吟醸酒・大吟醸酒とは?【フルーティーな香りの日本酒】

日本酒のラベルでよくみかける「吟醸酒」「大吟醸酒」の文字。いったいコレは、どんな意味なのか?一般的には高級酒、というイメージですが、その定義と味わいを解説します。

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吟醸酒とは?

吟醸酒と名乗るためには、2つの条件が必要です。まず、原料米の「精米歩合」が60%以下であること。日本酒は原料のお米を精米して外側を削り、中心部だけを使ってつくります。精米歩合とは、原料になる酒米を外側から削っていって、残ったお米が元のお米の何%にあたるか、を表したもの。30%削って70パーセント残せば「精米歩合70%」、吟醸酒の場合は、40%以上削って60%以下残してお酒造りに使用します。一般的に精米歩合は、削れば削るほど、お米の中心部だけを使うほど雑味が少なく、すっきりした、いわゆる「きれいな味わい」になります。
こうして60%以下に削り込んだお米を「吟醸造り」という手法でお酒にします。これが第二の条件です。吟醸造りとは、発酵させる時に、特に低温に保ってゆっくりと時間をかける手法です。お酒は温度が高いほど早く発酵が進みますが低温でブレーキをかけるわけです。通常20日ほどで終わる発酵を温度を下げることで30日以上かけてじっくりとすすめます。こうして造ったお酒は、いわゆる「吟醸香」と呼ばれるフルーティな香りが出て上品な味わいになります。

大吟醸酒とは?

吟醸酒に「大」がついた「大吟醸酒」、これはどんなお酒でしょう?「吟醸」とつくからには、低温でじっくり醸す吟醸造りであることは間違いありません。で、何が「大」なのかというと、精米歩合です。吟醸酒の60%以下をさらに贅沢にも10%削って、精米歩合50%以下のお米を使って吟醸造りでお酒を作ると「大吟醸」を名乗れるようになります。原料米は元の半分にまで減っちゃいますが、味わいはさらにすっきりと上品になります。

まとめると……

●「吟醸酒」
精米歩合60%以下のお米を、低温で時間をかけて発酵させた特製のお酒。香り高く、上品

●「大吟醸酒」
精米歩合50%以下のお米を使った高級吟醸酒。さらに香り高く、上品。

吟醸酒や大吟醸酒は、精米歩合と吟醸造りというしばりがあるだけで、麹も酵母も規定はありません。蔵元によっていろんな味わいが作れる自由度の高いジャンルです。漢字の意味の通り、「吟味して」「醸した」お酒、つまり蔵の技術を結集した「我が蔵の自信作」という意味でもあるのです。


※記事の情報は2018年2月7日時点のものです。
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