ブラジルの食卓におじゃまします!~現地のお酒事情と食文化編~

日本で暮らす外国人家庭のリアルな食卓を通して、世界各国のお酒と食文化に迫る「家飲みオリンピック」。今回はブラジルの家飲みの様子を拝見! 前編では、現地の一般的なお酒事情や食文化についてお届けします。

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ブラジルの家飲みとは?

日本から17,000km以上も遠く離れていながら、多くの日系人が暮らすなど日本とも縁の深い国・ブラジル。サンバやカーニバルといった陽気でにぎやかなイメージがありますが、そんな国の人はどんな家飲みを楽しんでいるのでしょうか? その様子を見せてもらうため、都内で暮らす日系ブラジル人、宮本ヒルさんのお宅にうかがいました!

ヒルさんは東京・五反田にある「キョウダイマーケット」という南米輸入食品を扱うお店で働くかたわら、ブラジル料理教室の講師やバーテンダー、イラストレーターとしてマルチに活躍する日系3世。ヒルさんの恋人で、同じく日系3世のアレサンドラさんも一緒に出迎えてくれました。
宮本ヒルさん
14年前にブラジルから日本にやって来た宮本ヒルさん。立派なヒゲと丸眼鏡がトレードマーク

ブラジルを代表するお酒といえば「カシャーサ」

ポルトガル語で「田舎の娘さん」という意味をもつ、ライムたっぷりのカクテル「カイピリーニャ」。日本でもブラジル料理店に行けば、必ずメニューにあると言ってもいいほどブラジルを代表するカクテルです。

このカイピリーニャに使われるお酒が「カシャーサ」というサトウキビを原料にした蒸留酒。アルコール度数は40°くらいあります。
カシャーサとカイピリーニャ
「アルコールといえばカシャーサ」と真っ先に思い浮かぶくらい、ブラジル国民にとって欠かせないお酒
「家でも外でも、ブラジル人はよくカシャーサを飲みます。カクテルベースとして使うことの方が多いですが、最近は樽で寝かせた質の良いものも出てきているので、ストレートやロックで飲む人も増えてきているようです。そうそう、ブラジルではカシャーサが大好きな人のことを、“カシャセール”と呼ぶんです」とヒルさん。

ヒルさんの家にあるカシャーサコレクションの中には、アマゾンの植物「ジャンブー(しびれ草)」を漬け込んだという珍しいものも。ちょっと飲んだだけで、実山椒を噛んだ時のようなしびれが舌に広がります。
「カシャーサ・ド・ジャンブー」シリーズ
ジャンプーを漬け込んだカシャーサには、ナッツやフルーツなど様々なフレーバーがある
独特のしびれをもたらす「ジャンブー」の花
独特のしびれをもたらす「ジャンブー」の花。現地では料理にも使われる

太陽の下で、気ままにお酒を飲むのがブラジル流

とにかくにぎやかなことが大好きだというブラジルの人たち。お酒を飲むときのマナーはあるのか質問すると「楽しく飲まなきゃ、お酒に失礼でしょ? 日本にあるような『目上の人にお酌』とか『お付き合いで』なんて堅苦しさはないです」ときっぱり。人に迷惑さえかけなければ自由に飲んで良い、というのがブラジル人のスタンスのようです。

ビールは冷たく、コーヒーは熱く

サッカーの試合やお祭りの時はもちろん、休日の昼間に友人たちと集まって野外でワイワイ飲む。そんな時は、やはりビールが人気とのこと。実はブラジル、ビールの生産量・消費量が世界第3位なのです。

「暑い国だから、ビールは日本のものに比べて軽めでさっぱり。水のようにごくごく飲んじゃいます。ビールは凍るくらい、ギンギンに冷えてなくちゃいけないんです」

ビールに限らず、料理でも飲み物でも、冷たいものはとことん冷たく、温かいものは温かいうちに飲食するのがブラジル人の常識。そこは日本人の感覚と似ています。が、聞いて驚いたのは、ブラジルでは(暑い国でありながら)、アイスコーヒーは飲まれない!ということ。コーヒーはあくまで煎れたての熱いうちに飲むもので、コーヒー大国・ブラジルでは「冷めたコーヒー=新鮮ではない」となるんだとか。カルチャーショック…。
宮本ヒルさん
最近では熟成された日本のウイスキーをじっくり飲むのも好きになったというヒルさん。「時間そのものを飲んでいる感じがいいんです」

様々な国の食文化が融合したブラジル料理

ヒルさんがブラジル料理教室で作った郷土料理の写真
部屋にはヒルさんがブラジル料理教室で作った郷土料理の写真がたくさん飾られていた
1500年から1808年までポルトガルの植民地だったブラジル。料理にもポルトガルの影響を受けたものが数多くあります。

「例えば、『ボリーニョ・デ・バカリャウ』というコロッケ風の定番料理。『バカリャウ』とはポルトガルの国民食である干し鱈のことで、この料理も、もともとはポルトガルの食文化からきているものなんです」

ブラジルは、ポルトガルだけでなく、日系、ドイツ系、イタリア系、アフリカ系など様々な国にルーツをもつ人々が暮らす多民族国家。街を歩けば、ピザっぽいものや揚げ餃子、焼きそば風のものを売るファストフード店があり、いろんな国の食文化が混在しているのが感じられるといいます。

後編では、そんな多様性に満ちたブラジルのリアルな食卓をご紹介。現地ならではの食材を使ったおつまみも作ってもらいましたのでお楽しみに!
宮本ヒルさんの食卓


※記事の情報は2019年6月30日時点のものです。
 

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