話題の「シュクメルリ」をつまみに飲むならこのお酒!

ジョージア料理の「シュクメルリ」。牛丼の松屋が期間限定発売したところ「うますぎる!」とのワードがネットに溢れ定番メニューになりました。「シュクメルリ」は酒のつまみにもピッタリ、ぜひお試しください。

メインビジュアル:話題の「シュクメルリ」をつまみに飲むならこのお酒!

ワイン発祥の地ジョージアの名物料理「シュクメルリ」

ジョージア料理と言われてもまったく馴染みがありませんが、トルコとロシアに挟まれて黒海に面した地勢から、東西の食文化が融合した食文化なのだろうくらいは想像できます。内陸の乾燥地帯なので牧畜が盛んで、チーズやバターなどにミルクを加工するのも得意そう。
ジョージア地図
西にトルコ、東にロシア。中東や東アジアからの影響もうける場所だ
ちなみにジョージアはワイン発祥の地とされています。8000年前にはワインをつくっていた物的証拠が発掘されているのです。今も独特のワインづくりの手法が伝わっており、クヴェヴリと呼ばれる大きな甕にブドウを一度に仕込んで、封をしたら1年くらい放っておきます。究極の自然派ワインなのですが、数年前にユネスコの世界文化遺産にも登録されました。
クヴェヴリ
これがクヴェヴリ。肩まで地中に埋めて、ほとんど手を加えずにブドウを発酵させる
で、ネットで「うますぎる」と評判の「シュクメルリ」を体験しようと松屋に行ったわけです。お店には大きな看板がかかっていました。

小鍋仕立てで提供され、ぐつぐつと煮えているものをいただくようになっています。お値段はご飯とサラダの付く定食で790円。松屋にしては高めのメニューですがコスパは十分でした。
メニュー
期待の新メニュー。松屋も力が入ります

「シュクメルリ」はホワイトソースにニンニク&チーズがたっぷり

シュクメルリのソースは、ホワイトソースにたっぷりのニンニクとチーズが溶け込んで、濃厚なうま味があります。チーズフォンデュとクリームシチューを足して2で割ったような感じ。

具材は鶏もも肉とサツマイモ。まずはソースを絡ませて、鶏もも肉をいただくとこれがとってもジューシー。ハフハフしながらいただいて、おいしい味が口中に残っており間にご飯をほおばりました。ランチではなく夕飯だったら私はここで絶対に酒ですね。

ほくほくしたサツマイモもグッドでした。ジャガイモではないところがミソかも。かぼちゃや里芋でもおいしいでしょう。

鶏肉をポークやビーフに変えても、牡蠣や海老、あるいはホタテ貝でも絶対においしそう。バリエーションも豊富で、ソースがあればホットプレートでも楽しめますね。これは今年のヒットメニューになるのではないでしょうか。
シュクメルリ
最後になべ底におこげができます。これがまた美味

おすすめは「シュクメルリ&プロセッコ」

さて、シュクメルリに合わせるならどんな酒でしょうか。 とっても熱々の料理なのでやっぱり冷たいものが欲しくなります。そこでイチオシしたいのがイタリアのスパークリングワインのプロセッコです。北イタリア、ベネチアの近くでつくられ、フレッシュでフルーティな味が身上です。
プロセッコ
フルートグラスでなくふだん使いのワイングラスでどうぞ
このプロセッコはアメリカの若い人たちに支持されて2000年台に入ってから急成長しました。シャンパンのようにかしこまらず、カジュアルに楽しく飲めるところが受けたと聞きます。イギリスやドイツでも人気で、もともとはイタリア国内で大半が飲まれていましたが、世界的な商品になりました。
プロセッコ市場推移グラフ
21世紀に入ってから輸出が急増したプロセッコ
スパークリングワイン販売構成比グラフ
いまではシャンパンやカヴァを抜いて世界でもっとも飲まれるスパークリングワインになった
プロセッコはグレーラ種というブドウでつくられ、炭酸ガスをつくる2次発酵は密閉タンクでおこなうシャルマー方式でつくられます。ほとんどがブドウの収穫から1年以内に飲まれるフレッシュなワインです。
プロセッコ発酵タンク
奥に見える頭の丸いタンクで2次発酵させ、炭酸ガスを持たせる
飲まれるシーンはアペリティフです。ディナーのようなしっかりした食事と組み合わせてではなく、軽いおつまみをいろいろ摘みながらカジュアルに楽しみます。最近は食事を軽くする傾向が強くなっています。ふだんの夕飯はアペリティフだけのようなものという方も多いのではないでしょうか。
プロセッコのトップブランド『ミオネット』
プロセッコのトップブランド『ミオネット』。オシャレなボトルデザインはイタリアらしい

「シュクメルリ」には和酒ならしぼりたて生酒

うま味の濃厚な「シュクメルリ」は、同じくうま味の酒である日本酒にもよく合います。そして、この時期のおすすめはよく冷やした「しぼりたて」です。ピチピチの微炭酸を感じる「しぼりたて生酒」が店頭に並んでいるはず。酒売場では冷蔵庫をチェックしてください。
しぼりたて生
「しぼりたて生」はこの秋冬の酒づくりでできたばかりのフレッシュさが魅力

もうひとつおすすめは「抹茶ハイ」

「シュクメルリ」を食べ終えて、ちょっと気になったのはニンニクでした。おいしさは大満足ですが、ニンニクをたっぷり使っているのでしょう、口の中に軽くニンニクが残る感じがしました。気になるほどではありませんが、混んだ電車やエレベーターで話すのは避けようかなという気になります。

そこで思いついたのが焼酎を抹茶で割った「抹茶ハイ」です。抹茶のカテキンはニンニクの臭いをうまく抑えてくれるはずで、「シュクメルリ」をたっぷり楽しみたいなら抹茶ハイという選択もありでしょう。
缶入り抹茶酎ハイ
缶入りの抹茶ハイも登場。一部の酒場でブーム化の兆しがあるのだそうです

※記事の情報は2020年1月29日時点のものです。

   

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