ブルガリアの土着品種「ガムザ」でつくったワインを飲んでみた

歴史あるワイン産地ブルガリアで古くから栽培される土着品種「ガムザ」。ブルガリアでの栽培面積はわずか2%という希少な品種「ガムザ」を使った赤ワインの味わいとは?

ライター:青田俊一青田俊一
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名古屋の酒類卸イズミックの青田が、いま注目のお酒の情報をバイヤー目線でお届けします! 今回は珍しい品種を使った赤ワインをご紹介します。

ブルガリアの土着品種「ガムザ」

ここ最近、東ヨーロッパのワインに注目しているのですが、今回はその中でもちょっと珍しい品種のワインを見つけたのでご紹介したいと思います。

ご紹介するのはブルガリアの「ボロヴィッツァ コレクション ガムザ」という赤ワインです。
 
ボロヴィッツァ コレクション ガムザ
以前にもこちらでブルガリアのワインをご紹介したことがありますが、その際はシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンという国際品種でした。世界最古のワインの歴史を持つワイン産地とも言われるブルガリアですが、実は国際品種の生産が盛んな国で、2007年にEUに加盟したことにより輸出量が一気に増加。世界的にも注目される産地となっています。
そんな事情もあってか、ブルガリアの土着品種のワインはなかなか日本では見かけることがないのが現状なのですが、今回はそのレアな土着品種を使ったワインを入手したので、そちらをご紹介しようというわけです。

こちらに使われているブドウは「ガムザ」という品種。正直なところ、私も初めて聞く名前の品種です…と思ったらちゃんとソムリエ教本には載っていました。

ガムザはほかの東ヨーロッパの国々でも細々とではありますが栽培されている品種で、ハンガリーなどでは“カダルカ”という名称で呼ばれています。オーストリア・ハンガリー帝国時代のハンガリー王の最も好きなブドウ品種だったと言われており、歴史のある品種です。

長い歴史を持つ品種ではあるものの、栽培が難しく安定した収穫ができないことから今では栽培面積もごくわずか。しかしながらその複雑で繊細な味わいには熱狂的なファンも多いとのことで、やっぱり気になるのはその味わいです。

というわけで、早速試飲のお時間といきましょう。

「ボロヴィッツァ コレクション ガムザ」を飲んでみた

「ボロヴィッツァ コレクション ガムザ」を手掛けるのは、ブルガリアの北西部のボロヴィッツァ村にて2005年に設立された比較的新しいワイナリー。「すべては自然が創るもの」という理念のもと、ビオロジック農法を用い、出来る限り人の手を加えず、テロワールと土地の個性を素直に表現する職人的なワイナリーです。

そんなワイナリーが手掛けたこちらの「ボロヴィッツァ コレクション ガムザ」、もちろん品種はガムザ100%。それではグラスに注ぎましょう。
ボロヴィッツァ コレクション ガムザ
グラスに注いでみて驚き、香りがすごく広がります。しかもあまり感じたことのない独特な香り。カシスのような黒い果実の香りに赤い花のような香りが混ざり、スパイシーで独特な芳香が広がります。

香りが結構どっしりしているので、味わいもさぞかしどっしりしているのかと思いきや、口当たりは優しく軽やかな飲み心地。ラズベリーのような果実味に、程よい酸味、タンニンは少なめという飲みやすいタイプの赤ワインです。

ブルガリアと言えば日本ではヨーグルトのイメージが強いかと思いますが、そのヨーグルトを使った料理や、少し酸味のあるソースなどを使った料理によく合いそうな味わいです。

こちらのブルガリアのワインに限らず、東ヨーロッパのワインは全般的にあまり飲む機会がないかもしれませんが、お値段も手ごろでお手軽に新しい体験ができるので、見つけた際は迷わず挑戦してみてください。家飲みワインの幅が広がると思います。

また機会があれば他の東ヨーロッパの国のワインもご紹介したいと思います。お楽しみに。

 

「ボロヴィッツァ コレクション ガムザ」【商品概要】

  • 原料品種:ガムザ100%
  • 生産国:ブルガリア
  • 容量 / 容器:750ml / 瓶
  • 参考小売価格:2,350円(税抜)
  • 輸入元:モトックス
※記事の情報は2022年11月21日時点のものです。
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