30年に1度の奇跡!30年熟成させた日本酒を飲んでみた。

名古屋の酒類卸イズミックの青田が、いま注目のお酒の情報をバイヤー目線でお届けします! 今回はいま密かにブームの日本酒“熟成酒”をご紹介します。

ライター:青田俊一青田俊一
メインビジュアル:30年に1度の奇跡!30年熟成させた日本酒を飲んでみた。

30年熟成の熟成古酒

30年熟成の熟成古酒
先日の編集部の記事にて取り上げられた熟成酒のイベント“熟成古酒ルネッサンス2018”。(取材記事はこちら)熟成酒はいま密かにブームということで、私もとても行きたかったのですが、都合により行くことができず残念、と思っていたところ、ちょうどいいタイミングで岐阜の千代菊さんから紹介されたのがこちら「三十年に一度の奇跡」。もう名前からしてかなり貴重な感じが漂っていますが、読んで字のごとく原酒を蔵内で30年にわたり長期熟成させた大変貴重なお酒とのこと。30年前と言うと何してたかなー、と考えてみたところランドセル背負ってただただ無邪気だったあの頃でした。30年の重みを考えさせられます。その30年を閉じ込めるかのような立派な外装です。
30年の重みを考えさせられます
期待を胸に箱から取り出してみます。色合い熟成した白ワインのよう。30年というともう少し色がついてしまっているかなと思ったのですが、綺麗な琥珀色です。
このお酒、ちょっと変わっているのはワイン酵母を使用しているという点で、最近ではワイン酵母や花酵母などの変り種酵母を使って醸造するところも増えてきましたが、30年前にすでにワイン酵母にチャレンジしていたというのは驚きの一言です。
というわけで、お楽しみの試飲タイムです。

飲んでみた。

それでは開栓といきましょう。栓を開けた瞬間から香りが広がります。グラスに注ぐと、最初にバニラのような甘い香り、そのあとにシェリーのような熟成香を感じます。日本酒特有の老ねてツンとした嫌な香りはほとんど感じないので、味も期待できそうです。
栓を開けた瞬間から香りが広がります。
グラスに注いだ色を見るとほとんど白ワインのよう、ブラインドで出されたらぱっと見で日本酒とは分からないかもしれません。飲んでみるとこれまた日本酒と言うよりかはワインのようなニュアンスが強く、最初に甘み、そのあとに梅酒のような酸味が口に残ります。山廃系の古酒やオレンジワインにみられる“えぐみ”もなく意外と飲みやすい、というのが第一印象です。熟成感は感じるものの30年と言われるとそこまでの年月が経っていないような、熟成によって味がぼやけることなくまだしっかりと芯のある感じがします。おそらくワイン酵母で仕込むことにより酸度が高くなったことで、熟成がいい感じに進んだのだと思います。まさに奇跡。

で、飲み方はというと食中酒というよりは単体でじっくりと楽しみたい味わいです。あとはやっぱりチーズにもよく合いそうです。先日取材に伺った私のお気に入りのバー、「内山三丁目チーズバー」の杉浦さん(取材記事はこちら)ならどう合わせるかちょっと気になるところなので今度聞いてみようと思います。また変化球で合わせるならバニラアイスでしょうか。食後のゆったりとした時間にぴったりはまりそうです。

正直なところ熟成酒の類はあまり好みではなかったのですがこれは美味しくいただけました、ごちそうさまです。30年に一度の奇跡、この名前に偽りはありませんでした。
というわけで、注目の熟成酒、あまり店頭でも見かけることがないのでなかなか飲む機会も少ないかとは思いますが、ぜひ一度、家飲みでお試しください。

三十年に一度の奇跡【商品概要】

  • 産地:岐阜県
  • アルコール分:17.3%
  • 容器 / 容量:瓶 / 375ml
  • 参考小売価格: 4,000円(税別)
  • 製造元:千代菊
※記事の情報は2018年5月21日時点のものです。
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