じゃがいもの栄養は? カロリーやおすすめの調理法について、管理栄養士が徹底解説!

フライドポテトやポテトチップスなど、お酒と一緒に楽しまれることも多い「じゃがいも」。じゃがいもに含まれる栄養成分やおすすめの調理法、野菜じゃないというのは本当か?などについて、管理栄養士の森由香子先生に伺いました。

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じゃがいもに含まれる栄養成分とは?

フランスでは「大地のりんご」とも呼ばれるじゃがいも。私たちの健康な体を維持するために是非食べておきたい食品の一つです。

と言うのもじゃがいもには、血圧を安定に導き、高血圧を予防するカリウムや食物繊維、加熱しても壊れにくいビタミンCが含まれているからです。

じゃがいもにはカリウムが豊富!

じゃがいもポタージュ
じゃがいもは、「カリウムの王様」という別名を持つほどカリウムが豊富です。カリウムには体内のナトリウムを排泄する働きがあることは、これまでも何度かご説明してきました。ある報告では、じゃがいもをたくさん食べる地域では高血圧の人が少なかったという調査結果があるようです。

カリウムは熱に強く、水に溶けやすい性質がありますので、カリウムの恩恵を受けたい方は、味噌汁やスープなど煮汁ごと食べる料理をおすすめします。

また、じゃがいもに含まれる食物繊維にもまたナトリウムを体外に排出する働きがあります。

じゃがいものビタミンCは熱に強い

フライドポテト
ビタミンCには抗酸化作用があり、動脈硬化を予防したり血管を丈夫にしたりする働きがあります。体内では作れないので積極的に摂りたいビタミンです。

熱に弱いと言われるビタミンCですが、じゃがいもに含まれるビタミンCは、でんぷん質が保護してくれるため流出しにくく、温かい料理でも安心です。

とはいえ、皮を剥いたり小さく切って茹でたりしてしまうと、水に触れる面が増え流出しやすくなるので、大きくカットするか、皮付きのまま調理するとよいでしょう。

ビタミンCに限らず、栄養成分の多くは皮に多く含まれているため、調理するなら皮付きがおすすめです。

じゃがいもを皮のまま使う場合は、芽や皮の青い部分にソラニンという有害物質が含まれますので、芽をしっかり取り除いて、青い皮は厚く剥きましょう。

じゃがいもは野菜ではないのは本当?

じゃがいも
時々、「じゃがいもは野菜ではないというのは本当ですか?」と質問されることがあります。じゃがいもは、農産物においては〈ナス科ナス属〉に分類される野菜ですが、食品の分類では〈いも及びでん粉類〉に入りますので野菜ではありません。

栄養指導をしていますと、ポテトサラダを野菜サラダと勘違いされている方をお見受けします。繰り返しますが、「1日野菜を350g食べましょう」という標語で言うところの野菜には、じゃがいもは含まれませんのでご注意ください。

じゃがいものカロリー、糖質は?

気になるじゃがいものカロリーと糖質ですが、じゃがいも(皮なし、生、135g)1個で80Kcal、糖質は11.4gです。いも及びでん粉類のなかでは、意外と少なく感じられるでしょうか。

茹でて塩こしょうをかけたり、皮つきでグリルしたものを肉料理の付け合わせとして食べたりする程度であれば、ダイエット中でも問題なさそうです。

じゃがいもをおつまみとして食べるときの注意点は?

ポテトチップスとビール
じゃがいも料理は、お酒のおつまみにも抜群に合いますね。フライドポテト、ポテトチップスなど油をたっぷりと使った料理は、お酒がすすみます。ついつい食べ過ぎてしまいそうになるので、カロリーには気を付けないといけませんね。さらに言えば、じゃがいもに含まれる糖は120℃以上の高温で急激に加熱し続けると、発がん性のある「アクリルアミド」に変化するという研究報告もありますので、食べ過ぎには注意しましょう。

ご参考までに、一般的なレシピで作ったじゃがいも料理のカロリーを示します。

じゃがいも料理のエネルギー量

献立 量(g) エネルギー(kcal)
フライドポテト 111 168
ベークドポテト 126.4 278
ベーコンとポテトのチーズ焼き 215 290
ポテトグラタン 273 311
ポテトサラダ 121 142
ジャーマンポテト 142.1 189
ポテトチップス 60 332
調理によってはかなりカロリーが高くなるので、油を使ったじゃがいも料理を食べるときは、白米などの主食にあたるようなものは食べないようにすることがポイントです。

また、アルコールの分解に肝臓が働くとき、糖質、脂質はエネルギーとして消費されるよりも体脂肪として蓄える代謝になりやすいので、体重増加を気にする方は、飲み過ぎ、食べ過ぎには注意しましょう。

じゃがいもを賢く食べて健康的な家飲みを

味が淡白で使い勝手のよいじゃがいもは、お酒のおつまみはもちろん、東ヨーロッパでは主食として、イタリアではニョッキ、ギリシャではタラモサラダ、日本は肉じゃがなどとして、世界中で幅広く愛されています。

体にうれしい栄養も含まれていますので、食べる量には気を付けて、健やかな飲酒ライフをお過ごしください。

※記事の情報は2022年9月12日時点のものです。
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