ワイナリー&ワインフェスに行こう

気持ちのいい季節になりました。この時期のワイナリーは新緑につつまれます。お休みの日に緑豊かなワイナリーに出かけてみませんか? 山梨や長野には東京から楽々日帰りできるワイナリーがたくさんあります。新潟や山形のワイナリーも新幹線でらくらくアクセスできます。また、5月~6月はワイナリーでのイベントやワインフェスが多い時期です。
今回は、酒文化研究所が毎月おこなっている【酒好きほぼ百人に聞くアンケート“酒飲みのミカタ”】から、魅力的なワイナリーとワインフェスをご紹介します。

メインビジュアル:ワイナリー&ワインフェスに行こう

ワイナリー訪問の魅力は「試飲」「つくりの様子がわかる」「お買い物」

回答いただいた方は「ワイナリーに4回以上行ったことがある」が46%を占め、「2~3回訪ねたことがある」(27%)を合わせると75%にのぼりました。酒好きというだけでなくワイナリー訪問のベテランです。アンケート結果には、そんな方の意見が色濃く反映されています。

では、まずワイナリー訪問の魅力から見ていきましょう(グラフ1)。選択肢からあてはまるものをいくつでも選んでもらったところ、第1位は「ワインを試飲できる」が71%と圧倒的に高く、2番目に多かった「ワインづくりやブドウ栽培の様子がわかる」(55%)に16ポイントも差をつけました。ワイナリーもほかのお酒と同様に、工場訪問の一番のお楽しみは試飲ができることのようです。ワイナリーは公共交通でアクセスしにくいところも多いので、訪ねる時にはタクシーを利用したり、ハンドルキーパーを決めたりするなど、準備をお忘れなく。

以下、「ワイナリーのショップで買い物を楽しめる」(49%)、「ワイナリーのこだわりがわかる(47%)」、「ワインのつくり手の熱意を感じる(45%)」、「レストランやカフェで食事や喫茶を楽しめる(36%)」、「緑が豊富で気持ちいい(27%)」と続きました。ワインづくりやブドウ栽培の特徴がわかることを魅力だとする方は多いのですが、ワイナリーで食事を楽しんだり、買い物したりすることも同じくらい大切な要素であることがわかります。
アンケートグラフ
ワイン試飲コーナー
試飲はワイナリー訪問の一番の楽しみ(タケダワイナリー 山形県上山市/2016年7月撮影)
ルミエールワイナリーのショップ
買い物の楽しみ。ショップを充実させるワイナリーが増えている(ルミエールワイナリー 山梨県笛吹市/2015年4月撮影 )

サントリー登美の丘ワイナリーが知名度&訪問経験率No.1

次に酒文化研究所がおすすめする訪問して楽しいワイナリーについて、認知と訪問経験の有無を質問しました(グラフ2)。
ワイナリー認知率と訪問率グラフ
知名度と訪問経験率がともに最も高かったのはサントリー登美の丘ワイナリー(山梨県)でした。認知率は6割、訪問経験者は3割を超えています。東京都心から2時間でアクセスできること、見学プログラムやショップが充実していること、古くから自社でブドウ栽培を続けてきたこと、国内外のコンテストで入賞を重ねていることなどが理由でしょうか。アクセスはJR甲府駅からタクシーで30分もしくはJR竜王駅からタクシーで15分です。火曜と水曜が休業日ですので訪問される際にはご注意ください。
サントリー登美の丘ワイナリー入口
サントリー登美の丘ワイナリーは見学コースも充実 要予約(山梨県甲斐市/2013年8月撮影)
ブドウ畑と甲府盆地
サントリー登美の丘ワイナリーからは甲府盆地を一望できる(2013年8月撮影
認知率の第2位は余市ワイナリーで55%でした。北海道の余市町は隣接の仁木町とともに近年ワイナリーが続々と誕生しています。日本清酒(札幌市)が経営する余市ワイナリーだけでなく、余市周辺のワイナリーを捉えて「知っている」と回答された方もあったかもしれません。余市ワイナリーはレストランとショップを併設し、毎日営業していますが、小規模な家族経営のワイナリーの多くはショップを週末だけしかオープンしていないか、通常は一般の方を受け入れていません。訪問前に必ず受け入れの可否をご確認ください。
余市ワイナリー
余市ワイナリーはレストランを併設。自慢のワインと料理のペアリングを楽しめる(北海道余市町/2016年3月撮影)
認知率3位のシャトー・メルシャン・ビジターセンター(山梨県)は訪問経験率が31%とサントリー登美の丘ワイナリーと並びます。勝沼エリアの中心的な存在で、ここを拠点にした近隣のワイナリー巡りはおすすめです。地元のタクシー会社が用意するワイナリー訪問の定額プランもあり、4人でならリーズナブルに利用できます。タクシーはドライバーが試飲を我慢することなく全員で楽しめるのがいいですね。
シャトー・メルシャン・ビジターセンター
シャトー・メルシャン・ビジターセンターはツアーが充実、ショップとカフェがあるほか、近くに勝沼でのワインづくりの歴史を学べるワイン資料館がある(山梨県甲州市/2015年4月撮影)

知っているワインイベントは「日本ワインまつり」が第1位

知っているワインイベントの質問では、先日、日比谷公園で開催された「日本ワインまつり」が33%でトップでした。僅差で「甲州市かつぬまぶどうまつり」が続きます(31%)。これは毎年10月初旬に勝沼中央公園グラウンドで開催される甲州市産のワインを楽しむイベントです。ワインブースのほかたくさんの模擬店が出店して賑わいます。第3位は「サントリー登美の丘ワイナリー新酒まつり」で、例年、11月初旬に開催されています。
ワインイベント認知度グラフ
グラフでは5月~6月に開催されるものをピンクで示しました。塩尻ワイナリーフェスタ(5/18~5/19)は塩尻のワイナリーを巡回バスで巡る催しで、普段、一般公開していないワイナリーも多く参加します。ただし残念ながら今年のチケットは完売。参加したい方は来年に期待してください。例年チケットは3月に発売されますので、サイトをこまめにチェックしてください。
ブドウ畑でピクニック
塩尻ワイナリーフェスタはワイナリーを巡り歩くもよし、ブドウ畑でピクニックもよし(2015年5月撮影)
トラクターツアー
五一ワインではトラクターに乗ってのブドウ畑ツアーもある(2015年5月撮影)
サントリー塩尻ワイナリー
ふだんは一般公開していないサントリー塩尻ワイナリーもこの日は見学できる。(2015年5月撮影)
注目の北海道産ワインが揃うのは「さっぽろライラックまつりワインガーデン」です。札幌の中心部にある大通公園7丁目会場で5月16日~26日まで開催されます。北海道はさわやかで気持ちのいい時期です。どうぞお出かけください。
さっぽろライラックまつりワインガーデンの試飲コーナー
さっぽろライラックまつりワインガーデンでは、北海道産の主なワインをひと通り試飲できる(北海道札幌市/2018年5月撮影)
これまで7月に開催されてきた「やまがたワインバルinかみのやま」は、今年はひと月早く6月8日(土)の開催です。山形県のワイナリー及び山形県産のブドウを使用しているワイナリーが一堂に集います。上山城に向かう道沿いにワイナリーや地元の飲食店のブースが並びます。
やまがたワインバルinかみのやま
やまがたワインバルは町をあげてのイベントになった。ワインを楽しんでかみのやま温泉に泊まるのがおすすめ(2016年7月撮影)
ワイナリーのブース
山形県内のワイナリーのブースが軒を連ねる。この時出会った方々の7~8割は山形県内からだった。(2016年7月撮影)
「蔵出しワインバーin甲府」はJR甲府駅前の広場に山梨県内の30を超えるワイナリーが集まります。ワイン生産者も多く来場するので、いろいろなつくり手の話を聞きながら楽しめます。駅前なのでアクセスしやすいのもうれしいところです。

日本ワインブドウの父といわれる川上善兵衛が開設した「岩の原葡萄園」は、5月25日(土)と26日(日)の2日間、樽出しワインやおいしい料理とのペアリングを体験できる「岩の原ワインバル」を開催します。期間中はJR上越妙高駅からワイナリーまで送迎バスもあるそう。ワイナリーの公式サイトで事前にチケットを購入しての参加がスムーズです。
岩の原葡萄園
岩の原葡萄園はショップとレストランを併設するほか、ブドウ畑、石蔵、川上善兵衛記念館など見どころが豊富(新潟県上越市/2019年3月撮影)
ワインの試飲コーナー
ショップではいくつものワインを試飲できる。(2019年3月撮影)

一緒に行くなら「パートナー」や「友人と」

最後に誰と一緒にワイナリーに行きたいかをお聞きしました(一択)。もっとも多かったのは「パートナーと」で32%、ほぼ同数で「友人と」(31%)となりました。「家族で」という方も23%あり、ワイナリーは幅広いシチュエーションで楽しまれていることが窺われます。セミナーや見学ツアーが準備されていることが多いので、独りで訪問して好みのプログラムに参加するのもおすすめです。マイペースでいい時間を過ごせるはずです。
ワイナリーに誰と行きたいかグラフ

調査概要
調査時期:2019年4月19日~4月23日
調査方法:インターネット自記入式アンケート調査
対象:酒文化研究所モニターなど酒好きな方
有効回答:124

※記事の情報は2019年5月9日時点のものです。

  

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