塩辛のめくるめく世界・定番おつまみ塩辛はここまで来ていた!

日本酒の超定番おつまみとして君臨する「塩辛」。塩辛の聖地と呼ばれる専門店「駿河屋嘉兵衛」を東京秋葉原に訪ね、定番塩辛からユニークなオリジナル塩辛まで7種をゲット。秋の夜長に、塩辛ワールドの奥深さを堪能しました!

メインビジュアル:塩辛のめくるめく世界・定番おつまみ塩辛はここまで来ていた!

塩辛の聖地に突撃

サブカルチャーの聖地、秋葉原。実はこの地にもう一つの聖地があった! その名も「駿河屋嘉兵衛」というお店。塩辛の聖地です! さっそく訪ねてみましょう。

JR秋葉原駅の電気街口を出てすぐの高架下にある、食のセレクトショップ「CHABARA AKI-OKA MARCHE(ちゃばら あきおかマルシェ)」。駿河屋嘉兵衛さんはその中にあります。
駿河屋嘉兵衛売り場
駿河屋嘉兵衛ちゃばら店。ずらりならんだ塩辛は壮観!
売り場の冷蔵棚の中には、これでもかと塩辛の小瓶がならんでいます。そのラインナップを合わせると実に60種にも及ぶそうです。当然使用する食材も多彩で、イカはもちろん、タコ、カニ、ツブ貝、エビなど様々です。

塩辛のバラエティにくらくらしながら、すべての商品の開発を手がけた店長さんにお話を伺いました。塩辛マスター、渡辺悠さんです。塩辛一筋というので、ガンコそうな親父さんを想像していたのですが、現れたのは、なんと爽やかなイケメンでした!
 
渡辺さん
すべての塩辛の開発を手がける渡辺さん

そもそも塩辛とは?

塩辛はとっても身近な存在ですが、よく考えるとその定義はよくわかりません。まずは、塩辛の定義、本質をあきらかにしておきましょう。

ーーーこちらでは、いろんな塩辛がありますが、そもそも塩辛の定義ってなんですか?

渡辺:はい、いろんな定義の仕方があると思うのですが、私の定義は「加熱せず、塩をして寝かせることによって旨味を増した食材」です。魚介類なら、身にワタをまぜて塩をし、寝かせます。すると、ワタの中に入っている色んな酵素によって、身が発酵してきます。それが生の状態にはなかった旨味をかもしだして、おいしくなるんです。

ーーー塩をして発酵させる……漬物と同じですね。

渡辺:そうですね、言ってみれば漬物も塩辛の一種なんですよ(笑)。

ーーーなるほどー(笑)。塩辛って、いつごろからある食べ物なんですか?

渡辺:歴史はずいぶん古いと思いますが、はっきりしないんです。古代の中国には動物の肉を塩辛と同じ方法で保存する技術がありました。それがやがて日本にも渡ってきて、塩辛になったのではないかと思っています。

ーーー製法はとてもシンプルなので、世界中に似たような食べ物がありそうですね。

渡辺:そうです。アンチョビとか、臭いので有名な北欧のシュールストレミングなんかも塩辛の一種といって良いでしょう。

ーーー食材としての塩辛のおもしろさとは?

渡部:オールマイティに色々使えるところですね。ご飯や日本酒など「お米」にも合うし、パスタによし、ピザによし、調味料としても使えます。食の世界を広げてくれるものだと思います。

家飲み用塩辛を選ぶ!

塩辛の棚
さて、いよいよ家飲み用の塩辛を選んでまいりましょう!渡辺さんに相談しながら購入したのは7種類。

定番のイカの塩辛を3種。さらに、サバの塩辛、シラスの塩辛、そしてワインと相性抜群というガーリックオイル漬けにしたアサリの塩辛やチーズを使ったイカ塩辛です。
購入した塩辛
今回は、この7種を購入!

塩辛大試食会!

しおからたち
コレ、ぜんぶ塩辛です!
さて、さっそく編集部のみんなと塩辛パーティです。お酒は長野の生酛造りの本醸造、他に甲州ワインの白と、この日解禁されたばかりのボジョレー(赤)を用意しました。まずはオーソドックスにイカの塩辛です。イカの塩辛には大きく分けて「赤作り」「白作り」「黒作り」の3種類があります。それぞれ頂いてみます。

イカ塩辛赤作り「嘉兵衛 暁」

イカ塩辛赤作り
オーソドックな、イカの塩辛「赤作り」
赤作りは、イカの胴身、げそなど全身の肉をつかいます。皮も剥かず、塩とキモで熟成させたもの。見た目もその名の通り赤っぽいですね。今回購入したのは、通常品の赤作りよりも、長期間寝かせたスペシャル版です。
渡辺さんコメント

渡辺さんコメント

イカをすこし干して旨味を凝縮させ、たっぷりのワタで長期間熟成させています。通常2週間ほどの熟成を、低温で3ヶ月以上行っています。

みんなの感想

みんなの感想

「キタァーこれこれ」
「ザッツ塩辛!」
「おいしい」
「どっしりしてるね」
「噛み応え抜群」
「これは間違いない!」
「おーい酒もってこい」
「私ご飯」

もちろん、日本酒のつまみには最高ですが、やっぱり反射的にご飯欲しくなりますね。間違いのない、オーソドックススタイルの塩辛です。長期間熟成だけあって味は濃厚!

イカ塩辛白作り「嘉兵衛 虎白」

白作り
ソフトな食感と濃厚な味わい!
白作りはイカの胴身だけを使った塩辛。使うキモも色の薄いものを選んで使用。皮も剥いでいるので軟らかい食感が特徴です。なかなかぜいたくですね。
渡辺さんコメント

渡辺さんコメント

塩分濃度は3%以下におさえて米麹も使っています。うちの人気商品ですよ。

みんなの感想

みんなの感想

「軟らかい!」
「旨み大爆発!」
「濃厚!」
「見た目からして高級感アリ!」
「鰹節とか昆布の味わいに近い」
「この塩辛スゲー」
「白ワインにバッチリだ!」

ソフトでまろやか、濃厚な旨み。塩分控えめなので非常に食べやすく、おいしかった。日本酒にももちろん合いますが、編集部コメントにもあるように、酸味のある白ワインとぴったり合いました。

ホタルイカ塩辛黒作り「夜光 墨」

黒作り
イカスミを入れて熟成
黒作りは、赤作りの仕込みにプラスしてイカスミを加えて熟成させたものです。今回はスルメイカの黒作りが品切れで、替わりにホタルイカの黒作りをチョイス。
渡辺さんコメント

渡辺さんコメント

ホタルイカはスミの量が少ないので、スルメイカのスミを加えています。ホタルイカは熟成させすぎると身がペラペラになってしまうので、熟成期間の見極めがポイントですね。

みんなの感想

みんなの感想

「みずみずしい!」
「上品なお味」
「墨で唇まっくろじゃん(笑)」
「おまえもな(笑)」
「味やさしいね」
「細麺の冷製パスタにちょっと乗せたりしたい」

とっても上品です。バランスの良い旨みが、お行儀良く主張してくる感じ。これも白ワインにぴったり。

「古のさば塩辛」

鯖塩辛
魚の塩辛は、カツオのワタを塩辛にした「酒盗」ぐらいしか知らなかったのですが、サバもあるとは! 北陸ではよく食べられているようです。
渡辺さんコメント

渡辺さんコメント

サバの身と塩のみという昔ながらの製法でつくっています。ぶつ切りにしたサバに塩をしてひたすら寝かせます。塩分濃度はかなり高いです。

みんなの感想

みんなの感想

「眠気が吹っ飛ぶほどの塩辛さ!」
「青魚から予想される生臭さはまったくない」
「食べ慣れるとクセになる系」
「これ結構好き」
「酒もっと持ってこい!」
「小さくしてちょっとお豆腐にのっけるとかいいね」

原料表示は「鯖・塩」以上! という潔さ。塩辛さは酒盗に匹敵しますが、酒盗ほどクセはありません。ちびちびと食べながら熱燗をゆったりと……といった感じ。お茶漬けもいいなあ。北陸の漁師さんの「なにがなんでもサバを保存したい!」という執念を感じた一品でした。

生しらす塩辛

「駿河嘉兵衛」さんは、静岡が本拠地。静岡、駿河湾といえば生しらすですよね~。
生しらす塩辛
きらきらして美しい!
渡辺さんコメント

渡辺さんコメント

生しらすは鮮度が命です。漁師さんにお願いして水揚げ後30分以内に持ってきてもらいます。それを素早くしめて使います。刻んだわさびも漬け込んでアクセントにしています。

みんなの感想

みんなの感想

「見た目がきれい! キラッキラ」
「旨みがすごい」
「なんじゃこりゃーうっまー」
「しらす1尾だけ食べても納得できる」
「これスプーン1杯分あったら日本酒5合は飲める!」
「大根おろしと合わせたらきっと最強の酒のあて」

とっても評判良かったです。しらす1尾1尾がしっかりしていて美しい。塩気はかなり強いのですが、それにもまして旨みが強く、おいしい塩辛です。

「あさりオイル漬け」

あさりオイル漬け
旨みじゅわ~!
駿河屋嘉兵衛さんでは日本酒だけではなく、色んなお酒に合わせられる塩辛を開発しています。ワインに合うヤツでなにかないですか?とお訊きして推薦していただいた一品。あさりの塩辛をガーリックオイルにつけ込んでいます。
渡辺さんコメント

渡辺さんコメント

貝なので軽くスチームを当ててボイルしています。軟らかい状態を維持するように絶妙なスチーム具合がキモですね。白ワインと一緒にどうぞ!

みんなの感想

みんなの感想

「うまみぎっしり」
「ふっくらフワフワ」
「ぐふふ」
「飲み込んだあとの旨みが深い!」
「噛むほどに旨みがどんどん出てくる!」
「た、たまらん!」

塩分も控えめでおいしい! あとを引く旨さで、うっかりすると止まらなくなってしまいます。白ワインにおすすめと言うことでしたが、日本酒にも良く合いますね。

「バジリコいか」

バジリコいか
地中海風の塩辛かな?
さて、今回最後の塩辛です。おなごり惜しい……。これもワインに合うとオススメ頂いたもの。チーズを使っているそうです!
渡辺さんコメント

渡辺さんコメント

ベースはイカ白作りの「虎白」なんです。それにバジルとチーズを加えて、オリーブオイルに浸けてワインに合う風味を出しています。自家製ドライトマトがアクセントです!

みんなの感想

みんなの感想

「ひゃーっ、ザ・イタリアン!」
「白ワインおかわり!」
「洗練されている」
「たまに出会うドライトマトがめっちゃ旨い!」
「なにこれ赤ワインでもいける」
「このバランスつくるの超絶技巧じゃね?」

大人気のイカ白作りがベースとあって、間違いないおいしさ。しかし、これだけ色々やってもしっかり「塩辛の世界観」が残っているのが不思議ですね、すごい。この甘くまったりした感じは、焼酎にもぴったりだと思います。

如何でしたか?最もオーソドックスなイカの赤作りから始まった塩辛大試食会、最後のほうになるともう、塩辛の概念がガラガラくずれるおいしさでした!

駿河屋嘉兵衛さん、塩辛居酒屋もやっている

さて、「ちゃばら」の中にもう一軒、駿河屋嘉兵衛さんがやっているお店があります。居酒屋さんです。つまみはもちろん塩辛と、さすが静岡、黒いおでんがウリ。日本酒もかなりの種類が揃っています。昼はランチも食べられる素敵なお店です。厨房に立つのは、やっぱり渡部さん。なんでもやっちゃうんですねー。
居酒屋のれん
居酒屋コーナーの暖簾もかっこいい
居酒屋店内
なかなか凝った造りの店内
取材も終わり、さて、このまま帰るのももったいない、とカウンターに陣取り一献いただくことに。

おつまみは、塩辛をお好みで3種組み合わせるセット。お酒は、オススメをお願いしたところ「19」という銘柄をだして下さいました。信州の個性的な蔵元のお酒、バランス良く、私好みの酸味が感じられる良酒でした。塩辛はどれも旨い! イカ塩辛(通常品)もコクがあり、甘エビガーリックは地中海料理屋さんで出てきそう、そして唐辛子がきいたホタテひもの塩辛は、タイ料理のように甘くて辛くて食感コリコリがクセになります。
酒と塩から
左から「嘉兵衛の塩辛」「甘エビガーリック」「ほたて塩辛」。箸はほぼ限界まで削り込んだ極細仕様。塩辛のかけら1個をラクにつまめます
カウンター越しにまたもや質問を。

ーーー渡辺さん、塩辛作りの面白いところってどこですか?

渡辺:塩辛はとにかくすべての工程で手を抜かず、丁寧にやらないと必ず失敗するんです。その細かい仕事をやり終えた時の達成感が好きですね。ワクワクするのは「次はどんな食材でどんな塩辛をつくろうか」と考えている時です。ほんと、楽しいですね。

ーーーなるほど、職人の喜びですね。これからはどんな展開を?

渡部:実現したいな、と思っている夢は「塩辛ラボ」の設立です! 塩辛を中心に、発酵食品を研究するラボを作りたいんです!

塩辛ラボ! 今後の展開に目が離せません。

塩辛世界のダイバーシティ

今回の取材と試食で、塩辛に対するイメージがだいぶ変わりました。塩辛ワールドはダイバーシティ! 食材もなんでもあり! そこにあったのは、旨みと塩みの驚くべき多様性でした。

渡辺さんに伺ったところによると、最近のスルメイカの不漁が塩辛メーカーにとっては大きな危機だそうです。しかし、渡辺さんなら、それをバネにして斬新でおいしい塩辛をどんどん生み出してくれることでしょう。駿河屋嘉兵衛「塩辛ラボ」の誕生も近い?!

衝撃の塩辛が食べたくなったら駿河屋嘉兵衛さんのオンラインショップで!
駿河屋嘉兵衛公式HP

今回ご紹介したちゃばら店以外にも、あちこちにお店があります。ぜひおたずね下さい!
駿河屋嘉兵衛 店舗情報

※記事の情報は2019年11月30日現在のものです


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