酒好きほぼ100人に聞いた「今後の外飲み機会予想」は?

東京で「まん延防止等重点措置」が終了したのは3月21日。以降、外飲みはどれくらい増えたのか。料飲店から「客足が戻らない」という声が聞かれる今、酒好きほぼ100人に聞く「酒飲みのミカタ」は今後の外飲み機会を予想しました。

メインビジュアル:酒好きほぼ100人に聞いた「今後の外飲み機会予想」は?

「ひとり飲み」から再始動

最初に3月下旬以降、アンケート回答時点(2022年6月初旬調査)までに、酒を飲んだ行事を聞いた。もっとも多かったのは「酒場でひとり飲み」で33%、「相手を気遣いまだ酒に誘えない」が18%にのぼるように、まだ飲みに誘いにくい雰囲気がある。その点ひとり飲みは気軽にでき、まずは一人で酒場で自由な雰囲気を楽しんだ人が多かったようだ。

2番目は「近場への旅行」の29%。東京以外ではGoToトラベル再開に先立って「近県割り」事業が進められている。4月以降の週末は小旅行が活発化し、各地の観光地がにぎわいを取り戻した。旅先で地酒を楽しむ定番エンタテイメントの復活で、地酒の消費が伸びるであろう。

3番目は「久々に友人と再会」と「趣味や地域の仲間と会食」が24%で並ぶ。コロナ禍で会食しにくい期間が長く続いた。自由に行動できるようになり、こうした機会を復活させた人が多いようだ。
3月下旬以降酒を飲んだ行事

外で複数回飲んだ人は6割

3月下旬以降に外で飲んだ回数は、「2~3回」が24%で最多、次いで「10回以上」が19%にのぼり、制限の撤廃と共に外飲みに動き出した方少なくないことがわかる。一方で「飲んでいない」が28%を占めた。
3月下旬以降外で飲んだ回数

「まん防」期間中(終了直前の3か月)と比べて、外で飲んだ回数の増減を聞いた質問では、「とても増えた」と「増えた」を合わせて46%と半分弱が増加したと回答した。しかし、「まん防」が終わっても「変わらない」が39%あり、感染を避けてか、家飲みに慣れてか、外に出ない方が一定数いることが窺われる。
3月下旬以降外で飲んだ回数の増減
行動制限がなくなってからの行動の変化については次のようなコメントが寄せられた。

●外飲みした方
「自宅外で飲むことが増えました。決して多くはないですが、やっと一緒に食事や飲酒を楽しめるようになりつつあります」(60代女性)
「職場関係の飲み会が増え、ビール中心の酒ライフに戻りました。それまではハイボールや日本酒を家で飲んでいました」(30代男性)
「料飲店での酒類提供時間が長くなって2軒目も可能になり、遅い時間まで飲むことが増えた」(50代男性)

●外飲みしていない方
「移動の制限がなくなっても、感染者の数が減少しないので今年になって外飲みは1回もしていない」(70代男性)
「家飲みが定着してしまい、外で飲む気になれない」(60代女性)
「周りでは外飲みが増えていますが、私自身は家族の希望もあり控えている。もう一声あれば…」(50代男性)

外飲み機会は「コロナ前に戻る」は34%

「今後、料飲店で飲む機会はコロナ前に比べてどう変わるか?」という質問では、「(コロナ前と)同じくらいに戻る」が34%を占める一方で「5割以上減る」が31%にのぼった。「1~2割減る」が16%、「3~4割減る」が19%あり、コロナ前よりも外飲み機会が減るという予想が目立つ。
今後、料飲店で飲む機会はコロナ前に比べてどう変わる?

さらに、「今後あると思う料飲店での飲酒機会」を聞いたところ、もっとも多かったのは「予定して友人と2~3人で会食」が55%と群を抜いて多い。「パートナーや自身の記念日に会食(38%)」「仕事終わりにひとり飲み(36%)」「私的な忘年会・新年会(32%)」までが30%以上あり、いずれも私的な利用シーンで「職場や得意先との忘年会」は19%にとどまった。
今後あると思う料飲店での飲酒機会

「今後増えると思う料飲店での飲酒機会」を聞く質問では、「増えるものはない」が27%で外飲み離れを予感する方が多い。ただし、「予定して2~3人で会食」が26%、「私的な忘年会・新年会」が21%、「仕事終わりにひとり飲み」「ふだんからパートナーと外食」(共に18%)など、私的な料飲店の利用は増えるとする回答が多く、コロナ禍を経て私的な利用のウエートが高まりそうだ。
今後増えると思う料飲店での飲食機会

最後に「コロナ禍で変わったものとは?」という問いに寄せられた回答を紹介して終わる。
「様々な制限が緩和されていますが、ライフスタイルが大きく変化して、自宅での飲酒量が大幅に増えました」(20代男性)
「外飲みだと1本を知ることは無い。4合瓶を1週間かけて飲むスタイルで味の変化をより感じるようになった」(30代男性)
「強制的な会社の新年会、暑気払い、忘年会が無くなった。町会、地区の行事が無くなった。好ましいことだと思う」(50代男性)
「家で飲むので、必然的に家で作る料理のレパートリー(和洋中エスニックなどの種類)が増えた」(40代女性)
「以前、お酒は外で飲むことが多かったが、晩酌をするようになってしまった」(50代女性)
「仕事帰りの一杯が無くなった」(50代男性)
「退職のタイミングと重なったこともあり、人付き合いが極端に減ってしまった」(60代男性)

【調査概要】
調査時期:2022年5月31日~6月6日
調査方法:インターネットアンケート
サンプル数:101人(お酒好きな方)


※記事の情報は2022年6月16日時点のものです。

  

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