大吟醸もお燗でうまい!-全国燗酒コンテスト2017

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メインビジュアル:大吟醸もお燗でうまい!-全国燗酒コンテスト2017
さけ通信
今年で9回目を迎えた全国燗酒コンテストの結果が発表されました。
入賞したお酒をよく見ると、冷やして飲んでおいしいはずの「大吟醸」や「にごり酒」が最高金賞をとっています。

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集合写真
審査風景1
審査酒はすべてマスキング
“えっ、そんな馬鹿な”。
人に自慢できるくらいたくさん、いろいろな日本酒を飲んできましたが、裏ラベルに「お燗で」と書かれた「大吟醸」は記憶にありません。「にごり酒」だって、いつも冷蔵庫で冷やしていました。

これは審査員が素人、あるいは売らんがための出来レース? でも審査員の顔触れは、酒づくりを技術指導してきた研究者や名だたる地酒専門店のご主人、ソムリエ、酒スクールの講師など酒の専門家ばかりです。どういうことなのか確かめねばならないと、主催者である全国燗酒コンテスト実行委員会のMr.燗酒さんに聞いてみました。

「辛口・ぬる燗・いい酒は冷やして」の次に進め

―― 大吟醸やにごり酒は冷やして飲むものだと思っていましたが、全国燗酒コンテストではいろいろなお酒が入賞しています。ちょっと驚きでした。
Mr.燗酒 あなたは最近の典型的な地酒ファンのようですね。
大吟醸は燗をしてはいけない、
飲み放題の酒はおいしくない、
最初はひどい目にあったけれどあの酒で日本酒に目覚めた、
とか言ったことがありませんか?


―― はぁ? まあ、言ったことはありますが……それが何か?
Mr.燗酒 間違いとは言いませんが、日本酒好きに昔から伝わる神話に影響されると、そうなりがちです。酒は辛口、燗ならぬる燗、も酒通の都市伝説です。ほんとうは甘口や熱燗が好きな方が多い。ほんらい日本酒はもっと自由で、好きに飲んでいいんです。
燗をするのも電子レンジがダメなんて嘘。ていねいに湯煎してもらったら、もてなされた気分になりますけどね、おいしくないと思ったら、別のやり方にすればいい。それだけです。


―― どうすれば上手にお燗ができますか?
Mr.燗酒 鍋に湯を沸かして徳利に酒を入れて湯煎するのが基本です(写真①)。
電子レンジで温めたら、別の徳利に移し替えると温度ムラがなくなります(写真②)。
燗のつけ方

電子レンジではくびれのない寸胴の器を使えば、あるいはお箸を一本入れておくと温度ムラができにくくなります。湯豆腐のような鍋のときは徳利を鍋に入れてしまうと楽ちんですし、BBQなら炭火の上に直において構いません。囲炉裏があれば鳩徳利を刺して楽しむのは外国人に受けます。
お箸を一本入れておくと温度ムラができにくくなります
湯豆腐のような鍋のときは徳利を鍋に入れてしまうと楽ちん
囲炉裏があれば鳩徳利を刺して楽しむのは外国人に受けます

―― ではお燗でおいしいのはどんなお酒なんですか?
Mr.燗酒 一概に言えないので専門家のフィルターを通してみたのがこのコンテストです。たいていの日本酒は、燗でも、常温でも、冷しても、そこそこ飲めます。だから酒蔵の方も実は真剣に考えなくてもよかった。

コンテストには4つの部門があります。
「(お値打ち)熱燗(720ml 1100円以下・税別)」
「(お値打ち)ぬる燗( 〃 )」
「プレミアム燗酒(720ml 1100円超・税別)」
「特殊燗酒(樽・にごり・極甘・多酸など)」

です。

出品いただいている酒蔵に聞いてみると、どの部門になにをエントリーするか決めるために、初めて燗で本当においしいのはどれかを考えて、審査温度に合わせて蔵人みんなで試している感じがあります。プレミアム燗酒部門では大吟醸・吟醸が対象になってきますし、特殊燗酒部門はにごり酒や極甘の酒も対象です。こういう酒は燗で試したことがなかったという声を蔵の方からもよく聞きます。


―― へえ、そんなもんですか。
Mr.燗酒 はい。そんなものです。
酒蔵にとって燗酒は昔からある当たり前のものでしたからね。冷やして飲むのが広がったのは1980年代で、まだわずか35年です。その前は全部、燗酒でした。当時、吟醸酒は蔵人が腕を磨くためにつくるもので商品化するものではありませんでした。F1マシンは公道を走るものではないみたいな感じです。
それを市販したら手応えがあった。高くても喜んで買う人がいたんです。


―― お金持ちのグルメですか?
Mr.燗酒 もっと幅広かったと思います。
果物のような香りとすっきりした味が気にいられたのが一番ですが、“違いのわかる人”になりたいと思う人は少なくありません。ちょうどグルメ漫画の『美味しんぼ』の連載が始まった頃です。そんな人たちに、これまでとは違う新しい酒として「吟醸酒」を伝えるために、ことさら「冷やして飲む」と強調する必要があったのではないでしょうか。
話を元に戻すと、燗でおいしいお酒は、酒の規格(本醸造・純米・吟醸・大吟醸など)では一概に言えないので、
とりあえずコンテストで入賞したものを試していただくのがいいと思います。

吟醸でもうまく熟成したものや、
舌の脇を支えるような酸のしっかりしたもの、
香りがおだやかなもの、
甘くジューシーすぎないものなど、
だんだん燗でおいしいタイプがわかってきます。
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