イタリア人直伝の夏向きレシピ! 暑さを乗り切るおつまみとワイン(1)

暑さには慣れっこのイタリア人の食生活を参考に、家飲みにも使える爽やかな料理とワインをご紹介します。

ライター:京藤好男京藤好男
メインビジュアル:イタリア人直伝の夏向きレシピ! 暑さを乗り切るおつまみとワイン(1)

イタリアの伝統と日本食の融合! 鮮魚のカルパッチョ

2008年の夏のことでした。ヴェネツィアを訪れた私は、留学時代にお世話になったアンジェラ・カラッチョロ先生のご自宅に部屋を借り、2週間大学での調査を行っていました。連日の快晴、というと恵まれた感じがしますが、おかげで気温は毎日35度を超え、1週間もすると頭が常にのぼせたような状態に。完全な夏バテです。
2008年の夏、ヴェネツィアを訪れた私
そんな私の様子を見かねて、アンジェラ先生が手料理を作ってくれたのですが、これがびっくり。

「鯛のカルパッチョ」

なぜびっくりかというと、

  • カルパッチョはヴェネツィア発祥の料理で、本来は牛肉を使ったもの。ちなみに、カルパッチョという名称は、15~16世紀にヴェネツィアで活躍した画家の名前に由来するという説があります。
  • ヴェネツィアは海に囲まれた海洋都市ですが、生魚を食べる習慣はほとんどありません。魚介の料理は豊富ですが、刺身はあくまでも日本由来の食事法で、大抵は火を通して食べます。
つまり、伝統料理の本来の形を崩し、私の口に合うものを選んでアレンジしてくれたわけです。さらに当時はヴェネツィアでも入手が難しい刺身用の鯛をわざわざ購入して作ってくれました。そんな優しさに感動すると同時に、その味の上品さ、その爽やかさに、飛び上がるほど驚嘆しました。当然、食欲も回復、夏バテも解消。おかげで、残りの仕事をしっかりとやり遂げることができたのは言うまでもありません。

この料理で感心したのは、刺身という日本の食べ方を取り入れながらも、味はしっかり地中海風にアレンジされていたことです。自分たちの味覚にもちゃんと合わせているのですね。

では早速、そのヴェネツィア流「鮮魚のカルパッチョ」を再現してみましょう。

味の決め手はオレンジ! ヴェネツィア流鯛のカルパッチョを作ってみた!

まずは材料。2人分の目安です。

材料

  • 鯛(刺身用のサク) 100g
  • オレンジ(大きめ) 1個
  • ミニトマト 10個
  • バジル 適量
  • 塩, コショウ 適量
  • オリーブオイル 適量
材料

イタリアの暑さに負けない、爽やかな味覚を出すには、レモンやオレンジなど柑橘系の果物を上手に使うのがポイントです。
オレンジを半分に切り、一方を果汁用(10g程度)に使います。こんな感じで絞り出します。
こんな感じで絞り出します。

もう半分は実を取り出して、食べやすいように小さく切り分けます。このように果汁と実を別々に取っておくわけですね。
このように果汁と実を別々に取っておくわけですね。

続いて、鯛の身を薄切りにし、器に並べます。その上に、このオレンジの果汁を、魚の身の半分が浸かる程度に注ぎます。さらにオリーブオイルを、好みの量ふりかけて、塩とコショウで下味もつけておきます。
鯛の身を薄切りにし、器に並べます

この状態のまま、ラップをかけて、冷蔵庫に入れます。15分から30分ほど、好みの冷たさになったら出来上がりです。このように果物の絞り汁や酢に食材を浸しておくことを、イタリア語で「マリナート(marinato)」と言います。つまり、マリネにすることですね。

さて、冷蔵庫からしっかりと冷えた「鯛のマリネ」を取り出したら、その上に飾り付けをするように、ミニトマト、オレンジの実、バジルの葉をこんな風に乗せます。
飾り付けをするように、ミニトマト、オレンジの実、バジルの葉をこんな風に乗せます。

刺身にオレンジ!? こんな組み合わせ、日本人ではちょっと思いつかない発想ではないでしょうか。でも、ぜひ、思い切ってお口にお運びくださいませ。オレンジのやさしい酸味と淡い塩味、そして鯛の甘みが口の中で、爽やかなハーモニーを奏でますよ。

鮮魚のカルパッチョに合わせるワインはこれだ!

鮮魚のカルパッチョに合わせるワインはこれだ!
さらに、イタリア流の楽しみ方をお教えしましょう。この料理に辛口白のスパークリングワインを合わせるのです。炭酸とワインの酸味で、魚の臭みが和らぎ、喉越しも良くなって、すぐに次の一口がほしくなります。酷暑、猛暑と言われる日本の夏も、イタリアの知恵が詰まったこの組み合わせなら、元気に乗り切れること間違いなしです。


※記事の情報は2018年8月7日時点のものです。
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