能作の錫(すず)100%の酒器。日本酒の家飲みはこれに決まり〈PR〉
食卓で日本酒を楽しみたい! 最近は味だけでなく香りも楽しめる上質な日本酒が続々登場しています。家飲みの気分を上げてくれるのが能作の錫100%の酒器。柔らかな銀色の輝きと美しいデザインが魅力です。多彩な個性を持つ日本酒に合わせて、多彩に用意された能作の酒器選びもしてみましょう。
家飲みの気分を上げる能作の錫100%酒器
スマホで調べると、「能作」というのは、富山県高岡市にある鋳物メーカーの名前。高岡市には江戸時代から銅や真鍮(銅と亜鉛の合金)などの鋳造技術を持つ職人が多くいて、仏具や花器などを製造し、国内各地に販売してきたそうです。いわゆる高岡を代表する地場産業。その代表的な工場の一つが能作で、2003年から錫100%の素材で食器や酒器を作っています。器の表面や内側のざらざら感は溶かした錫を流し込む鋳型に使った砂の痕跡だそうです。
帰宅してから能作のサイトで錫100%の商品カタログをチェック。酒器だけでも多種多様。週末、能作のショップに出掛けて、ぐい吞みと、お燗を作る「ちろり」購入となりました。日本酒ならではの魅力は、冷酒でも常温でも、燗酒(かんざけ)でも楽しめるところです。錫は熱伝導率がとても高いので、湯煎(ゆせん)で温めるのにも使いやすいです。
能作の錫100%の器のデザインとは
能作の能作克治社長は、新たな素材として、世界に先駆けて錫100%に狙いを定めました。しかし錫100%という素材は柔らかい。柔らか過ぎて強い力を加えると形が歪んでしまう。強度を上げるために厚くすれば、今度は重くなり過ぎる。また、鋳造後に研磨をして仕上げをしようにも、粘土にやすりをかけるようなものでうまくいかない。そこで、能作社長はデザイナーとして活躍する小泉さんに相談されたそうです。

能作の初期の錫100%の酒器や食器をデザインした家具デザイナーの小泉誠さん
小泉誠さんは箸置きから建築まで生活に関わるデザインを多彩に手掛けられています。また、武蔵野美術大学教授として後進の指導にもあたっていらっしゃいます。手がけられた作品の一部は「こいずみ道具店」でも見られます。
能作社長から相談された小泉さんは、「曲げて使えるものってありますよね。手にもなじむし、平面が立体になっていくというのは逆に面白いと思いますよ。曲がってもそれでいいのではないですか」。
能作ではその発想を受けて、曲がってもいいから薄くしよう。鋳込んだら仕上げの磨きをせずに、そのままの風合いで商品となるものを開発しようという、大胆で全く新しい取り組みをスタートしました。小泉さんのアイデアで2つのシリーズを出しています。
一つは食器の「Tincry(ティンクライ)シリーズ」。これは曲がることを見せる器。好みの角度に調整して果物置きなどに使えます。最初は壊してしまいそうでこわごわと曲げてみると、意外と簡単に形を変えてくれました。曲げるときに微かにピキピキと音を発するのですが、これを「錫鳴き」と呼ぶそうです。Tin(錫)がCry(鳴く)。それで小泉さんはこの製品に「Tincry」と命名したそうです。
「奇麗なものが歪むと気になるけれど、元々歪んでいればそれは持ち味になる。たるみがあったり、ギザギザしていたり、よく見ると欠けている部分があったり。いっそのことネガティブな名前をシリーズ名にしたらどうですかと能作社長に話したら、それは面白いねと採用になりました(笑)」(小泉さん)
日本酒の4タイプ分類と
それぞれに合った能作の酒器
香り立つ「薫酒」は口がラッパ型の酒器で
じっくり寝かせた「熟酒」にはつぼみ型の酒器で
コクと旨味の「醇酒」には逆さ富士型の酒器で
生酛づくりとは、コンパクトに説明すれば、酒蔵に棲みついている酒造りの菌を使って作るという、昔ながらの方法で作った日本酒。米や雑穀の風味、コクや旨味、場合によっては雑味までも個性として楽しめる「ザ・日本酒」といえます。このタイプの日本酒に合う酒器の形状は、口が開いていて、少しずつ口に含み、複雑な味わいを楽しみながら飲む小ぶりのぐい吞みがお薦め。能作の酒器で言えば「富士山 FUJIYAMA」あたりが最適でしょう。日本酒を長く飲み続けてきた人は、燗酒にはこの醇酒のタイプが一番いいと言う人もいます。まあ、それはお好み次第で。
「爽酒」はシンプルな形状のぐい呑みで
「ハレとケ」という言葉、聞いたことありますよね。民俗学者の柳田國男が見出した日本古来の世界観。祭礼や年中行事などの非日常を「ハレ」、普段の日常生活を「ケ」と呼びます。家族や仲間との外食は「ハレ」、自宅の食卓での食事は「ケ」でしょう。ハレとケは表裏一体、両方あって私たちの生活は成り立ちますが、新型コロナの影響で「ケ」疲れの人も多いのではないでしょうか。せめて日常の食卓の中では、ハレとケのバランスを取り戻したいものです。
また10月1日は「日本酒の日」。10月1日から新米で日本酒の仕込みをスタートする酒蔵が多いこと。十二支の10番目が「酉(とり)」で酒壺を表す象形文字であること。明治初期に制定された「酒造年度」が10月1日を起点とすること。これらの理由から、1978 年に日本酒造組合中央会が制定し、日本酒関連のイベントも開かれてきましたが、今年はこれに合わせて、イエノミでもハレの酒器で乾杯といきましょう!
※記事の情報は2020年9月15日時点のものです。
◆参考までに……
・アクティオノート「地元の人が自慢できる『ものづくり』を通して、地域に貢献したい」
(能作の能作克治社長、能作千春専務のインタビュー記事)
・能作の公式ホームページ
(美しい鋳造製品を生み出す能作の歩みと技術が分かります)
・こいずみ道具店
(小泉誠さんのデザインが楽しめます)
▼後編はこちら
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すずき あきら