能作の錫(すず)100%の酒器。日本酒の家飲みはこれに決まり〈PR〉

食卓で日本酒を楽しみたい! 最近は味だけでなく香りも楽しめる上質な日本酒が続々登場しています。家飲みの気分を上げてくれるのが能作の錫100%の酒器。柔らかな銀色の輝きと美しいデザインが魅力です。多彩な個性を持つ日本酒に合わせて、多彩に用意された能作の酒器選びもしてみましょう。

ライター:すずき あきらすずき あきら
メインビジュアル:能作の錫(すず)100%の酒器。日本酒の家飲みはこれに決まり〈PR〉

家飲みの気分を上げる能作の錫100%酒器

我が家の家飲みの気分を上げてくれる錫100%の酒器と出合ったのは昨年のこと。都内の小料理屋でした。日本酒を冷やで1合注文すると、銀色に輝く酒器が運ばれてきました。片口とぐい吞み。これまで日本酒を陶磁器や漆器、切子(ガラス)などの酒器では飲んできましたが、金属製で飲んだのは初めてのことでした。
錫100%の片口からぐい吞みに注ぐ。酒の温度を直に感じる触感も新鮮
錫100%の片口からぐい吞みに注ぐ。酒の温度を直に感じる触感も新鮮
店の人に聞くと、「能作(のうさく)の、錫100%の酒器です」とのこと。ぐい吞みに注がれた日本酒がみずみずしく光ります。手に持つと意外にずっしり。指先、続いて唇に触れたときに、冷酒のひんやりとした温度が心地よく伝わってきます。器をしみじみと眺めると、表面も内側も粒子状の凸凹があり、これが、なんだか素朴な焼き物のような柔らかないい味わいを出しています。

スマホで調べると、「能作」というのは、富山県高岡市にある鋳物メーカーの名前。高岡市には江戸時代から銅や真鍮(銅と亜鉛の合金)などの鋳造技術を持つ職人が多くいて、仏具や花器などを製造し、国内各地に販売してきたそうです。いわゆる高岡を代表する地場産業。その代表的な工場の一つが能作で、2003年から錫100%の素材で食器や酒器を作っています。器の表面や内側のざらざら感は溶かした錫を流し込む鋳型に使った砂の痕跡だそうです。

帰宅してから能作のサイトで錫100%の商品カタログをチェック。酒器だけでも多種多様。週末、能作のショップに出掛けて、ぐい吞みと、お燗を作る「ちろり」購入となりました。日本酒ならではの魅力は、冷酒でも常温でも、燗酒(かんざけ)でも楽しめるところです。錫は熱伝導率がとても高いので、湯煎(ゆせん)で温めるのにも使いやすいです。
錫100%のちろりでぬる燗
錫100%のちろりで燗酒を。錫は熱伝導率が高いので、湯煎をするのにも温めやすく扱いやすい(photo/NOUSAKU)
ここでちょっと酒器についてのミニ知識(うんちくおやじでごめん!) 。「お猪口」というのは、お銚子などでさしつさされつ、ちびちび飲むのに最適なサイズ。一方、お猪口より一回り大きいのが「ぐい吞み」。ぐいっと飲むからぐい吞みなのでしょう。特に両者を分ける大きさの基準はないようですが。ついでに、平たくて足台がある酒器が「平盃(ひらさかずき)」。知っておくと便利かも。

能作の錫100%の器のデザインとは

この記事を書くにあたり、能作の錫100%の酒器や食器のデザインを担当された、家具デザイナーの小泉誠さんに、手がけた当時のことを伺いました。小泉さんと老舗鋳物メーカーの能作との出合いは2000年の頃。能作では美しいフォルムと澄んだ音色で高い評価を得た真鍮製の風鈴がヒットし、その次のオリジナル商品の展開として、食器や酒器を作ろうと模索を始めた時期だったそうです。

能作の能作克治社長は、新たな素材として、世界に先駆けて錫100%に狙いを定めました。しかし錫100%という素材は柔らかい。柔らか過ぎて強い力を加えると形が歪んでしまう。強度を上げるために厚くすれば、今度は重くなり過ぎる。また、鋳造後に研磨をして仕上げをしようにも、粘土にやすりをかけるようなものでうまくいかない。そこで、能作社長はデザイナーとして活躍する小泉さんに相談されたそうです。

能作の初期の錫100%の酒器や食器をデザインした家具デザイナーの小泉誠さん

小泉誠さんは箸置きから建築まで生活に関わるデザインを多彩に手掛けられています。また、武蔵野美術大学教授として後進の指導にもあたっていらっしゃいます。手がけられた作品の一部は「こいずみ道具店」でも見られます。

 能作社長から相談された小泉さんは、「曲げて使えるものってありますよね。手にもなじむし、平面が立体になっていくというのは逆に面白いと思いますよ。曲がってもそれでいいのではないですか」。

能作ではその発想を受けて、曲がってもいいから薄くしよう。鋳込んだら仕上げの磨きをせずに、そのままの風合いで商品となるものを開発しようという、大胆で全く新しい取り組みをスタートしました。小泉さんのアイデアで2つのシリーズを出しています。

一つは食器の「Tincry(ティンクライ)シリーズ」。これは曲がることを見せる器。好みの角度に調整して果物置きなどに使えます。最初は壊してしまいそうでこわごわと曲げてみると、意外と簡単に形を変えてくれました。曲げるときに微かにピキピキと音を発するのですが、これを「錫鳴き」と呼ぶそうです。Tin(錫)がCry(鳴く)。それで小泉さんはこの製品に「Tincry」と命名したそうです。
小泉さんがデザインした「Tincry」。最初は平たくて鍋敷きみたい
小泉さんがデザインした「Tincry」。最初は平たくて鍋敷きみたい
指先にえいっと力を入れてみると意外なくらい簡単に曲がります
指先にえいっと力を入れてみると意外なくらい簡単に曲がります
5枚の葉の部分を持ち上げて高さを調整
5枚の葉の部分を持ち上げて高さを調整
はい。「鍋敷き」状態から器になりました!
はい。「鍋敷き」状態から器になりました!
入れるものに応じて若干大きさを微調整できるのも便利
入れるものに応じて若干大きさを微調整できるのも便利
空欄
小泉さんが手がけたもう一つのデザインは酒器のシリーズです。名付けて、「Kuzushi(クズシ)シリーズ」。

「奇麗なものが歪むと気になるけれど、元々歪んでいればそれは持ち味になる。たるみがあったり、ギザギザしていたり、よく見ると欠けている部分があったり。いっそのことネガティブな名前をシリーズ名にしたらどうですかと能作社長に話したら、それは面白いねと採用になりました(笑)」(小泉さん)
正円ではなく歪んだ形のぐい吞み「Kuzushi - Yugami」。我が家のお気に入りです
正円ではなく歪んだ形のぐい吞み「Kuzushi - Yugami(クズシ - ユガミ)」。我が家のお気に入りです

日本酒の4タイプ分類と
それぞれに合った能作の酒器

日本酒は酒器の形状によって、飲んだ味わいが微妙に変わるものです。能作の錫の酒器にもそれを意識してデザインされた形状の異なるお猪口やぐい吞みが用意されています。それを知っておくと、錫製だけではなく、焼き物やガラスなどの酒器選びのときにも便利だと思います。
まずは、日本酒の味と香りのタイプを整理しておきましょう。 居酒屋や酒屋さんなどで日本酒のタイプを4つに分類した分類表を見ることがありませんか。この分類は、きき酒師などの資格を認定したり、日本酒の普及に努めている「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」が分類したものです。SSIでは2万種類以上の日本酒のテイスティングを行い、香りと味わいの組み合わせでこの4つの分類に到達したそうです。
図版 「日本酒の香味特性別分類(4タイプ)」
この4タイプのそれぞれの味わいの特徴、個性に応じて、持ち味を引き出してくれる酒器の形状を、能作の錫100%の酒器のラインナップから、選んでみましょう。

香り立つ「薫酒」は口がラッパ型の酒器で

「日本酒の香味特性別分類(4タイプ)」の分類表(以下、「日本酒4分類表」)を見てください。左上の区画。ここは「薫酒(くんしゅ)」と呼ばれるタイプ。特徴はその果実的な香りの高さです。リンゴやブドウや桃を思わせるフルーティーな香り。味はすっきりしているもの、淡麗なものが多く、「吟醸酒」と呼ばれるお酒のタイプですね。原料となる酒米の精米歩合によって、ラベルの表示は「大吟醸酒」だったり「吟醸酒」だったり。醸造用アルコールが添加されていない「純米大吟醸酒」や「純米吟醸酒」の多くもこのタイプに分類されます。これに合う能作の酒器は、口がラッパのように広がる「シャンパングラス」をお薦めします。口が開いていて香りも広がりやすい。内側の金箔と共に、お洒落な形状で気分を上げてくれますね。
能作「シャンパングラス」で吟醸酒を香りと共に味わう(photo/NOUSAKU)
能作「シャンパングラス」で吟醸酒を香りと共に味わう(photo/NOUSAKU)

じっくり寝かせた「熟酒」にはつぼみ型の酒器で

続いて「日本酒4分類表」の右上の区画。ここに分類される日本酒は「熟酒(じゅくしゅ)」と呼ばれるタイプです。香りが強く、味も濃く、力強いものが多く、長期熟成されたお酒、「古酒」と呼ばれるお酒がここに分類される。中には日本酒ながら紹興酒のような香りのする古酒もあります。このタイプのお酒に合うのはつぼみ型が向いています。チューリップの花の形の、ワイングラスのように先がすぼまっている。香りを閉じ込めてそっと鼻先から香りを楽しみ、ちびりちびりと飲むのに好都合です。古酒は値段も張りますからね。ちびちびと。能作の酒器では口がすぼまった「はなしべ」でゆっくり楽しむのをお薦めします。
良い古酒は値段も張るが、日本酒の新しい魅力を教えてくれる。能作「はなしべ」で味わいたい(photo/NOUSAKU)
良い古酒は値段も張るが、日本酒の新しい魅力を教えてくれる。能作「はなしべ」で味わいたい(photo/NOUSAKU)

コクと旨味の「醇酒」には逆さ富士型の酒器で

「日本酒4分類表」の右下の区画。ここには「醇酒(じゅんしゅ)」と呼ばれるタイプの日本酒が分類されます。味は濃いが香りはそれほど強くない。味に強いコクがあるのが特徴的で、「純米酒」や「生酛(きもと)づくり」「山廃(やまはい)仕込み」などを名乗るお酒がこの範疇に入ります。

生酛づくりとは、コンパクトに説明すれば、酒蔵に棲みついている酒造りの菌を使って作るという、昔ながらの方法で作った日本酒。米や雑穀の風味、コクや旨味、場合によっては雑味までも個性として楽しめる「ザ・日本酒」といえます。このタイプの日本酒に合う酒器の形状は、口が開いていて、少しずつ口に含み、複雑な味わいを楽しみながら飲む小ぶりのぐい吞みがお薦め。能作の酒器で言えば「富士山 FUJIYAMA」あたりが最適でしょう。日本酒を長く飲み続けてきた人は、燗酒にはこの醇酒のタイプが一番いいと言う人もいます。まあ、それはお好み次第で。
個性的な旨味、甘みを味わうには口径が大き目なもの。能作「富士山 FUJIYAMA」を選択(photo/NOUSAKU)
個性的な旨味、甘みを味わうには口径が大き目なもの。能作「富士山 FUJIYAMA」を選択(photo/NOUSAKU)

「爽酒」はシンプルな形状のぐい呑みで

最後に「日本酒4分類表」の左下の区画。「爽酒(そうしゅ)」と呼ばれるタイプの日本酒です。味は淡麗、すっきり系。軽快でなめらかとも表現されます。香りは弱めです。酒のラベルでは、「普通酒」や「本醸造酒」、「生酒」などがこのタイプに分類されます。これに合うのはそれほど口の部分が広がっておらず、コップに近いシンプルな形状のものがお薦め。能作の酒器ならその名もずばりの「ぐい吞」がよいと思います。爽酒は飲み口がすっきり、すーっと喉に入る。それだけに、飲み方にはご注意を。日本酒のアルコール度数は15~19%程度。ワインが10~15%、ビールは5%程度ですから、和らぎ水をたっぷり飲みながら、ゆっくりゆっくりと。
飲み口のいい生酒や醸造酒には能作「ぐい吞」を選択。グイっと飲むのにちょうどいい約90cc(photo/NOUSAKU)
飲み口のいい生酒や醸造酒には能作「ぐい吞」を選択。グイっと飲むのにちょうどいい約90cc(photo/NOUSAKU)
さて、あなたなら普段飲みの日本酒に合わせて、どの形状の酒器を選びますか?

「ハレとケ」という言葉、聞いたことありますよね。民俗学者の柳田國男が見出した日本古来の世界観。祭礼や年中行事などの非日常を「ハレ」、普段の日常生活を「ケ」と呼びます。家族や仲間との外食は「ハレ」、自宅の食卓での食事は「ケ」でしょう。ハレとケは表裏一体、両方あって私たちの生活は成り立ちますが、新型コロナの影響で「ケ」疲れの人も多いのではないでしょうか。せめて日常の食卓の中では、ハレとケのバランスを取り戻したいものです。

また10月1日は「日本酒の日」。10月1日から新米で日本酒の仕込みをスタートする酒蔵が多いこと。十二支の10番目が「酉(とり)」で酒壺を表す象形文字であること。明治初期に制定された「酒造年度」が10月1日を起点とすること。これらの理由から、1978 年に日本酒造組合中央会が制定し、日本酒関連のイベントも開かれてきましたが、今年はこれに合わせて、イエノミでもハレの酒器で乾杯といきましょう!

※記事の情報は2020年9月15日時点のものです。

◆参考までに……
・能作の公式ホームページ
(美しい鋳造製品を生み出す能作の歩みと技術が分かります)
アクティオノート「地元の人が自慢できる『ものづくり』を通して、地域に貢献したい」
(能作の能作克治社長、能作千春専務のインタビュー記事)
こいずみ道具店
(小泉誠さんのデザインが楽しめます)
地元の人が自慢できる「ものづくり」を通して、地域に貢献したい【アクティオノート】
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