謹賀新年。本物のお屠蘇はこれだった

お正月といえばお屠蘇(おとそ)。でも実はほとんどの日本人がお屠蘇といいつつ、日本酒で「間に合わせている」というのが現状。では、本物のお屠蘇って? どうやって作る? その味は? あなたの知らないお屠蘇の真実、お教えします!

メインビジュアル:謹賀新年。本物のお屠蘇はこれだった
皆様、新年、明けましておめでとうございます。
本年もイエノミスタイルをよろしくご贔屓のほど、お願い申し上げます。
元日の家飲みといえば、もちろん「お屠蘇(とそ)」ですね。でも、元日に飲む日本酒を特別に「お屠蘇」と呼んでいるんだ、と思っている方、いませんか?以前は私もそうでした。実は、お屠蘇と日本酒は別物なんです。そのあたりの事情は、昨年の元日の記事にもなりましたので、コチラをまず読んでいただくとして……。→「謹賀新年。新春の家飲みはじめはおとそ?」
 

これがお屠蘇だ!

屠蘇散と酒みりん
屠蘇散に、日本酒、みりん。コレでお屠蘇ができあがる。
さて、本年はついに、その「本物のお屠蘇」を作ってみた、飲んでみた、リポートをお届けします。
本物のお屠蘇は、日本酒とみりんに各種の生薬を溶け込ませた飲み物。こいつを三が日の朝っぱらから飲んで一年の健康をお祈りしようというものです。その生薬の中身とは、桂皮、山椒、陳皮、桔梗、大茴香、丁字、浜防風(いろいろバリエーションはあるようです)。これをティーバッグのようにしたものが売られているのです。その名も「屠蘇散」。この生薬バッグを、日本酒+みりんに浸けて数時間、お屠蘇ができあがります。
 
屠蘇散
屠蘇散バッグは、こんな可愛くめでたい小袋に守られている。

 

お屠蘇をつくる

お屠蘇を日本酒に浸す
みりん+日本酒+屠蘇散。数時間待つ。
日本酒は、イエノミスタイル編集部に隠してあった宮城県男山本店の特別本醸造「蒼天伝」と言うお酒。精米歩合60%の辛口です。みりんは、そのまま飲用にもおすすめという触れ込みの、愛知県角谷文治郎商店「三州三河みりん 純もち米仕込」。屠蘇散は立石春洋堂というメーカーの「屠蘇 大型 2包入 」を使用。屠蘇散もamazonで眺めるに、数社から出ている模様です。

作り方はいたってカンタンです。まず、日本酒とみりんを適当に合わせて計1合を用意します。特に決まった配合はないようなので、味見をしながら柔らかい甘味を感じる程度にしてみました。日本酒3に対してみりん1ぐらい。そして適当な容器に入れます。今回は色がよく見えるようにおおぶりなグラスを使用。どぼどぼ、日本酒+みりんをグラスに入れまして、ここに、屠蘇散1パックをポチャン。これだけです。だいたい6~7時間ぐらいが目安だそうで……。
 

屠蘇散バッグ解剖

屠蘇散バッグの中身
いろいろ入った屠蘇散バッグ。良い香り。
屠蘇散は2包入っていたので、あまった1包を解剖してみました。木の葉や実らしきもの、樹皮みたいな物が細かくなって混ざっています。香りは、うーん、確かに漢方薬っぽい…… 身近なものでいうと、龍角散? 指にくっつけて舐めとってみると、予想通りのザラザラ感、さらに奥歯で噛んでみると、独特の苦みと酸味、わずーかに甘味も…… 出てきました。そしてしばらく噛んでいるうちに、微妙に舌がシビれてきます…… こりゃ、効きそうだぞ。ちなみにこのシビれは数時間たっても後を引いて変な気分でした。まぁ、食べるもんじゃないですからね。
 

お屠蘇を飲む

できあがったお屠蘇
お屠蘇できあがり。トロッとしている。
さて、時折気になってフリフリしながら、約7時間、できました。実際、記事を書いているのは年末なもので、元旦に縁起の良いお屠蘇を、その前に飲むなんてちょっと気がひけるというかなんというか。バチでもあたったら困るぞ、と腰がひけつつ、ガラスの杯に注いでみます。色、きれいですね。琥珀色は屠蘇散を浸ける前より少し濁ってきたかも。香りは、甘いみりんの香りに爽やかな生薬感。一口飲んで見ると……。日本酒の酸味、生薬たちの複雑な苦みや香りをみりんの甘味が包み込んでいる。なかなか面白い味。屠蘇散原料の中の桂皮はいわゆる「ニッキ」ですが、これがまたニッキ飴みたいな感じ醸し出していてウマい。龍角散のど飴からハッカ風味を引き算して液体化させたもの? ちょっと変わった香りのする甘い紹興酒? マデラ酒っぽくもありますね。そうたくさん飲める物ではありませんが、お正月の寝起きにこの一杯なら、バッチリ元気がでそう、なかなか美味しいです。たまたまオフィスにいた仲間たちにも試しに飲んでみてもらったところ「おいしい」「洋酒っぽい」と好評でした!
 

作法もあります

屠蘇器
これが屠蘇器。
日本古来のお屠蘇。今回は作法もへったくれもなく、ぐいぐい行ってしまいましたが、本来は飲む作法ももちろんあります。使用する酒器は「屠蘇器」と呼ばれるもので、三段重ねの朱塗りか白銀の平杯を使い、細い注ぎ口の銚子から注ぎます。3つの平杯を順番に使って、計3杯飲むというのが正式なお作法なのだそうです。同じ酒気を使い回しながら、一番の若年者から年長者の順に飲んでいきます。

今日はもう元日ですから、間に合わないとしても、来年のお正月は、年末に作り置いた「本物のお屠蘇」で「家飲み初め」は如何でしょう?イエノミスタイルは本年も飽きずに「家飲み」の可能性追求してまいります。なにとぞよろしくお願いいたします。


※記事の情報は2019年1月1日時点のものです。

この記事をシェアしよう!

この記事が気に入ったらフォローしよう!