イタリア流多人数のおもてなし! 簡単にたくさん作れるおつまみを教えてもらいました(2)

アウトドアにもぴったりなワインのおつまみをイタリア人主婦・クラウディアが伝授します。

ライター:京藤好男京藤好男
メインビジュアル:イタリア流多人数のおもてなし! 簡単にたくさん作れるおつまみを教えてもらいました(2)

アウトドアで助かる簡単タルティーネ

今年の夏のバカンスは、故郷のボローニャで家族と過ごすというクラウディアさん。
「ボローニャでは子供を連れて、よく山や湖にピクニックに行くのよ。友達も誘ったりするから、たくさん食事の準備が必要よ。そんなときにいつも助かっているレシピがあるの。多人数が来ても、これさえあれば大丈夫ってやつ。とっておきを教えてあげるわね」
そんなクラウディアさんの外でも楽しめる多人数向けレシピをご紹介します。

その名は「マスカルポーネとドライトマトのタルティーネ」。
「マスカルポーネは、デザートのティラミスで使うチーズとして有名ね。タルティーネは、一般にフランス語でカナッペと呼ばれるもので、一口大の堅パンに具を乗せた一品よ。これをたくさん作っておけば、パーティーでもピクニックでも間違いなしというわけ」

それでは早速、材料から。

材料

  • マスカルポーネ 1パック
  • オイル漬けのドライトマト 2個
  • クロスティーニ(または好みの堅パンやクラッカー) 適量
  • 塩・コショウ 適量
  • オレガノ(または好みのハーブ) お好みで
材料
作り方はいたってシンプル。まずはマスカルポーネに塩とコショウをふって、軽く混ぜます。次に、オイルをしっかり切ったドライトマトをみじん切りに。それを先のマスカルポーネに混ぜ合わせます。すると、こんな感じ。
材料を混ぜ合わせます
さて、これでもうトッピングはできあがりです。なんとシンプルなこと。時間にしてわずか3分。

ここでクラウディアさんからアドバイス。
「日本ではマスカルポーネがやや手に入りにくいかも。そんなときはリコッタチーズでもいいわ。リコッタチーズのほうが日本のスーパーでよく見かけるから」
さすが日本の事情通です。

あとはトッピングをクロスティーニ(または好みの堅パンやクラッカーでもOK)に塗っていくだけ。こんな感じで。
トッピングをクロスティーニ(または好みの堅パンやクラッカーでもOK)に塗っていくだけ

手巻き寿司感覚でトッピングも

「ピクニックなど外での食事になるときは、トッピングとクロスティーニを別にしておいて、現地でこのように塗るといいわ。このタルティーネをベースにして、さらに具材を足すと、味に変化がついて飽きないわよ。生ハムとか、スモークサーモンなんか、とてもよく合うわ」
なるほど。ちょっと土台は違うけど、発想としては、手巻き寿司の感覚?
「そうよ、そうよ。日本のイクラや海苔も合うわよ」
おっと、そんなアドバイスをいただけると、こちらとしても食べ方のバリエーションが広がる気分。楽しくなってきました。

さあ、盛りつけです。お皿に並べたら、全体にオレガノとオリーブオイルをかけて、味を整えます。
盛り付けます
「今日はミディアムボディの赤ワインを合わせてみたわ。前菜的な料理なので、いろんなワインを合わせてかまわないのだけど、赤なら軽めの方がいいわね。あとは、白もオーケーだし、スパークリングもいいわよ。ただ、マスカルポーネにはけっこうコクがあるから、白はボディのある方がいいかも」とは、クラウディアさんからのアドバイスです。
今日はミディアムボディの赤ワインを合わせてみたわ
さて、味見してみると、トッピングが思った以上に濃厚。マスカルポーネのコクとドライトマトの凝縮した味わいが見事に合わさって、食べ応え抜群。小さな量の割に、コッテリ感があります。そこに赤ワインを流し込むと、一気にまろやかさが増して、むしろ軽い食べ心地を与えてくれます。2つ、3つと食欲をそそられますが、それ以上食べるともう満腹感がやってくるといった感じ。5つも食べれば、普通の人は満足できるんじゃないかな。

「そう。子供なら、3つぐらいで、あとはデザート。意外にお腹にたまるのよ。だから、ピクニックに最高。バーベキューのおともにもいいわよ」

いたずらな笑みを浮かべるクラウディアさんの、やりくりの上手さが垣間見えました。ホームパーティーのオープニングや、会合のちょっとしたおつまみにも最適だと思います。シンプルだけど、しっかりとしたボリュームと美味しさ。大勢のゲストを迎える機会には、ぜひお試しください。


※記事の情報は2018年7月25日時点のものです。
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