人気の「一升瓶ワイン」の魅力とは? ワイナリーの方に聞きました。

山梨や長野など、ワインの生産地では晩酌用として昔から飲まれていた「一升瓶ワイン」。テレビ番組などでも紹介され、いまや全国区の人気に。歴史や美味しい飲み方など一升瓶ワインについて、山梨のワイナリー「盛田甲州ワイナリー」の井上工場長にお聞きしました。

ライター:nonnon
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ワイン王国「山梨」で昔から親しまれてきた一升瓶ワイン

ワインにはマグナムボトル(1500ml)というサイズもありますが、それよりも多い一升瓶(1800ml)に入った一升瓶ワイン。たっぷり飲めて家飲み派にはうれしいサイズの一升瓶ワインは、いつ頃から生産され、どんな風に親しまれてきたのか? 山梨のワイナリー「盛田甲州ワイナリー」の井上工場長にお話をお聞きしました。

一升瓶ワインは醸造所の家飲みワインとして誕生

――一升瓶ワインはいつ頃から造られていたのでしょうか?

井上:大正時代の終わり頃にはあったようですが、販売用ではなく、農家の方々が規格外のぶどうを使い、共同醸造場で作ったワインを時自家用のお酒として飲んでいたようです。当時はワインボトルの標準サイズである750mlボトルが国内では製造されていなかったので、日本酒の一升瓶を再利用して詰めたのが始まりだと聞いています。その頃はワインではなく「ぶどう酒」と呼ばれていて、白ワインも破砕したぶどうを圧縮せず、そのままタンクに入れて赤ワインと同じように果皮や果肉を含んだまま発酵させるスタイルだったようです

――ぶどうの品種や味の特徴などは?

井上:地元で栽培している「甲州」「デラウェア」「マスカット・ベリーA」などで造っています。味は全体に甘めのものが多く、熟成を楽しむというよりは、気軽に飲める軽いものが多いですね。現在は搾汁機の発達や醸造技術の進歩により、一升瓶ワインも他のワインと同じ醸造法で造っていますので、フルーティーで味も洗練されてきていると思います。

一升瓶ワインは湯飲みで気軽に飲むのが地元スタイル

――地元ではどんなスタイルで飲んでいますか?

井上:主に晩酌用ですね。やや甘めで飲みやすいものが多いので、夕食ができるまでの間に作りおきのおかずでちょっと一杯やる、という感じでしょうか。コップや湯飲みに注いで、漬物や煮物、おでんなんかをアテにして飲んでいます。町内会の集まりなどの際は焼酎やら日本酒やらいろいろなお酒を持ち寄りますが、一升瓶ワインは欠かせません。たっぷり飲めるので、大勢でわいわい楽しむときにぴったりなんです。

――県外にも販売するようになったのはいつ頃から?

井上:
昭和20~30年頃は県外でも販売していたと思います。しかし、750mlの瓶が一般的になり、ワインブームがやってきて県外への出荷量は減ったようです。最近になってまた取扱店が増えてきましたが、これはワイン文化が成熟して、日本ワインをお得に飲みたい人や、少し変わったものを飲みたというワイ注目しているのかなと感じています。価格的にも1本1000~3000円台と手頃なので、いわゆるテーブルワインにはちょうどいいと思います。
湯飲みに注いだワイン

一升瓶ワインは味が劣化しにくいので保存にも便利

――残ってしまった場合の保存法などは?

井上:地元では大勢で飲むことが多いので残ることはあまりないのですが(笑)。

一升瓶ワインは全体の容量から見ると瓶の口が狭く、空気に触れる面が少ないため味が劣化しにくい特徴があります。数日なら冷蔵庫に入れなくても冷暗所に置いておけば大丈夫だと思います。気取らずに飲めるワインなので、ぜひ、食事と合わせて楽しんでほしいですね。
 

ソムリエがおすすめ! おいしい一升瓶ワイン

本サイトの連載でもおなじみのソムリエの青田さんに、一升瓶ワインの生産地として有名な山梨県と長野県のワイナリーのものからおすすめをセレクトしていただきました。

\おすすめ一升瓶ワイン①/
シャンモリ 山梨産マスカット・ベーリーA

ソムリエ青田

ソムリエ青田

山梨県を代表する国際品種、マスカット・ベーリーAを100%使用。マスカット・ベーリーAらしい口当たりのよさ、ライトな味わいでデイリーに使える飲みやすい赤ワイン。肉じゃがなどのコックリした料理と好相性です。

ワイナリー:盛田甲州ワイナリー株式会社
原材料名:ぶどう(山梨県産マスカットベリー・A種、山梨県産)/酸化防止剤(亜硫酸塩)
アルコール分:11.5%
価格:2,592円(税込)

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\おすすめ一升瓶ワイン②/
シャンモリ 山梨産甲州


 
ソムリエ青田

ソムリエ青田

山梨県を代表する国際品種、甲州を100%使用。甲州らしい爽やかな酸味と繊細な味わいは日本の食卓にぴったり。食事といっしょに味わいたい白ワインです。焼鳥などによく合います。

ワイナリー:盛田甲州ワイナリー株式会社
原材料名:ぶどう(山梨県産甲州種、山梨県産)/酸化防止剤(亜硫酸塩)
アルコール分:11.5%
価格:2,592円(税込)

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\おすすめ一升瓶ワイン③/
井筒ワインバンクエット赤


 
ソムリエ青田

ソムリエ青田

長野県産のコンコードを使用した赤ワイン。ほんのり甘口でワインビギナーにもおすすめできる飲みやすい赤ワインです。

ワイナリー:株式会社 井筒ワイン
原材料名:ぶどう(長野県塩尻市・松本市産)/酸化防止剤(亜硫酸塩)
アルコール分:12.5%
価格:1,728円(税込)

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\おすすめ一升瓶ワイン④/
井筒ワインバンクエット白


 
ソムリエ青田

ソムリエ青田

長野県を代表する白ブドウ、ナイアガラを使用した白ワイン。ナイアガラらしいフルーティーな味わいで、ほんのり甘い白ワインです。お酒が苦手な方でも飲みやすい味わい。

ワイナリー:株式会社 井筒ワイン
原材料名:ぶどう(長野県塩尻市・松本市産)/酸化防止剤(亜硫酸塩)
アルコール分:12.5%
価格:1,728円(税込)

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一升瓶ワインを飲み比べしてみました!

一升瓶ワインとつまみ
今回は「おでん」「とりのもつ煮」「お漬物」をおつまみに

4種類の一升瓶ワインを飲み比べ。せっかくなので、湯飲み茶碗についで、お漬物や煮物でいただく地元の晩酌スタイルで味わってみることにしました。 大きな瓶が4本並んだ姿はなかなか壮観。一升瓶からワインを注ぐ…というのは初めての経験で、宴会気分が盛り上がります。
 

シャンモリ 山梨県産マスカット・ベーリーA

マスカット・ベーリーAらしい、フレッシュさとベリー系の香り、かつ華やかさ もありバランスがいい赤ワイン。「少し冷やして飲むのが良さそう」軽い口当た りでスイスイ飲める」「飲み疲れしない味」と、飲みやすさが高評価。これが一番の気に入ったという編集部Aは「酸味や渋みが穏やかでのどに引っかかる感じがなかった」と飲みやすさを評価。そして驚いたのが赤ワインとお漬物の相性の良さ。マスカット・ベリーAの穏やかな酸と漬物の塩味がマッチしてお互いを引き立ててくれます。
 

シャンモリ 山梨産甲州

フルーティーさはありますがベタっとした甘さはなく、スッキリした飲み心地。 編集部Sは「しっかりワインの風味がありつつもスイスイ飲める。休日のブランチとかアウトドアにも良さそう」と万人ウケする味と評価。ほかにも「酸味が控えめで飲みやすい」「優しい味なのでおつまみも薄味のものが良さそう」などの意見も。 今回用意したおでんや豆腐料理、これからの季節なら寄せ鍋なども合いそうです。
 
続いては山梨とならぶ一升瓶ワインの生産地である長野産のワイン。
 

井筒ワインバンクエット赤

長野県を代表する「コンコード」はジュースにも使われる糖度の高いぶどう品種なので、仕上がりはやや甘め。湯飲みに注いでいるときから甘い香りが漂ってきます。 甘めで軽い口当たりが好きという編集部Fは「食事と合わせるよりはワインだけで飲むことが多いので、これはぴったり」とイチオシ。おつまみなしでもイケるフルーティーな味わいです。一方で「晩酌ワインとしては甘めかも」という声もあり、確かにお漬物やおで んと合わせて飲むと甘さが気になるかもしれません。ただ、もつ煮込みなど「甘辛系」との相性は抜群。たれ味の焼き鳥など濃い目の味付けのものにはマッチしそう。飲み頃は6~8℃に軽く冷やすのが おすすめ。
 

井筒ワインバンクエット白 

マスカット系の品種「ナイヤガラ」を使った白ワイン。ほんのり甘く飲みやすい白ワインなのですが、ナイアガラ種独特の香りが特徴的。「ぶどうの枝のような」「樹木っぽい」などの感想があり、樽香とは違う独特の香りが印象に残ります。白ワイン好きのライターNは「個性的な香りは好みが分かれるところですが、私はクセになりそうです」何にでも合う…という味ではないですが、お漬物など塩気のあるおつまみとはよく合っていました。飲み頃は4~8℃程度としっかり冷やして。



4本の一升瓶ワインを飲んでみて分かったのは、どれも口当たりが軽いながらも、ぶどう品種の個性が味わえる、デイリーワインとして「大あり!」ということ。存在感のインパクトもあるので大人数の家飲みパーティーやバーベキューなどに持っていてもウケそうです。値段も手頃なものが多いので、いろいろ試して自分好みの1本を見つけてみてください。

※記事の情報は2019年10月1日時点のものです。
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