【カイピリーニャ】絶品レシピを達人が伝授!~ブラジルのカクテル~

使う材料や道具はいたってシンプルですが、プロならではのコツが満載! 味の決め手となるライムの選び方もしっかりご紹介します。ブラジルの風を感じるビタミンカクテル「カイピリーニャ」のレシピをマスターして、この夏もシャキッと元気に乗り切りましょう!

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カイピリーニャの美味しさに開眼

ブラジル生まれのカクテル「カイピリーニャ」を飲んだことありますか? 以前ブラジルの家飲み取材でもふるまっていただいたのですが、これがなんともフレッシュで爽やかなドリンク! とくに暑くなるこれからの季節にぴったりなんです。

このカクテルのことをもっと知りたい! 自分でも作れるようになりたい!! とすっかり魅了された筆者は、“カイピリーニャの達人”のもとを訪れることに。

東京・池尻大橋にある「BAR Julep」のオーナーで、日本カシャッサ協会の会長でもある佐藤裕紀さんに教えていただきました。

カイピリーニャって、どんなカクテル?

カイピリーニャとカシャッサ
――「カイピリーニャ」はブラジルでは定番のカクテルだそうですが、そもそもどんな飲み物なんですか?

「基本的にはライムと砂糖、そこに『カシャッサ』というサトウキビから作られる蒸留酒を混ぜて作るカクテルです。一説では、もともとは風邪薬として飲まれていたものが誕生のきっかけになったようです」

――え! 風邪薬?

「その昔ブラジルのある地域では、風邪を引いたらライムにニンニクや蜂蜜を合わせたものを薬として飲んでいて、そこに、より効くようにアルコールを入れるようになったと。そのうちニンニクや蜂蜜は省かれて、手に入りやすいライムと砂糖、カシャッサを合わせて作られるようになったのが始まりだと言われています」

カイピリーニャの語源

「『カイピリーニャ』という名前にも面白い由来があります。ブラジルには“田舎に住んでいる人たち”という意味の『caipira(カイピーラ)』という言葉があって、これが『カイピリーニャ』の語源になっていると。

農村部では6月に『フェスタ・ジュニーナ』というお祭りが開かれるのですが、そこでカイピーラの女性たちがライム入りのカクテルをふるまっていた。それで、『カイピーラ』の女性名詞から派生して『カイピリーニャ』と呼ばれるようになった、という説です」

――へ~! 色んないわれのあるカクテルなんですね。

「すべて説ではありますが、昔から人々の暮らしに身近な飲み物であったことは確かです。その家ならではの作り方や分量を代々受け継いでいる家庭もあるようですよ」

――家の外でも良く飲まれるんですか?

「もちろん。僕も仕事でブラジルに行くことがありますが、バーやレストラン、ビーチ、クラブのような遊び場…、どこに行ってもあります。ブラジルではワイン専門店などでない限り、カイピリーニャをメニューに載せてない店はないんじゃないでしょうか。そういう意味で『国民的カクテル』と言っていいと思います」

カイピリーニャのアルコール度数

――カイピリーニャのアルコール度数はどれくらいなんでしょう?

「ベースに使うカシャッサや氷をどれくらい入れるかによっても変わってきますが、カシャッサ自体のアルコール度数が38~48度なので、カイピリーニャにすると25度前後くらいでしょうか」

――25度! さっぱり飲みやすいドリンクですが、やはりアルコールは高めですね。現地では食事中に飲むのですか?

「そこはもう飲む人の自由です。気分とか、その場の雰囲気で。『今日は暑いからカイピリーニャ飲むか』とか、ブラジルの人たちはそういったノリでお酒を楽しみます。肉にも魚にも合うので、僕はわりと食中酒として飲むことが多いですね」

カイピリーニャに合うカシャッサの銘柄は?

――ベースのカシャッサは、どういうものを選ぶと良いのですか?

「『カイピリーニャ』の魅力は、なんといってもライムと爽やかさと砂糖の甘さの融合なので、それを生かせるカシャッサが良いでしょう。

カシャッサはもともと労働者に好まれた大衆的お酒だったのですが、近年嗜好性が高まってきて、樽で2~3年寝かせたものからプレミアムな価格帯のものも出てきています。でも高いカシャッサを使えば、それで作るカイピリーニャも美味しくなるかと言えば、そうとは限らない。大切なのはやはり相性です」

――具体的におすすめの銘柄は?

「ブラジルでも良く使われる『ベーリョ バヘイロ』や『カシャーサ51』はクセが少ないので、カイピリーニャを作るのに向いています。両方とも有名なブランドで、工業量産されているため価格もお手頃。日本でも手に入りやすいのでおすすめですよ」
「ベーリョ バヘイロ」(左)と「カシャーサ51」(右)
「ベーリョ バヘイロ」(左)と「カシャーサ51」(右)

達人のコツ満載! 「カイピリーニャ」決定版レシピ

それでは佐藤さんに、カイピリーニャを作ってもらいます! まずは必要な材料と道具を揃えましょう。
カイピリーニャの材料

●カイピリーニャ(1杯分)

<材料>
ライム 1/2個
砂糖(上白糖) 小さじ2杯くらい
氷(小さめ) 適量
カシャッサ 45ml

<道具>
グラス
ライムをつぶす棒(小さめのすりこ木でも可)
小さめのスプーン

グラスの中でライムを潰すので、グラスの形状は底面積が広めで安定感のあるものが良いでしょう。

ライムは、皮の表面がツルツルしていて、実がしっかり詰まっているような弾力があって、皮が薄めのものを選ぶと良いそうです。
ライム


【手順①】ライムを適当なサイズに切る

ライムは良く洗い、両端を切り落とします。
ライムの端を切り落とす

ライムを縦半分に切ります。1杯につき、ライム1/2個を使います。
ライムを縦半分に切る

真ん中にある白い中ワタの部分は苦いので、取り除きましょう。このひと手間が美味しく作るコツです。
白いところを切り落とす

さらに6~8等分に切ります。
6~8等分にカット

こんな感じです。
カットされたライム


【手順②】ライムに砂糖を合わせて潰す

グラスにカットしたライムを入れて…
グラスに入ったライム

さらに、グラスに砂糖を小さじ2杯くらい入れます。砂糖の分量はお好みでどうぞ。
砂糖を入れる

そうしたら、棒を使ってライムを潰します。あまり激しく潰すと皮の苦味成分が出てくるので、ゆっくり丁寧に。ライムと砂糖をなじませる感覚で。
ライムをつぶす

このくらいになったらOK!
グラスの中のつぶしたライム


【手順③】カシャッサを入れて、よく混ぜる

グラスにカシャッサを45mlくらい入れて…
カシャッサを注ぐ

ここで、スプーンを使い、砂糖が溶けるまでよく混ぜるのがポイントです。
グラスの中身を混ぜる


【手順④】氷を入れて、よく混ぜる

グラス一杯に氷を入れて…
氷を入れる

さらにスプーンでよく混ぜます。
混ぜている

これで完成! スプーンはグラスに残したまま、時々混ぜて氷を溶かしながら飲むのが現地スタイルのひとつです。
出来上がったカイピリーニャ
佐藤さんに作ってもらったカイピリーニャ、早速飲ませていただきましたが、ライムのすっきりとした酸味と砂糖の優しい甘さがなんと染みることよ!!

この日タイミング良く(?)風邪気味だった私の体がまさに求めていた、泣けるほど美味しいビタミンカクテルでした。さすが「もともと風邪薬」と言われているだけあります。

暑さでぐったり疲れがちな夏場も、カイピリーニャを飲めばシャキッと元気になれること請け合いです。みなさまもぜひ、お家で作ってみてください!

 

この方に教えていただきました!

佐藤 裕紀さん

東京・池尻大橋にある「BAR Julep」オーナー・バーテンダー。日本カシャッサ協会会長のほか日本ラム協会理事もお務めで、カシャッサやラムの楽しさを体験できるイベントも多数企画。もともと大のブラジル好きで、お酒まわりだけでなくブラジルの音楽や文化にも精通している。

佐藤 裕紀さん
■BAR Julep
住所:〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-34-16
電話:03-3422-7650
営業時間:[月〜土]19:00~翌4:00、[日]19:00~翌3:00

※記事の情報は2019年7月31日時点のものです。
 


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