凍室に入れておき、タオルが凍り始めたぐらいの時間に取り出す(30分程度が目安。長く入れすぎると、ワインまで凍りついてしまうので危険だ)。そしてタオルを巻いたままビニール袋に入れて運ぶだけ。30分程度の移動なら十分いける。

2.氷水に塩を加えて冷やす
クーラーボックスがある場合は、そこに氷を入れてボトルを冷やせばよい。だがさらに、そこに水と塩を加えると、急速に冷える。塩を加えると凝固点が0度を下回るため、氷だけの状態よりも冷え方が早まるという。塩の量は1本につき、手の平1杯程度が目安。移動時間が短いとき、あるいはワインを現地で調達した場合に、冷蔵庫もなく早く冷やしたいときに使えるワザだ。また、自宅であっても、急な来客でワインを早く冷やしたいときに、この方法は役に立つ。もちろん、ビールにも応用が可能だ。

3.グラスに凍ったブドウを入れて冷やす
せっかくボトルのワインが冷えているのに、注いだグラスが温まっていては台無しだ。だが、屋外ともなれば、ガラスのグラスを持っていくのはちょっとツラい。自ずと紙やプラスチック製のものになりがち。そこで、予め凍らせたブドウを持っていく。それをグラスに入れてワインを注ぐのだ。氷であれば、溶けてワインの味が薄まってしまうが、果物ならそうはならない。特にブドウは皮がしっかりついているので安心。それに、そもそもワインはブドウから出来ているのだから、相性もいい。これで周囲がどんなに暑くても、冷えたワインがぬるまる心配はない。
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