コンビニおでん出汁割り頂上対決! お手軽出汁割りで至福の時

おでんがおいしい(恋しい)季節。コンビニのおでんで出汁割りを作って飲み比べてみました。コンビニ出汁割りなら、家飲みで気軽に楽しめます!

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日本酒を、おでんの出汁(つゆ)で割って飲む「出汁割り」。一度出汁割りのうまさを知ってしまうと、この季節、おでんを食べるから出汁割りを飲むのか、出汁割りが飲みたいからおでんを食べるのか分からなくなるぐらい、出汁割り欲が湧いてきます。出汁と酒が渾然一体となった祝祭的な味覚、出汁割り! さて、今日は出汁割り飲むぞ-(真っ昼間から)。

コンビニおでん、お出汁の個性は?

さっそくセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートに足をはこび、出汁たっぷりめでおでんを購入。コンビニおでんをぶら下げて、別のコンビニでまたおでんを買うという、一見ナゾの行動を二回繰り返し、テーブルに並べてみました。出汁割りに使う酒といえば、お安いカップ酒なんかいい感じですが、今回は、なぜか編集部の冷蔵庫に眠っていた白鶴「まる」を使うことに(これいつからあるんだろう…でももったいないですからね)。
コンビニ3社のおでん

実はこの企画を考えた時には、「ほんとにそんな違いが生まれるの?」という危惧があったのです。しかしながら、実際にこうして並べてみると三者三様。出汁の色にも違いがあるようです。さて、まずは、肝心の出汁だけを味わって見ましょう。出汁だけすくって並べてみましたが、やはり色の濃さに結構違いがありますね。
 
コンビニ三者のおでんの出汁
右からセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート。
●セブンイレブン
さすが、コンビニおでん発祥店だけあって、バランスの取れた旨みです。三者の中では一番、昆布の出汁が強く感じられました。

●ローソン
三者の中では、一番色も濃く、味も濃いめ。醤油の味がしっかりしていて関東風。これが一番好き、という関東・東北人は多いかも。

●ファミリーマート
見た目も一番あっさりしていて、味も柔らかい。飲み込んだあとに旨み成分がじわーっとくる。上品ですね。

三者とも、想像していた以上の個性が感じられて、出汁割り対決がますます楽しみに。さて、はやる心を抑えながら、白鶴「まる」のキャップを外します。そしていざ出汁割り!

出汁割り頂上対決!

出汁割り三者
出汁割り勢揃い。これも右からセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート
いよいよ「出汁割って」みましょう。出汁割りの酒と出汁の比率ですが、一般的には「酒1に出汁3」というのが黄金比と呼ばれているようです。個人的には、もう少しお酒濃いめが好みなので、「酒1:出汁2」という酒飲み仕様で飲み比べました。

●セブンイレブンの出汁割り
出汁だけの時も一番バランス良く、安定感がありましたが、出汁割りにしてもその印象は変わらず。バランス良く、おいしいです。酒の風味と旨みがうまくマッチしてこれぞ出汁割り、という感じ。今回の対決の良い基準になりました。

●ローソンの出汁割り
三者の中では一番「しょっぱい」ローソン。出汁割りを一口含んで最初に感じるのが「酸味」。酒の辛さと醤油の塩気で酸味が生まれた? これはこれでクセになる味かもしれません。醤油味で煮込むおでんの発祥にはいくつか説があるそうですが、その一説には、江戸時代後期、江戸近郊の銚子や野田で醤油造りが盛んになり、そこから醤油で煮込んだおでんが生まれたとも言われているようです。それが事実なら、醤油が勝ったローソンのおでんは正統派なのかも。

●ファミリーマートの出汁割り
一番柔らかなファミリーマート。結構期待しながら飲んでみたのですが、出汁と酒の渾然一体感というより、出汁が酒に負けている感じがしてちょっと物足りない。出汁割りには、出汁そのものの「パンチ」がある程度必要なのでしょう。もう少し酒の割合を薄めるとちょうど良いバランスが見つかるかもしれませんね。予想では、主張がすくなく柔らかいファミマの出汁は、日本酒を邪魔せずアシストしてくれそうな感じがしたのですが、ちょっと違ったようです。

さて、対決の総評(あくまで個人の感想ですよ)。

コンビニおでんの出汁割り、完成度の高さでいえば、一番はセブンイレブンでしょうか。バランスの取れた出汁の旨味と、邪魔せず圧倒せずのほどよい存在感が日本酒とマッチして美味しかったです。そして、のんべえ感覚の満足度から言えば、ローソンかな、と。醤油を感じる出汁のパンチと、経済酒のいかにもな日本酒っぽさがガチでぶつかり合い、なかなか刺激的です。がっつり熱いやつ飲んでみたい。ファミリーマートは、上品さゆえに酒に負けてしまった印象。酒の量を控えめにして「出汁に酒の風味をつける」程度の割り方をすれば美味しくいただけるのではないかと思いました。いや、なかなか楽しかった。コンビニおでんの出汁割り、結構イケますよ。

ついでにおでんもつまんでみた

コンビニ三社のおでん(大根)
右から、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート。見た目はさほど変わらず。
やはり出汁割り、うまいなあ。せっかくなので副産物(?)のおでんも食べ比べてみます。大根味比べです。

●セブンイレブン
昆布だしがきいていて、ほっとする味。やはりセブンイレブンはおでんの優等生ですね。まさしく分かりやすく、おでんの大根。

●ローソン
三店の中ではちょっとクセのある大根です。というより他がクセがなさ過ぎるのかも。大根らしい苦みが感じられて、料理としてはこれはコレで美味しいと思いました。

●ファミマ
ひたすら上品、柔らかい…のに出汁感が濃い。セブンの場合はあきらかに昆布の香りを感じるのですが、ファミマは、何とは言いがたい、いろいろ混ざった複雑な「うまみ」を感じます。おでんというより「和食」といった風情かなー。

コンビニおでんも各社長い歴史を経てきているので、それぞれかなりの工夫が感じられますね。正直、いろいろ違いはあれど、どれも美味しかったです。出来の良い出汁ですべてを支配するセブンイレブン、うまい出汁と素材のマッチングを探るファミリーマート、そして、一人我が道「おれんちのおでん」を追求するローソン、そんな印象でした。

飲むおでん、出汁割り!

しかし、出汁割り、うまいですね(しつこい)。おでんに燗酒というのは、昔ながらの定番中の定番ですが、この組み合わせを酒にしてしまってまずいわけがない。この出汁割りのうまさの秘密はなんなのでしょうか。一説によると、日本人が感じる様々な味の中で、日本酒に唯一含まれていないものが「塩気」なのだそうです。出汁を入れることで塩気がプラスされ、甘味、渋み、苦みといった日本酒ならではの味が引き出されるのだとか。

これからどんどん寒くなる一方、ますますおでん、燗酒、出汁割りのありがたみが増してきますね。そういえば、 今回は試しませんでしたが、出汁割りに七味唐辛子をささっと入れてアクセントをつけるのも 定番の楽しみ方ですね。ゆずこしょうをちょっと溶かし入れて、なんていうのもも良さそうです。出汁割りは、日本酒の究極の味わい方、まさしく「飲むおでん」です。さっそくコンビニに走って、カップ酒とおでんを買ってみてはいかがでしょう? すぐに素敵な出汁割りライフが楽しめますよ! ただし、塩分取り過ぎにはご注意を。

※記事の情報は2018年11月13日時点のものです。
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