家飲み文化部④ 愛飲家必見「もっとお酒が好きになる名作映画」3選

お酒は長い歴史のある深い文化なだけに、製造の現場や愛好家たちの様子などが、映画でもしばしばテーマとなって取り上げられています。お酒のことを知ってその世界に浸るには、映画は格好の教材です。好きなお酒と一緒に楽しみたい、東西の注目作品をご紹介します。

ライター:まるまる
メインビジュアル:家飲み文化部④ 愛飲家必見「もっとお酒が好きになる名作映画」3選

ウイスキーの本場を映像で体感できる「天使の分け前」

2012年 英 監督:ケン・ローチ 出演:ポール・ブラニガン、ジョン・ヘンショウ、ウィリアム・ルアン、ガリー・メイトランド

スコットランドのグラスゴーで荒れた生活を送る若者がウイスキーと出会ってテイスティングの才能を開花させ、人生を立て直していくという物語です。

「天使の分け前」とは熟成期間中に樽から蒸発して失われていくウイスキーの成分のこと。主人公が人生一発逆転のためにとる行動は日本人的には理解できないという人も多くて賛否両論なのですが、一貫してイギリスの労働者を描き続けてきたケン・ローチ監督にとっては、この映画のオチは階級社会の英国における正当な「分け前」なのだということなのかもしれません。

劇中にウイスキー評論家として出演しているのは、世界的なウイスキー評論家チャーリー・マクリーン氏本人です。氏がモルトをどのように言葉に表現するか、試飲会やオークションにあつまる人々の雰囲気、そしてモルトを生み出すスコットランドのヒースの丘の景色、これらを存分に疑似体験させてくれるのが、ウイスキーファンにとっては嬉しい限りです。スコットランドの国民的清涼飲料水である「アイアン・ブルー」が、ストーリーを左右する重要な小道具として出てきます。
《飲んでみました!》
《飲んでみました!》
主人公のロビー(ポール・ブラニガン)が、エジンバラのウイスキー試飲会でブラインドテイスティングにチャレンジする場面。出題されたシングルモルトをひとくち飲んだロビーが、選択肢として銘柄を二つあげます。そのひとつがクラガンモア。花やハーブといった複雑なアロマが次々と顔を出してくると称される、華やかでウイスキーの楽しさに満ちたモルトです。映画でロビーは二者択一を正答しないのですが、本当は正解が判っているのに、試飲会の場の雰囲気を読んでわざと外したようにも見えます。

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