南アフリカらしさを感じるワイン《コスパワインのススメ⑥》

1000円以内の安旨コスパワインをソムリエがセレクト! 今回はラグビーでも盛り上がる南アフリカのワイン。南アフリカならではの品種を使った南アフリカらしい味わいのワイン「ラソス ウエスタンケープ」をご紹介。

ライター:青田俊一青田俊一
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ソムリエの資格を持つ名古屋の酒類卸イズミックの青田が、コスパで選んだ安旨ワインをご紹介。今回はラグビーでも話題の南アフリカのワインをご紹介します。

南アフリカは実は歴史あるワイン生産国

これは安くて美味しいと個人的に思ったコスパワインを毎月ご紹介する企画、今回はワイン好きにはメジャーな産地、南アフリカのワインをご紹介します。

南アフリカのワインは一般的にはあまり馴染みがないかもしれませんが、ニューワールドの中では歴史が古く、1659年に最初のワインが造られたという記録が残っています。

アフリカという地名から暑いところと思われがちですが、南アフリカは南緯27度~34度に位置する穏やかな地中海性気候。特に一大産地である西ケープ州は南極からの海流の影響を受け、ブドウ栽培に適した冷涼なエリアです。ケープドクターと呼ばれる季節風が吹くことから、防虫剤や防カビ剤の使用を最小限に抑えられると言う点も南アフリカの特徴です。

南アフリカのブドウ品種といえば代表的なのがシュナン・ブランです。南アフリカでは17世紀より栽培されていたとされ、もともとスティーンという名前で呼ばれていましたが1963年にシュナン・ブランと同一の品種であることが判明しました。

もともとはフランスのロワール原産と言われる品種ですが、栽培面積は南アフリカが世界で最大。南アフリカが世界に誇る白ワイン品種です。

赤ワイン品種はカベルネ・ソーヴィニヨンやシラー、メルローといった国際品種の栽培が盛んですが、南アフリカらしい品種と言えばピノタージュです。ピノタージュは南アフリカの固有品種で、ピノ・ノワールとサンソーを交配して誕生しました。

南アフリカではボルドーブレンドが主流ですが、このピノタージュを使用したケープブレンドというスタイルも最近では人気です。
 
ラソス ウエスタンケープ
そんな南アフリカのワインから今回ご紹介するのは、「ラソス ウエスタンケープ」の白と赤。呼んで字のごとく西ケープ州のワインです。

白は先述の南アフリカを代表する品種、シュナンブランとコロンバールのブレンド。

赤はシラーを中心に、こちらも先述の南アフリカの独自品種のピノタージュにカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローといったボルドー品種をブレンドしたケープブレンド。

では、お楽しみの試飲タイムです。

南アフリカワインの味わいは?

ラソス ウエスタンケープ ブラン
ラソス ウエスタンケープ ブラン
まずは白のほうからいただきます。

色合いは輝きのあるイエローゴールド。強いロースト香にハチミツの甘い香りがほんのり漂います。口当たりはクリーミーで、酸味はおとなしく穏やか。ジューシーな果実味が印象的です。これは牡蠣にすごく合いそうです。
 
ラソス ウエスタンケープ ルージュ
ラソス ウエスタンケープ ルージュ
お次は赤です。

色合いは紫がかった濃い赤。スパイシーな香りを強く感じます。アタックは柔らかな酸味、そのあとにしっかりとした果実味、フルーティな印象です。酸味と果実味のバランスが絶妙でエレガントな仕上がり。タンニンは穏やかで余韻はすっきりめです。合わせるなら豚肉、ポークソテーとかがよさそうです。

どちらもフランスワインの繊細さと、ニューワールドのはつらつさを程よく兼ね備えたバランスのよさが魅力です。料理にも合わせやすいので、家飲みでの使い勝手も良さげです。

そして何よりコスパ、この味わいのフランスワインだと倍くらいの金額になりそうです。

コスパ抜群の南アフリカワイン、ぜひお試しください。
 

ラソス ウエスタンケープ ブラン【商品概要】

  • 産地:南アフリカ
  • 原料品種:コロンバール、シュナン・ブラン
  • アルコール度数:12.5%
  • 容器・容量:750ml瓶
  • 参考小売価格:980円(税抜)
  • 輸入元:リーダーメディアテクノ

ラソス ウエスタンケープ ルージュ【商品概要】

  • 産地:南アフリカ
  • 原料品種:シラー、ピノタージュ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー
  • アルコール度数:13.5%
  • 容器・容量:750ml瓶
  • 参考小売価格:980円(税抜)
  • 輸入元:リーダーメディアテクノ

※記事の情報は2019年10月21日時点のものです。
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