【2023年トレンド予想】ワインソムリエ兼バイヤーが選ぶ注目のお酒は?

2023年にトレンドになりそうなお酒を、名古屋の酒類卸イズミックの青田がバイヤー視点で大予想。今年飲むべきお酒とは?

ライター:青田俊一青田俊一
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あけましておめでとうございます。

2023年最初のバイヤーズレポートは、またまた例年恒例の今年注目のお酒の大予測です。

もうすでに思い出せなくなっていますが、たぶん昨年はハズレの予測だったのではないかと。というわけで今年も世間とのずれを気にすることなく、独断と偏見で注目のお酒をご紹介してきます。

【2023年トレンド予想①】低アルコールRTD

【トレンド予想①】低アルコールRTD
まず最初は、‟低アルコールRTD”です。

昨年登場した「バー・ポームム」はSNSを中心に話題になりましたが、なかでも個人的に新しいと思ったのは2%というアルコール度数の設定でした。ほんのりお酒な感じが新鮮で、そんなに酔いたいわけではないという気分にはぴったり。最近は年のせいかお酒に弱くなってきているので、お酒の雰囲気は楽しみたいけどそんなに酔いたいわけでもないという気分の時がたまにあったりするんですよね。

今年はそんなニーズの増加に応えて低アルコールのRTDが続々発売されるようなので、レモンサワー一辺倒だったRTDの新しい流れに期待したいところです。

【2023年トレンド予想②】おうちでカクテル

【トレンド予想②】おうちでカクテル
ネグローニも一周回って注目のカクテル
2つ目は‟おうちでカクテル”です。

20年くらい前に社会人になって初めて一人暮らしをした際に、モテると勘違いして部屋にリキュールやらスピリッツを並べていた時期がありました。なかでもカンパリがお気に入りで、夜な夜なひとり寂しくカクテルを作って楽しんでいたものです。

でも今になってみれば、家でカクテルを楽しむのって、なかなか外に飲みに行きにくいこのご時世には合っていると思いませんか。そう思って最近またカンパリを常備するようになったのですが、「これ意外と新しいかも」と、おうちカクテルの可能性を再確認するきっかけとなりました。

そんなわけで、今年はおうちカクテルを推進していこうと思います。それなりのお年の方からすると懐かしいかもしれませんが、若い方にとってはきっと新しい発見があるのではないかと。トレンド予測ではなくただの願望ですけどね。

【2023年トレンド予想③】ナチュールワイン

【トレンド予想③】ナチュールワイン
最近のお気に入り「ソモス」
3つ目は‟ナチュールワイン”です。

正直に言うと、ナチュールワインは苦手でした。「ワインは直球勝負で良い、変化球なんていらない」と思っていたのですが、昨年ひょんなことからナチュールワインを飲む機会が劇的に増えまして、ある日その予想だにしない味わいの面白さに気付いてしまい、今ではすっかり変化球の虜になってしまったというわけなんです。

とはいえ、やっぱり何も知らずに飲むとびっくりするような味わいのものも多いわけで、なかなかその良さを伝えにくいところはあります。しかし意外と食事との相性が良かったりするので、今年はそのあたりの良さをしっかりお伝えできればと思っています。まあ、これも自分が飲みたいだけでもあるのですが。

【2023年トレンド予想④】日本酒ニューウェーブ

【トレンド予想④】日本酒ニューウェーブ
今年は兎年ですね。愛知県の酒蔵、丸石醸造の二兎。
4つ目は‟日本酒ニューウェーブ”

毎年のように今年は日本酒が、と言い続けているわけですが、ここ数年で日本酒は格段にレベルアップしたと思います。日本酒は製造免許の都合上、新規参入がとても難しい業界。良くも悪くも変化の少ない業界だったような気がしますが、そんな日本酒の業界もちょうど代替わりの時期に入り、若返りを図る蔵元が増えたり、免許を譲り受けて新規で参入する蔵があったりと、いま大きなターニングポイントに差し掛かっています。

若返りや新規参入によって、杜氏制を廃止しデータによる酒造りに移行したり、生もとや山廃での仕込みに変えてみたり、新しい酵母を試してみたりと、いままでの伝統にとらわれない新たな酒造りに挑戦する蔵元も増えました。今後もこの新たな流れは続いていくと思われるので、今年も日本酒は注目というわけなんです。毎年言ってますけどね。日本酒はおいしいですから。

【2023年トレンド予想⑤】とことんクラフトビール

【トレンド予想⑤】とことんクラフトビール
海外のクラフトビールも増えましたね。
最後は‟とことんクラフトビール”です。

とことんクラフトビールって、10年くらい前に私が会社の展示会でクラフトビールの普及を推進していたときに作ったキャッチコピーなんですが、今はご存じのようにクラフトビールはしっかり市民権を獲得し、日常に溶け込むほどになりました。

あまりに日常になってしまったので、ちょっとクラフトビールからは遠ざかっていたりしたのですが、ここ最近はブルーパブのような業態が増えたり、海外の珍しいクラフトビールを扱うバーみたいなところが増えたりと、クラフトビールの世界にまた新たな波がやってきているような感覚もあり。いま一度クラフトビールにどっぷりハマってみようかな、なんて思っている今日この頃です。なので、今年はとことんクラフトビールなわけなんです。

ちなみに個人的に趣味でスパイスカレーを作ったりしているのですが、これがまたクラフトビールによく合うんです。スパイスとクラフトビールって最高ですよね。と、最後も結局のところ自分が飲みたいだけになってしまいましたが、新しい流れが来ていることは間違いないと思います。
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ここのところ酒類業界は変化の乏しい年が続いていたような気がします。流行り病や戦争など、酒類業界にとって悩ましい問題の解決はまだまだ先になりそうですが、少しずつではあるものの新しい変化が起きているようにも感じます。

そんな2023年のキーワードは“新発見”。ちょっと冒険した家飲みで、新しい楽しみを発見していただければと思います。

※記事の情報は2023年1月6日時点のものです。
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