【缶ビール】国内大手メーカーの15商品を改めて飲み比べてみた!
10月からの酒税法改正で、ちょっとだけ手に取りやすくなった缶ビール。そこで今回はキリン、サントリー、サッポロ、アサヒ、オリオンの定番缶ビール15商品を編集部員で飲み比べ! 一挙に飲み比べてみると、様々な発見がありました。

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2020年上半期のビール類シェアランキングは「キリン」がトップ
■2020年上半期のビール類メーカー別シェアランキング
1位・・・キリン
2位・・・アサヒ
3位・・・サントリー
4位・・・サッポロ
あくまでも発泡酒や第3のビールも含んだビール類全体のシェアランキングなので、ビール人気もこの順とは簡単に言えないでしょう。が、ランキングを見る限りキリンが乗りに乗っている感じはします。
生ビールとビールの違いは?
生ビールって飲食店でしか飲めないものと思っていましたが、缶ビールにも「生ビール」はたくさんあるんですね。
キリンのホームページによれば、「日本では1979年に定められた『ビールの表示に関する公正競争規約』によって『熱処理(パストリゼーション)しないビールでなければ生ビール、またはドラフト表示してはならない』と決められています。」とのこと。
日本では、生ビール(ドラフトビール)=熱処理をしていないビールのことなのです。

ならば、生の缶ビールと熱処理した缶ビールとでは味にどんな違いがあるのか? その辺りもこの後の飲み比べの中で検証していきたいと思います。
飲み比べる缶ビールはこの15商品

①キリン一番搾り生ビール
②キリンラガービール
③キリン クラシックラガー
④キリン一番搾り 糖質ゼロ
▼サントリー
⑤ザ・プレミアム・モルツ
⑥ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エール
▼サッポロ
⑦サッポロ生ビール黒ラベル
⑧サッポロラガービール
⑨ヱビスビール
⑩ヱビス 華みやび
▼アサヒ
⑪アサヒスーパードライ
▼オリオン
⑫オリオン ザ・ドラフト
▼【番外編】黒ビール
⑬キリン一番搾り<黒生>
⑭ヱビス プレミアムブラック
⑮アサヒスーパードライ ドライブラック
今回の検証ポイントはこの5つです。
【キレ】…刺激の強さ、後味のスッキリ感
【コク】…味の濃さ、深さ、豊さ
【酸味】…酸味の強さ
【甘味】…甘味の強さ
【苦味】…苦味の強さ
【缶ビール①】キリン一番搾り生ビール

アルコール成分: 5%
原材料: 麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ
カロリー:40kcal/100ml
価格(※):207円(税込)/350ml缶


編集部員E
おいし!やっぱり一番搾りっておいしいんですねー。

編集部員Z
ちゃんと麦の香りと味がする。まるみのある味。

編集部員F
どちらかというと重厚感のある味ですが、柔らかさもありますね。

編集部員A
「一番搾り」は熱処理してない“生ビール”ですが、生の感じはありますか?

編集部員J
そう言われて飲むと、このソフトな感じは居酒屋で飲む生ビールに似てるかも。

編集部員E
こっくりした感じはありながら、苦味や酸味はおだやかで飲みやすい。改めて、私は一番搾り好きだなー。

【缶ビール②】キリンラガービール

アルコール成分: 5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ、米、コーン、スターチ
カロリー:41kcal/100ml
価格(※): 207円(税込)/350ml缶

編集部員A
次は「キリンラガービール」。これも熱処理されてないタイプです。

編集部員F
一番搾りと比べると、ビールの色が薄いですね。

編集部員E
味も全然違う! こっちのほうが、明らかにキレがある。ピリッと感があって後味すっきり。

編集部員J
それにキリンラガービールのほうが、酸味も苦味も強いですね。

編集部員Y
個人的には、一番搾りよりもキリンラガーの方が、飲み慣れた缶ビールって感じがする。

編集部員E
逆に言えば、一番搾りのほうがより生感が強いですね。

【缶ビール③】キリン クラシックラガー

アルコール成分: 4.5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ、米、コーン、スターチ
カロリー:41kcal/100ml
価格(※): 207円(税込)/350ml缶

編集部員A
次は熱処理されたキリンの「クラシックラガー」です。『昭和40年頃の味覚を再現した、「コク・苦み・味わい」にこだわった伝統本格のビール』だそうです。

編集部員Y
やっぱりキリンラガーとクラシックラガーは、味の系統が似ている感じがする。

編集部員E
でも、こっちのほうは少し味が薄いような…? 香りも弱い気がします。

編集部員F
甘味をほとんど感じない代わりに、後に苦味が残りますね。

編集部員A
ガツンと苦いのが、熱処理ビールの味の特徴なんでしょうかね。

編集部員Z
確かに昔のビールってこういう味だったなー。

【缶ビール④】キリン一番搾り 糖質ゼロ

アルコール成分: 4%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ、糖類
カロリー:23kcal/100ml
価格(※): 207円(税込)/350ml缶

編集部員A
次は10月に発売されたばかりの「キリン一番搾り 糖質ゼロ」。以前、編集部でも一度試飲レビューしましたね。

編集部員F
うん、すっきり!さっぱり!

編集部員Y
糖質ゼロなだけあって、コクはほぼないね。

編集部員E
でも「ビール」でありながら糖質がゼロってやっぱり嬉しい。アルコール度数も低くて飲みやすいです。

編集部員Z
以前の試飲の時も思ったけど、グラスに注ぐよりも缶のままゴクゴク飲んだほうが炭酸のシュワシュワを直に感じられて良いかも。

編集部員J
軽い味なので、こってり系よりも枝豆とかあっさりした料理のほうが合いそう。

【缶ビール⑤】ザ・プレミアム・モルツ

アルコール成分: 5.5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造)、ホップ
カロリー:47kcal/100ml
価格(※): 233円(税込) /350ml缶

編集部員A
続きましてサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」です。プレモルは今回集めた缶ビールの中で一番値段が高く、税込233円でした。

編集部員Y
こうして飲み比べると、やっぱりプレモルは香りが特殊ですね。チェコとかドイツあたりのビールみたい。

編集部員Z
そうそう、ハーブのような草っぽい香りがするんですよね。僕はそこが好き。

編集部員J
僕もこの華やかな香り好きです。贅沢な気分になる。

編集部員E
プレモルって意外と酸味も強いですね。

編集部員Y
そうなんだよ、酸っぱいんだよね! 酸味と香りが私にはちょっと強すぎるんだよな。

【缶ビール⑥】ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エール

アルコール成分: 6%
原材料:麦芽(外国製造)、ホップ
カロリー:46kcal/100ml
価格(※): 233円(税込) /350ml缶

編集部員A
次は「ザ・プレミアム・モルツ<香る>エール」です。普通のプレモルはラガータイプ(下面発酵)でしたけど、これはエールタイプ(上面発酵)のビールです。

編集部員E
香りの強さでいうと、プレモルも<香る>エールも同じくらいですけど、香りの方向性は違いますね。こっちはエールビールらしいフルーティな香りです。

編集部員Z
味わいも、こっちは雑味というか奥行のある味。私は普通のプレモルのほうがすっきりしていて好きでした。

編集部員F
私はこっちが好きです。食事と合わせたときに、プレモルは苦味が気になりましたが、<香る>エールのほうは飲みやすく感じました。食事との相性はこっちのほうが良いのかも。

【缶ビール⑦】サッポロ生ビール黒ラベル

アルコール成分: 5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ、米、コーン、スターチ
カロリー:40kcal/100ml
価格(※):207円(税込) /350ml缶

編集部員A
次は「サッポロ黒ラベル」。これも熱処理していない生ビールですね。

編集部員F
甘い。それに酸味もそれほどないですね。今まであまり飲んだことなかったけれど、飲みやすいと思います。

編集部員Z
黒ラベルってすごくバランスが良いんですよ。苦味もコクも適度にあって。

編集部員E
ほんとだ。改めて飲んでみると、黒ラベルって王道感ありますね。万人に好かれる感じ。

編集部員A
Yさんも黒ラベル好きなんですよね?

編集部員Y
そう。平凡でうまい。ずっとこればかり飲んでいた時期がありました。

編集部員J
僕も毎日飲むならこれですね。マイルドで飽きずに飲める気がします。

【缶ビール⑧】サッポロラガービール

アルコール成分: 5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ、米、コーン、スターチ
カロリー:40kcal/100ml
価格(※): 207円(税込) /350ml缶(※上の画像は500ml缶です)

編集部員A
次は熱処理された「サッポロラガービール」、通称「赤星」です。日本で最も歴史あるビールブランドなんだそうですよ。
以前は瓶のみの販売でしたが、ここ数年は缶入りも年に数回、数量限定で販売されています。

編集部員Y
私もよく買います。しっかり苦いんだよ。今はこれが一番好きなビール。

編集部員Z
この苦さが昔ながらって感じしますね。

編集部員E
「③キリン クラシックラガー」と飲み比べても、あんまり違いが分からない。

編集部員A
やっぱり「熱処理ビール=苦い」という点で共通していますね。

編集部員Y
サッポロラガービールも香り控えめで、リッチ感がない。むしろ私はそこに好感が持てます。

【缶ビール⑨】ヱビスビール

アルコール成分: 5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ
カロリー:42kcal/100ml
価格(※): 227円(税込) /350ml缶

編集部員A
次は「ヱビスビール」です。プレミアムビールの草分け的存在ですよね。

編集部員Y
昔はありがたがって飲んでたなー。山岡さんも絶賛してたし。

編集部員A
山岡さんって、どこの?

編集部員E
漫画『美味しんぼ』の山岡さんですよね? 絶賛してた(笑)。
でも改めて今飲むと、なんか口がキューってなる。苦くて酸っぱい。

編集部員Z
甘さもありますね。

編集部員J
すべての味の要素が強くて、どっしり重いです。

編集部員E
トロミすら感じる気がするほど濃い。やっぱりヱビスってフルボディなビールですね。

【缶ビール⑩】ヱビス 華みやび

アルコール成分: 5.5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))(大麦麦芽、小麦麦芽)、ホップ
カロリー:47kcal/100ml
価格(※): 227円(税込) /350ml缶

編集部員A
同じくヱビスの「華みやび」。上面酵母と小麦麦芽で作ったホワイトビールだそうです。

編集部員E
飲む前から香りがすごい! 苦み控えめでおいしい。私は好き。

編集部員F
ほんとだ~。バナナみたいな香りがしますね。

編集部員Y
ベルギービールの「ヒューガルデン」に似てる。

編集部員J
香りが強い分、食事は選んでしまうタイプかも。

編集部員A
同じく上面発酵で造られた「⑥ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エール」と比べるとどうですか?

編集部員Z
ヱビス華みやびのほうが小麦の香りがして飲みやすい。プレモル<香る>エールは、僕にはちょっとフルーティ過ぎでした。

【缶ビール⑪】アサヒスーパードライ

アルコール成分: 5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ、米、コーン、スターチ
カロリー:42kcal/100ml
価格(※): 207円(税込) /350ml缶

編集部員A
次は「アサヒスーパードライ」。辛口ビールの代表格ですよね。

編集部員J
あれ…飲みやすい。スーパードライってこんなに飲みやすいんでしたっけ。

編集部員E
私もびっくり。スーパードライって酸っぱいと思っていたけど、そんなことない。雑味のないクリアな味で、飽きずに飲み続けられそう。

編集部員Y
それこそ漫画『美味しんぼ』ではスーパードライの評価は低かったけど、今改めて飲むとやっぱりおいしいね。根強いファンがいるのも分かるよ。

編集部員Z
スーパードライも33年前の発売当初はもっと違う味だった気がします。少しずつ味をチューニングしているんでしょうね。

編集部員E
スーパードライは“おじさんが飲むビール”というイメージで今まで選ぶのを躊躇していましたが、偏見だったことを反省しました!

編集部員Y
食事に合いやすいという点でも優秀。刺身にも合うビールだと思う。

【缶ビール⑫】オリオン ザ・ドラフト

アルコール成分: 5%
原材料:麦芽(外国製造)、ホップ、大麦、米、コーン、スターチ
カロリー:42kcal/100ml
価格(※): 207円(税込) /350ml缶

編集部員A
次は「オリオン ザ・ドラフト」。私も好きなビールです。

編集部員J
僕も沖縄に行ったら絶対に飲みます。

編集部員Y
あんまり飲んだことなかったけど、フィリピンのサンミゲルビールと中国の青島ビールの中間みたいな味なんだね。味は薄くて軽めなんだけど、独特の香りがある。

編集部員E
そうですね。ベトナムとかタイのビールにも雰囲気が似てる。

編集部員A
そうそう。暑い日に汗かきながらゴクゴク飲みたいような、軽い味がいいんですよ。

編集部員Z
中華やアジアンフードのような甘くて辛い料理に合いそうですね。

【番外編】黒ビール3種

⑬キリン一番搾り<黒生>

DATA
アルコール成分: 5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ
カロリー:45kcal/100ml
価格(※): 207円(税込) /350ml缶
⑭ヱビス プレミアムブラック

DATA
アルコール成分: 5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ
カロリー:46kcal/100ml
価格(※):227円(税込) /350ml缶
⑮アサヒスーパードライ ドライブラック

DATA
アルコール成分: 5.5%
原材料:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、麦芽エキス、ホップ、米、コーン、スターチ
カロリー:45kcal/100ml
価格(※): 207円(税込) /350ml缶

編集部員A
最後に、そんなに種類はないですが、キリン、サッポロ・ヱビス、アサヒから出ている黒ビール3種を飲み比べてみましょう。

編集部員E
「キリン一番搾り<黒生>」はカラメルっぽい味が口に残ります。

編集部員J
ほんとだ。甘いものが焦げてる時の匂いがします。

編集部員F
「ヱビス プレミアムブラック」のほうが、香りも味も自然ですね。

編集部員J
うん、こっちのほうが飲みやすい。ヱビスなのに黒ビールは意外とドライなんですね。

編集部員Y
私は「ヱビス プレミアムブラック」より「キリン一番搾り<黒生>」の方が甘くて好き。

編集部員E
「アサヒスーパードライ ドライブラック」は、見た目は黒ビールですが、味的には普通のビールですよね?

編集部員Z
キレはあるけれど、黒ビール特有の風味やコクはあまり感じられませんね。

編集部員J
良くも悪くも黒ビールっぽくなくて飲みやすいです。食事には合わせやすいかも。
飲み比べてみて、わかったこと

今回15種類の缶ビールを20~60代の編集部員6名で飲み比べた結果、世代を超えて人気だったのが「サッポロ生ビール黒ラベル」。甘味、酸味、苦味、コクのバランスがピカイチでした。
そして編集部内で「アサヒスーパードライ」再評価の動きも! 筆者もこれまで「鉄っぽい」というイメージで敬遠していましたが、改めて飲むと1本筋の通ったクリアな味で、食中酒としても最高のビールであることがわかりました(スーパードライ、今までごめん)。
ビールの味も、人の味覚も、時とともに少しずつ変化します。飲み慣れたビールが今飲んで一番おいしいと思うビール、とは限らないようです。
ぜひ、皆さまもビールが少し安くなった今こそ、飲み比べしてみてください! あなたの推し缶ビールが今夜から変わるかもしれません。
【おまけ】おいしい缶ビールの注ぎ方は?
※記事中のコメントは個人の感想です。
※記事内の商品価格は、量販店で購入した際の税込価格です。
※この記事の情報は2020年10月28日時点のものです。
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編集部員A
まずはキリンの「一番搾り」から。麦のおいしいとこだけを搾った麦芽100%ビール、だそうです。