チーズの栄養を家飲みで上手に摂るには?

おつまみとして人気のチーズには、健康や美容に嬉しい栄養素がたっぷり! でもいくら美味しく栄養があるからと言って食べ過ぎは禁物です。チーズの豊富な栄養を適切に賢く摂るためのコツを管理栄養士の森由香子さんがレクチャーします。

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「チーズ」は家飲みのおつまみとして人気NO.1

先日読んだ新聞記事によれば、4月に政府の緊急事態宣言が出てから居酒屋での消費が75%超も落ち込む一方で、酒屋は約20%増から約34%増に伸びているとのことです(2020年5月2日 朝日新聞)。外出自粛のなかで家飲みが増えていることがうかがえますね。

ところで皆さん、ご家庭ではどんなおつまみでお酒を楽しんでいらっしゃいますか?

2016年に雪印メグミルク株式会社が行ったアンケートで「Q.家庭でお酒と一緒によく食べるおつまみは?」と質問したところ、「チーズ」と回答した人が1番多いという結果に。第2位以下は、刺身・たたき、揚げ物、ナッツ類、枝豆と続きます。

さらに、お酒の種類別にみると下記のような結果でした。

  「雪印メグミルク株式会社調べ」

家飲みのおつまみとしてチーズの人気が高いことがわかりますね。そこで今回は、チーズについてお話しさせていただきたいと思います。

ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いは?

チーズはすぐに食べられ便利ですし、美味しさもさることながら、原料となる牛乳、山羊乳、羊乳などのもつ栄養素が凝縮された、極めて栄養価が高く栄養補給にも最適の食品です。

たんぱく質、脂質、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB2、カルシウムが豊富で、特にたんぱく質は発酵・熟成の過程を経ているため消化吸収しやすい形になっています。

チーズは、その製造方法によってナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類に大別されます。

■ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズ
製法・特徴
牛乳、山羊乳、羊乳などの原料乳に酸や酵素を加えて凝固させたあと、発酵・熟成のみを行ったものをいいます。加熱や殺菌などの加工をしないため乳酸菌や酵素が生きたまま含まれています。ヨーグルトと同様に腸内の善玉菌を増加促進、便秘や肌の健康などの効用が期待できます。

種類
リコッタ、カマンベール、ブルーチーズ、エダム、エメンタール、カテージ、ゴーダ、チェダー、パルメザンなど

■プロセスチーズ
プロセスチーズ
製法・特徴
何種類かのナチュラルチーズを混ぜ合わせたのち、加熱溶解し、味を調えて再び固めたものです。保存性が高く味もクセがなく誰にでも食べやすいのが特徴です。日本やアメリカでの需要が高く、ヨーロッパや南米では一般的でありません。

種類
スライスチーズ、6Pチーズ、ベビーチーズ、さけるチーズ、切れてるチーズ、スモークチーズなど

農林水産省「食料需給表」(2019年7月)によると、2018年度のチーズ総消費量は過去最高の352,930トンとなり、この背景に国民一人当たりの消費量の増加があるとのことです。

また、最近ではナチュラルチーズの人気がプロセスチーズを上回り、ナチュラルチーズの消費量が210,367トン、プロセスチーズが132,563トン、国民一人当たりの消費量は1日あたり6.9gとなり1987年の2.7gから増加したとのことです。

チーズの適切な摂取量は?

チーズ好きな方からすると、6.9gという数字は普段食べている量を考えるとかなり少ない印象を受けるかと思います。では、チーズは1日どれぐらい摂れば良いでのしょう。

食品バランスガイド(農林水産省)によりますと、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)から1日200mgのカルシウムを摂ることを推奨しています。そのために必要なチーズの摂取量は以下の通りです。

カルシウム200mgを摂るために必要なチーズの摂取量

  • プロセスチーズ・・・約30g
  • リコッタ・・・約60g
  • カマンベール・・・約40g
  • ブルーチーズ・・・約35g
  • エダム、ゴーダ、チェダー・・・約30g
  • エメンタール・・・約20g
  • パルメザン・・・約15g
気になるカロリーですが、上記に挙げたチーズの摂取量においては100Kcal前後です。少量で高カロリーなので、少しずつゆっくり味わう食べ方がよいですね。

同様に塩分は、プロセスチーズ、カマンベール、ブルーチーズが1g前後、パルメザン、エダム、ゴーダ、チェダーは0.6g、リコッタやエメンタールが0.2gです。塩分を気にされている方は、リコッタやエメンタールがおすすめです。

あるいは、チーズの塩気を利用するのも良いでしょう。例えば、生野菜にすりおろしたパルメザンをかける、お豆腐にスライスチーズをのせ電子レンジで加熱しチーズ奴でいただく、カマンベールを温めトロトロにして野菜スティックにつけていただくなど、ドレッシング、塩、しょうゆを使わないで済むため節塩になります。

チーズを食べるなら夕方から夜がベスト!

チーズを食べるなら夕方から夜がベスト!
次にチーズを食べるのにおすすめの時間帯ですが、カルシウムの吸収を考えると「夕方から夜にかけて摂る」のが時間栄養学的には良いです。

また、お酒を飲みながらも良いのですが、お酒を飲む前にチーズをいただくこともおすすめです。チーズに含まれる脂質のおかげでアルコールの吸収がゆっくりとなり二日酔い、悪酔い防止にもなります。

アンチエイジングには「チーズ×ビタミンC」

アンチエイジングには「チーズ×ビタミンC」
アンチエイジング的にチーズと組みわせると良い食品もあります。

チーズは、アルコール代謝で発生する余分な活性酸素を撃退してくれる抗酸化ビタミンのビタミンA、ビタミンEが多く含まれていますが、ビタミンCが含まれていません。ですからビタミンCが豊富なフルーツやフルーツジャムと食べるのがおすすめです。

例えば、リンゴとカマンベール、イチゴとリコッタチーズ、ブドウとブルーチーズ、ジャムとパルメザンなどが美味しくアンチエイジングな組み合わせとなります。

カルシウム吸収率アップには「チーズ×ビタミンD」

カルシウム吸収率アップには「チーズ×ビタミンD」
カルシウムの吸収を助け骨や筋肉をつくるビタミンDは、残念ながらチーズの種類によって含有の有無が分かれ、含まれているとしてもブルーチーズ、エダム、カマンベールにほんのわずかです。

チーズの豊富なカルシウムの恩恵を受けるために、ビタミンDが豊富な鮭、カレイ、さんま、いさき、めかじき、さば、いわし、タチウオ、ひらめ、ぶり、きびなご、黒キクラゲ(乾)、シイタケ(乾)、マイタケなどを組み合わせることをおすすめします。

* * * *
チーズもお酒も適量を超えると健康維持を難しくする場合がありますので、両者ともに適量を守って家飲みをお楽しみください。そしてコロナに負けないカラダづくりをいたしましょう。

※記事の情報は2020年5 月13日時点のものです。

<参考図書>
『七訂 食品成分表2018』女子栄養大学出版部


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