刺身を自分で作りたい! 三枚おろしを習ってやってみました

家飲みのアテに最高な刺身を自分で作ってみたい!ということで「さかなおろし教室」でアジの三枚おろしを学んできました。

ライター:nonnon
メインビジュアル:刺身を自分で作りたい! 三枚おろしを習ってやってみました

予約20人待ち! さかなおろし教室は大盛況だった!

主催しているのは仲卸業を営む島津修さん
主催しているのは仲卸業を営む 島津修さん
酒飲みたる者、自分でおろした刺身で一杯やってみたい…。そんな思いを携えて、取材させてもらったのは台東区浅草橋にある「築地お魚くらぶ」。仲卸業を営む島津さんがもっと魚を美味しく食べてほしいという思いから始めたもの。口コミ等で評判が広まり、今ではキャンセル待ち続出の人気教室に。 三枚おろしを習う「きほんのき」や三枚おろしが反復練習できる「千本ノックの会」「5枚おろしの会」「旬の会」などクラスはいろいろ。今回は初心者向けの「基本のき」に参加しました。 参加したのは日曜日の朝10時の回でしたが、受付開始と同時に予約が埋まり、参加した回でもキャンセル待ちが20人いたとか。参加者は8人で、若い女性や主婦、そしてこの日は小学生の男の子もいました。リピーターも多く、今日が3回目の参加という人も。三枚おろし、手ごわそうで早くも不安です…。

簡単なように見えて難しい魚のあつかい

包丁・まな板など道具は用意してくれます
包丁・まな板など道具は用意してくれます
調理のアジは1人2尾ずつ
調理のアジは1人2尾ずつ
持参するのはエプロン、布巾、持ち帰り用の容器など。包丁などの調理道具は用意してくれます。 1人2尾ずつの大ぶりのアジが支給され、いざ、調理へ。

まず、教室を主宰する島津さんがひと行程ずつお手本を見せてくれます。 後の方の人は見えにくいので、手元の画像は壁に設置されたiPadでも確認できます。ホワイトボード使いながら、魚の構造についても説明してくれます。内臓があって、中骨はどこか、ということを理解しているほうがキレイにさばけるというわけです。しかしながら、分かったようで分からないまま(私だけだと思いますが)実践へ入ります。

魚をさばくのは初めての経験。緊張で包丁をにぎる手も若干こわばりがち。 頭を落とす作業も、腹側に包丁を入れて内臓を取り出す作業も「これで合ってる?」と心細くなりながら、周囲の人の手元を見ながらおそるおそる進めました。
先生(島津さん)回って来て、分からないところは手取り足とりで教えてくれます
先生(島津さん)回って来て、分からないところは手取り足とりで教えてくれます
手順としては
①うろこを取る
②頭を落とす
③内臓と取って洗う
④身を切り離して二枚おろしする
⑤中骨がついた身をを同じように切り離し三枚おろしにする。
というのが基本。書いてみると簡単そうですが、これがなかなか…大変でした。

これは三枚おろし? その差は歴然

まな板の端に魚を置き、まな板と自分の距離をあけるのが包丁を上手に動かすポイント
まな板の端に魚を置き、まな板と自分の距離をあけるのが包丁を上手に動かすポイント
三枚おろしはまずは腹側に包丁を入れ、続いて背側に包丁を入れ中骨に当たった感覚があったらそのまま包丁をすすめて切り離します。 これで二枚になり、続いては背側→腹側という順番で同じように行うと三枚おろしが完成。 まずは、島津さんに手伝ったもらいつつ一通りやり、2尾めは自分の力のみでやってみます。
その結果がこちら。
右側が自力でやったもの。手伝ってもらった左側と大きさが一回り違います
右側が自力でやったもの。手伝ってもらった左側と大きさが一回り違います
自分でやった方は包丁を入れる角度が間違っていたため、だいぶ骨に身がついてしまい、中おち状態に。比べてみるとその差は歴然(※もとの魚の大きさは同じです) 。己の不器用さにかなりガッカリしましたが、隣の女性はリピーターで自宅でも何度もやったけれど、まだ分からないことがあると通っているそうです。 島津さんいわく「アジは難しい魚。これがおろせたら大体はできます」そうです。確かに簡単ではありませんでした…。

今回はお刺身にするために皮をひき、切り分け、盛り付けするところまでが一通りの流れ。お手本の盛りつけをみながら、銘々、お皿を選び盛りつけ作業をします。
皮をひいたものを縦3等分に切り分けます
皮をひいたものを縦3等分に切り分けます
さらに細かく切ってあじのたたき風になりました
さらに細かく切ってあじのたたき風になりました

完成品は…意外とイケてるかも?

アジの刺身、骨でだしを取った潮汁、焼き魚(鰆)ご飯の定食になりました
アジの刺身、骨でだしを取った潮汁、焼き魚(鰆)ご飯の定食になりました
完成までおよそ2時間。2尾のアジをおろし、1尾は持ち帰り、もう1尾をお刺身になりました。 その完成品がこちら。教室ではお刺身の他、ご飯、アジの骨でだしを取った潮汁、焼き魚(この日は鰆)を用意していただき定食スタイルで試食しました。 こうして盛りつけると、なんとか形になっているようにも見えますが、やはり不格好ですね。いやー難しい。 もちろん素材がいいので味は抜群ですし、自分で作ったお刺身はおいしさもひとしおです。

でも、「基本のき」とは言いつつも一朝一夕にできるものではないなと感じました。 繰り返し練習することが必要!と、自宅でもやってみることに。

習ったことは活かせるか? 自宅で実践

本文教室での記憶とメモを頼りに自力での三枚おろしに挑戦してみます。教室で教わったとおり、内臓取り除く行程までは、まな板に新聞紙を敷いて行います。


① うろこをとる

包丁の背を使ってうろこをとります。「ぜいご」(尾の近くにある硬いうろこ)取るとういのが一般的な手順のようですが、教室は取らずに進めたのでその方式でやってみました。
包丁の背を使ってうろこを取ります
包丁の背を使ってうろこを取ります

②頭を落とす

包丁の背を身に当てて、尾の方から頭向けて動かしていくと、包丁が引っかかる場所があるのでそこで止めます。ここが頭を落とす位置なので、軽く包丁を入れます。さらに裏返し、反対側からも包丁を入れて頭を切り落とします。
尾の方から包丁の背を滑らせ、止まる場所が包丁を入れる目安
尾の方から包丁の背を滑らせ、止まる場所が包丁を入れる目安
軽く切れめを入れてから深く包丁を入れます
軽く切れめを入れてから深く包丁を入れます

③内臓を取りのぞく

肛門から頭の切り口まで腹を切り開き、内臓を取り出します。 内臓と頭は新聞紙に包んで捨てます(このあとは新聞紙は敷かずに行います)。内臓を取りだしたたアジを、水で洗い流します。
内臓を取り出す
真水で洗い流す

ここがポイント!
塩水で洗い流したら、生臭みの原因になる水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取ります。ここまでの下処理が大切でこれで味が変わってくるんだそうです。


④二枚におろす 

尾を左に向け頭の切り口から尾のつけ根まで一本の線を引くように浅めに包丁を入れます。さらにその線にそって 深く包丁を入れます。中骨に包丁が当たっているのを感じながら尾の付け根まで切ります。

背側も同様に一度線を引くように浅めに包丁を入れてから 深く入れて切り離します。これで二枚おろしになります。
腹側に線を引くように切れめを入れます
腹側に線を引くように切れめを入れます
背側も同じように軽く切れめを入れます
背側も同じように軽く切れめを入れます
中骨にあたるまで包丁を深く入れます
中骨にあたるまで包丁を深く入れます
線に沿って深く包丁を入れ身を切り離します
線に沿って深く包丁を入れ身を切り離します
これで二枚おろしの状態
これで二枚おろしの状態

ここがポイント!
教室でも何度も注意されたのが、まな板との距離。 まな板と自分の身体が近いと手が縮こまって包丁を上手く動かせないそうです。刃渡りを長く使うためには、まな板に近づきすぎず距離をあけること。これで包丁が動かしやすくなります。


⑤三枚におろす

中骨がついている側を同じように切り分けます。今度は背側⇒腹側の順番で身を切り離します。
包丁を深く入れて身を切り離します
包丁を深く入れて身を切り離します
これで三枚下ろしの完成。
包丁を入れる角度がいまひとつだったので骨に身がついてしまっています…残念。骨ギリギリに沿わせるようにすると、もう少しきれいにできるのですが、練習が必要そうです。
三枚おろしの完成。包丁を入れる角度が浅かったので たくさん付いてしまいました
三枚おろしの完成。包丁を入れる角度が浅かったので たくさん付いてしまいました


⑥腹骨を取る

包丁を寝かせるようにして腹骨をそぎとります。
腹骨を取る


⑦皮を引く 

フライなどにする場合は皮がついたままでも大丈夫ですが刺身用にするので皮も剥がします。 頭側の皮は簡単にめくれるので、包丁を使って少しめくります。皮の面を下にして包丁の背をあてて、もう片方の手でめくれた皮をつかんで、包丁を一気に動かします。
皮をめくる
皮を引く


⑧たたきにする  

皮を取った身を3分割して、真ん中の骨や血あいがある部分は捨てて。両側を使います。細かく切って叩き風に仕上げました。
たたきにする

 

アジのたたきができました!

アジのたたき
いちから自分でやった完成品がこちら。うろ覚えの部分もあるので、教室の手順と違うところ多々あると思いますが、なんとかできました!  中骨に身がついてしまったので出来栄えは30点というところでしょうか。でも、練習すればなんとかなるかもという感触はつかめました。 一尾を買って自分でさばく楽しみは、中骨を潮汁にしたり、骨せんべいにするなど丸ごと味わえること。ぜひ、試してみてください。

取材協力:築地お魚くらぶ http://osakana-club.com/ 

※記事の情報は2018年12月30日時点のものです。
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