今年は日本酒で梅酒作り! 基本の作り方と日本酒選びのポイント

自家製梅酒といえばホワイトリカーのものが一般的ですが、実は日本酒でとっても美味しい梅酒が作れることをご存知でしょうか? 今回は誰でも簡単にできる日本酒ベースの梅酒作りにチャレンジしました! 3ヶ月後、1年後の味の変化も飲み比べてみます。

メインビジュアル:今年は日本酒で梅酒作り! 基本の作り方と日本酒選びのポイント
6月は梅の旬、今年も梅酒作りの時期がやってきました。梅酒はご家庭で作れるお酒の中で最もポピュラーで意外と簡単なことから、手作り経験のある方も多いのではないでしょうか。

ホワイトリカーや焼酎で漬ける方がほとんどだと思いますが、自家製梅酒のうれしい点は、いくつかの注意点さえ守れば自分の好きなお酒でどんな組み合わせ方も自由にできてしまうところです。

そこで今年は、「日本酒」で漬ける梅酒に挑戦してみたいと思います。

日本酒で作る梅酒とは?

日本酒イメージ
梅酒を日本酒で漬けると、定番のホワイトリカーとは一味違う、うま味があってまろやかな味わいになるのだそう。ただ、いくつか注意点があるので、まずは事前にチェックしていきます。
 

アルコール度数20度以上の日本酒を選ぶ

市販で売られている日本酒のほとんどはアルコール度数が20度以下です。

家庭で作れる果実酒は20度以上の酒類(アルコール度数が20度未満の場合、新たなアルコールが生成される恐れがあるため)を使わなければ酒税法違反(※1)になってしまうため、これだけはきちんと覚えておきましょう。
 

砂糖の量は控えめに

日本酒は糖分が多く含まれるお酒なので、焼酎やホワイトリカーで作る場合よりも砂糖を控えめにするのがいいようです。しかし砂糖の量を抑えすぎると、浸透圧の作用により梅のエキス抽出に時間がかかってしまうのが難しいところ。

時間はかかるけれど甘さ控えめで酸味の効いた梅酒がお好みの方は日本酒1.8L、梅1kgに対し300g程度、甘めが好みでなるべく早く飲みたい!という方は800g~1kgが目安。今回は程よく甘さ控えめにしたいので500gで作っていきます。

種類豊富! 梅酒用の日本酒をご紹介

「アルコール度数20度以上の日本酒を選ぶ」と前述しましたが、市販されている日本酒のほとんどは残念ながら20度以下のものばかり。でも大丈夫。果実酒用につくられたアルコール度数の高い日本酒が売られています。いくつかピックアップしてみたので、日本酒選びの参考にしてみてください。

梅酒用日本酒「梅ちゃん」

産地:鳥取県
アルコール度数:20%
原材料名:米(国産)、米麹(国産米)
製造元:梅津酒造有限会社
価格:2,640円
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果実酒用日本酒「苗場山」

産地:新潟県
アルコール度数:21%
原材料名:麹米(国産)、掛け米(国産)、醸造アルコール
製造元:苗場酒造株式会社
価格:1,800円
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「葵伝説しぼりたて原酒」

産地:茨城県
アルコール度数:21%
原材料名:米、米麹、醸造アルコール
製造元:明利酒類株式会社
価格:1,485円
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純米原酒「富久錦」

産地:兵庫県
アルコール度数:20%
原材料名:米、米麹
製造元:富久錦株式会社
価格:2,860円
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高級料理と梅酒作り用 純米原酒「和蔵の稔り」

産地:福島県
アルコール度数:20%
原材料名:米(国産)、米麹(国産米)
製造元:仁井田本家
価格:2,980円
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アル添、純米清酒、精米歩合……梅酒用日本酒にもいろいろあるんですね。今回は、純米酒で名前のかわいい「梅ちゃん」でさっそく作っていきます!

日本酒を使った梅酒作りで準備するもの

材料一覧
【材料】
・日本酒(20度以上)……1.8L
・南高梅(青梅でも可)……1kg
・氷砂糖……500g

【道具】
・果実酒瓶(今回は4L容器を使用)
・竹串(つまようじでも可)
・キッチン用アルコールスプレー

日本酒で漬ける梅酒の作り方

1. 瓶の消毒

瓶の消毒をする
梅酒は保存瓶の中で長期間熟成させるお酒のため、消毒が欠かせません。ただ、果実酒瓶のような大きな瓶に煮沸消毒は危険なので、そんな時はキッチン用アルコールスプレーがとても便利!

手を肘までしっかりと洗い、瓶の中にまんべんなくアルコールスプレーを吹き付けます。清潔な布巾もしくはキッチンペーパーで、水滴を残さず丁寧に拭き取れば◎。忘れてしまいがちな、瓶のふたやパッキン部分も一緒に消毒しておきましょう。
 

2. 梅のアク抜き・水洗い

梅にはアク(灰汁)という「えぐ味・渋味・苦味」の原因となる成分が含まれているため、ひたひたにかぶるくらいの水でアク抜きをしていきます。

今回は南高梅を使用したのでアク抜きの工程は省いていますが、一般的な青梅は2~4時間のアク抜きが必要だと言われています。青い実ほどアクが多く含まれており、黄色く熟していくにつれアクが少なくなっていくので、梅の状態によって浸す時間は調節していきましょう。

アク抜きが終わったら、流水で表面の汚れを洗い流します。雑菌を繁殖させないためにも、水気をしっかりと拭き取って十分な時間日陰で乾燥させるのがポイント。傷のある実や傷んだものはここで取り除いておきます。
 

3. ヘタ取り

ヘタを取る
竹串を使って梅のヘタを取ります。ヘタを残したまま梅酒に漬けてしまうと、えぐ味の原因となるので、きれいに取り除きましょう。梅の実に傷口があると、そこから雑菌が入ってしまうので、傷付けないように注意します。

\梅選びのポイント/
シワや傷がなくツヤのある、みずみずしい梅を選びます。大きな梅ほど果肉部分が多く、梅のエキスが出やすいのでおすすめです。

青梅を使うと酸味の効いたさっぱりとした梅酒に、完熟梅を使うと芳醇でまろやかな仕上がりになります。今回はちょっぴり贅沢をして南高梅を買ってみました。
 

4. 梅と氷砂糖を交互に入れる

梅と氷砂糖を交互に入れる
梅を傷付けないようにそっと並べていきます。
 

5. 日本酒をそそぐ

日本酒を注ぐ
全体にまんべんなくまわしかけていきます。

梅ちゃんは梅酒作りはもちろん、料理酒としてもそのまま飲んでも美味しいと梅津酒造のホームページに書いてあったので、編集部で試飲会をしてみました。

「香りは芳醇で、焼酎や紹興酒のような…」
「飲み口も紹興酒に似てる」
「香りは強いけど、飲んでみると意外と穏やか」
「普通の日本酒の風味を全体的に強くした感」
「塩味とうま味が強い分料理酒で使ったらおいしく仕上がりそう」
「米と梅のうま味がよく合わさって、とても美味しい梅酒ができそうな予感」


などなど……色々な意見が出ました! 確かに一言では言い表せない深みのある味わい。

ちなみに色が透明ではない理由を蔵元に問い合わせたところ、活性炭等でろ過をしていないため日本酒本来の琥珀色になっているとのことでした。

熟成させたり何かエキスを入れたりしているわけではなく、純米酒をそのまま生かしているからこその琥珀色なんですね。
 

6. 梅酒の仕込み完了

梅酒の完成
完成! ふたをきっちりと閉め、冷暗所で保管します。氷砂糖が底に沈殿するので、砂糖が溶け切るまでは、全体が均等に混ざるように数日おきに瓶を揺すりましょう。

また、作った日付と材料の分量などをラベルに書いて貼っておくと後々役立ちます。

王道のホワイトリカー版梅酒も作ってみた

並べてみた
左が日本酒ベース 右がホワイトリカーベースの梅酒
後ほど味の違いを比較するため、全く同じ条件でホワイトリカー(甲類焼酎)の梅酒も作ってみました。こうして見ると既に色の差がはっきり。

今回使用した「梅ちゃん」は薄い琥珀色ですが、同じ梅酒用日本酒でも無色透明なものもあります。透明な日本酒であれば、見た目が爽やかになったり梅酒の色が徐々に変化していくプロセスを楽しめたりと、違ったよさもあるのでお好みで選んでみてください。

3ヶ月経ったので梅酒を飲み比べます【19/9/20追記】

梅酒3ヶ月後比較
左が日本酒ベース 右がホワイトリカーベースの梅酒
こちらが3ヶ月経過した梅酒の様子。最初はプカプカと瓶の中で浮いていた梅の実も、2ヶ月を過ぎた頃にはエキスが抜けてきたのか上の写真のような状態に。

梅酒を漬けた後は、週に1~2回ほど上下にゆっくり揺すり、梅から出たガスで内蓋がパンパンになることもあったので、同じタイミングでガス抜きを行いました。氷砂糖が溶け切ってからは、一切揺すらずたまに様子見。漬けてしばらくは少々手間がかかりますが、時間をかけてたっぷり愛情を注いだ分、より一層美味しく感じるはず。
 
グラスに注いでみると色がとても綺麗です
グラスに注いでみると、ん~いい香り!

日本酒ベースの梅酒は、ほんのりうま味も感じられるこっくりとした甘い香りで、黒糖やみりんにも似ています。飲む前から、とろっとまろやかで美味しいんだろうなと想像がつきます。

ホワイトリカーのほうは、お酒の匂いはほとんどせず、ダイレクトに梅のみずみずしい爽やかな香り。日本酒ベースとは真反対の印象ですが、どちらもとっても美味しそう。

そして見た目も3ヶ月前と比べると、どちらも鮮やかな琥珀色に変化しました。日本酒ベースの梅酒は元々の色がホワイトリカーより濃かったせいもありますが、比較するとさらに梅エキスの抽出にも差が出ていたようで……
梅の実比較
左が日本酒に漬けた梅 右がホワイトリカーに漬けた梅
梅の実だけを並べてみるとこんなにも違いが! ホワイトリカーに漬けていた梅は形に変化はあまりありませんが、日本酒の梅はシワシワにしぼんでいました。

梅酒は、糖分を多く入れるほど梅エキスが抽出されやすく、できあがりが早くなるといわれています。日本酒は米を多く含むため糖度が高くなり、そのおかげでホワイトリカーよりもたっぷりエキスが抽出されていたみたいです。

それでは編集部のメンバーに2つの梅酒を飲んでもらいます。初挑戦の日本酒梅酒、ホワイトリカーで漬けた梅酒と比べると、どんな味になったのでしょうか?
試飲カップに注いだ梅酒
編集部員F

編集部員F

まずはホワイトリカーで漬けた梅酒をどうぞ。

編集部員S

編集部員S

うん、さっぱりしていて美味しい梅酒だね

編集部員E

編集部員E

香りにアルコールっぽさがない割に、飲むとお酒感が少し気になります

編集部員A

編集部員A

そうですね、砂糖が控えめな分まだ早かったかも

編集部員Y

編集部員Y

ホワイトリカーが無臭だから梅の風味だけを楽しめるのがいいな

編集部員S

編集部員S

これ、酸味強めの爽やかな梅酒が好きな人にはたまらないね


たった3ヶ月で十分美味しくなったものの、アルコール感やトゲトゲ感が残る点は、確かに少し気になりました。

やはり砂糖の量を控えめにした分、抽出時間は一般的な作り方の梅酒よりもかかるみたいです。もう数ヶ月置くと今よりもグッと美味しくなりそうなので、これからの成長が楽しみです。
編集部員F

編集部員F

それではお待ちかね、日本酒で漬けた梅酒はどうでしょうか?

編集部員E

編集部員E

飲むと印象がぜんぜん違う! 香りだけだと結構甘いのかと思ったけど、まろやかで酸味のバランスも絶妙ですごく美味しいです

編集部員Y

編集部員Y

ふんわり飲みやすいから女子ウケも良さそうだね

編集部員A

編集部員A

スーパーの梅で作ったとは思えない高級感ですね~!

編集部員S

編集部員S

漬けて3ヶ月とは思えないくらい芳醇な味になってるね

編集部員A

編集部員A

日本酒で漬けた梅酒ってこんなに美味しいんですね~


お酒以外同じ材料で作ったとは、にわかには信じがたいほど、味にも香りにも大きな違いがありました。どちらもそれぞれ好評でしたが、やはり日本酒のうま味がギュッと凝縮されたまろやかな梅酒は想像以上の美味しさでした。

1年後、日本酒で漬けた梅酒はどうなった?【20/7/2追記】

左が日本酒、右がホワイトリカーの梅酒
左が日本酒、右がホワイトリカーの梅酒
梅酒2種比較
日本酒で漬けているほうが相変わらず色が濃い
編集部員F

編集部員F

梅を漬けてから1年が経過しました。ホワイトリカーの梅酒はいかがでしょう?

編集部員A

編集部員A

いい香り! アルコールのきつさがだいぶ無くなりましたね~

編集部員E

編集部員E

ストレートで飲むと砂糖の甘みをけっこう感じるけど、炭酸で割ったら酸味とのバランスが良くなってフレッシュな飲み口になりますね

編集部員Y

編集部員Y

これ本当に美味い、本格梅酒だね。懐石料理屋ででてきそうな雰囲気

編集部員Z

編集部員Z

クエン酸効果で明日スッキリ目覚められそうな気がします

編集部員F

編集部員F

では次は日本酒の梅酒をどうぞ! 見た目からして梅エキスが凝縮された感じがしますが…

編集部員S

編集部員S

まず匂いがぜんぜん違うね、旨味が凝縮されたいい香り

編集部員A

編集部員A

香りの印象から甘いかと思ったけど、ストレートでも意外と甘さは控えめでアルコール臭さもなく、スイスイ飲みやすいです!

編集部員E

編集部員E

なのにまろやかで複雑で熟成された感じもあって…、不思議な魅力の梅酒ですね

編集部員M

編集部員M

こっちは炭酸で割るよりもロックで旨味を味わうほうが向いてそうですね

編集部員Y

編集部員Y

お米の香りもふわっとするから、梅酒なのに日本酒っぽさもあって美味しいなあ


ちなみに日本酒梅酒の経過を並べてみるとこんな感じ。
日本酒で漬けた梅酒の1年間の経過の様子
撮影環境の差もありますが、梅酒の色を比べてみると旨みが凝縮されていて、月日が経つごとに梅のエキスが抽出されて実が小さくなっているのがわかると思います。1年経過したものは梅を長期間漬けていたせいか、若干色が濁ってきているので、そろそろ梅の実を取り出したほうがよさそうです。
 

梅酒を日本酒で漬けてよかったこと

●度数が低くて飲みやすい
通常スーパーなどで売られているホワイトリカーのアルコール度数は35度ですが、梅酒用の日本酒はどれだけ高くても20度程度。アルコール度数が低い分、二次発酵に気をつけたりと少々気は使いますが、アルコールのとげとげしさをほとんど感じないまろやかな梅酒が出来上がります。

●すぐに飲める
漬けてから3ヶ月後に飲み比べた時、砂糖が少ないこともあり、ホワイトリカーではアルコール感やトゲトゲ感が気になりましたが、日本酒のほうは全く気にならずむしろ芳醇さを感じるほど味が出来上がっていました。1年も待ちきれない…! というせっかちさんは一度日本酒の梅酒を試してみてください、感動します!

●やさしい味わい
日本酒で漬けるメリットは、砂糖の量が少なくても、お米の甘みで甘くまろやかになるところ。砂糖の甘さとはまた違ったやさしい味わいなので、ベタベタした甘さが苦手な人におすすめです。

・・・・

1年漬けた梅酒2種類を飲んでみると、どちらも全く違った香り・味わいになっていて、とても面白い結果になりました。

ホワイトリカー版はキリッと酸味のある感じで、日本酒版はまろやかで旨味が凝縮された飲みやすい味、どちらにもそれぞれの魅力があり、好みによるところが大きいと思います。次の梅仕事のシーズンでは、ぜひ両方作ってご家庭で飲み比べてみてください!


※1…出典:消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。|国税庁

※記事内の商品価格はネット通販で購入した際の税込価格です。
※記事の情報は2019年6月12日のものです。(2020年7月2日更新)
 

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