北海道のワインがすごい!

実は大注目! 北海道のワイン事情を解説します。

メインビジュアル:北海道のワインがすごい!

   

『さけ通信』は「元気に飲む! 愉快に遊ぶ酒マガジン」です。お酒が大好きなあなたに、酒のレパートリーを広げる遊び方、ホームパーティを盛りあげるひと工夫、出かけたくなる酒スポット、体にやさしいお酒との付き合い方などをお伝えしていきます。発行するのは酒文化研究所(1991年創業)。ハッピーなお酒のあり方を発信し続ける、独立の民間の酒専門の研究所です。

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日本でもフランスのボルドーやブルゴーニュのように、法的にワインの産地を認定し、産地のブランド価値を高めるとともに表示を保護する動きが進められています(GI:地理的表示)。第一号として認定されたのは「GI山梨」で山梨県で栽培されたブドウを同県内で醸造・瓶詰したワインが認定されます。それに続いて今年6月には「GI北海道」が認められました。

寒冷地の北海道でワイン?とお感じになる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここ数年間、北海道ではワイナリーの参入ラッシュが続き、国内屈指のワイン産地になりつつあります。寒冷地でも栽培可能なブドウ品種や寒さに負けないように育てる栽培方法の研究が進んで、広いブドウ畑を確保しやすい北海道でワイナリーを開業する人が増えているのです。

私が北海道のワインに関心をもったのは今から10年ほど前です。小樽にある北海道ワインが、北海道産のブドウだけでワインをつくっていると知り、訪ねたのがきっかけでした。以来、少しずつ訪ねてきたワイナリーをご紹介します。
 

北海道のワインをリードする北海道ワイン(小樽市)

ラベルにひらがなで『おたる』と書かれたワインに見覚えのある方はいらっしゃいますか? 北海道ワインを代表する商品で、北海道内で生食用(フルーツとしてそのまま食べる)に栽培されたブドウでつくる、果実味豊かなワインです。

かつては日本の一定規模以上のワイナリーの多くは輸入原料(ブドウ果汁やワイン)のワインを使っていました。国内で栽培されるブドウを使っていたワイナリーはほんのひと握りです。そんななか北海道ワインは道産のブドウを用いたワインづくりを徹底し、自社の畑でのブドウづくりにも果敢にチャレンジしてきました。その畑を見てみたいと、空知地区にある鶴沼ワイナリーに足を運んでみると、日本とは思えない広大なブドウ畑が広がり、成人男性の背丈ほどのもあるタイヤの収穫用トラクターに度肝を抜かれたのでした。

北海道の本格的なワインづくりは、北海道ワインから始まったと言っても過言ではありません。
北海道ワインの醸造所
北海道ワインの醸造所は小樽市の郊外にある。鶴沼ワイナリーをはじめ道内各地から集めたブドウをここで醸造する
鶴沼ワイナリー
広大な鶴沼ワイナリーはドイツ系を中心にのワイン用ブドウ品種が植えられている。写真は2009年に訪ねた時のもの。3年前に再訪すると、畑ごとに蓄積したデータをもとに、老いたブドウの木の植え替えが進められていた
鶴沼ワイナリーの大型収穫機
大型の収穫機がブドウ畑に入れるのは日本でも鶴沼ワイナリーくらいだろう

 

小樽駅から徒歩で行けるワイナリー

小樽には昨年、新しいワイナリーができました。小樽駅から徒歩で行け、周りにおいしい食べ物屋さんがあるOSA(オサ)ワイナリーです。ご夫妻でワインをつくり、時間に余裕のある時期だけ、有料試飲ができるバーとショップを開けます。お二人は元々某ワインメーカーで営業の仕事をしており、ワインと飲み手を繋ぐことに情熱を傾けてきました。一念発起してワイナリーを開業し、先輩のワイナリーやブドウの栽培農家の方に見守られながら、ブドウ栽培とワイン醸造に取り組んでいます。
OSAワイナリー
100年以上前の石造りの倉庫を改装してワイナリーに。1階が醸造所で、2階はショップ。訪ねる際にはホームページで営業時間を確認してください。

 

千歳・札幌にもワイナリー

札幌滞在だけという方にも気軽に訪ねられるワイナリーがあります。 地下鉄の真駒内駅からバスやタクシーでアクセスできるのが、さっぽろ藤野ワイナリーです。写真のように喫茶店のようなショップ&醸造所で営業していらっしゃいましたが、少し前に醸造所を近くのパークゴルフ場のなかに移したそうです。

そして、さっぽろ藤野ワイナリーよりも5Kmほど先には、八剣山ワイナリーがあります。ご主人は小規模なワイナリーのために書かれた『ブドウ畑から始まる職人ワイン造り THE BACKYARD VINTNER』という本を、日本語訳して出版するほどの勉強家です。
さっぽろ藤野ワイナリー
さっぽろ藤野ワイナリー
八剣山ワイナリー
八剣山ワイナリー

新千歳空港の近くにある千歳ワイナリーは、山梨県の中央葡萄酒が経営するワイナリーで、JR千歳駅から徒歩10分ほどです。設立当初は北海道特産のハスカップを用いたワインの製造がメインでしたが、道内の良質なブドウに注目し、欧州のワイン用品種でのワインづくりを進めています。
千歳ワイナリー
石造りの倉庫を改装したグレイスワイン千歳ワイナリー
ワイナリー内のショップ
ワイナリー内のショップでは試飲もできる
テイスティングツアー
テイスティングツアー(参加費2000円・要予約)も実施

 

余市はウイスキーだけじゃない

そして余市と隣の仁木は、北海道でももっとも注目されているワイナリーが集中するエリアです。北海道は開拓使以来、数々の農作物の栽培に取り組んできましたが、余市・仁木はフルーツ王国として成長してきました。海に面して北海道としては温暖で、積もった雪えブドウの木を覆っておけば、凍らずブドウは越冬できます。今年度中に新千歳空港から高速道路で直結する予定で、空港から約90分でアクセスできるようになればこれまで以上に大勢の観光客が訪れることでしょう。

北海道の地理に疎い方のために簡単なマップを。余市・仁木は左上の方です。
余市と空知の位置関係
余市・仁木にはワイン用ブドウを専門的に栽培する農家も多く、次々にワイナリーが誕生しています。農薬を最小限しか使わない家族経営のワイナリーから、全国に販売店をもつ巨大小売チェーンの直営ワイナリー、立派なレストランを備えたリゾート型のワイナリーなど、規模もスタイルもバラエティに富んでいます。
余市仁木ワイナリーマップはこちら
オチガビ(ワイナリー)
見晴らしのいい高台にあるオチガビ(ワイナリー)
オチ・ガビのレストランとショップ
オチ・ガビはレストランとショップが充実

リタファーム&ワイナリーはご夫婦で経営する小規模なワイナリー。冬場はブドウ畑はすっぽり雪で覆われる。
リタファーム&ワイナリーのショップ
リタファーム&ワイナリーでは斜面のブドウ畑の下にショップがあった
冬場は畑が雪に覆われる
冬場は畑が雪に覆われる
余市ワイナリー
余市ワイナリーは北海道を代表する清酒メーカー『千歳鶴』が経営するワイナリー。清酒づくりで培った高い醸造技術が冴える。もちろんブドウ栽培にも取り組んでいる
余市ワイナリー
レストランが常設され地元の食材とワインのペアリングも楽しめる

 

札幌から1時間の空知地区

余市仁木と並ぶ注目エリアは空知地区で、小さなワイナリーが点在しています。生産量が少ないため、現在はなかなかワインを入手できないのですが、「空知のワイン」と覚えておくことをおすすめします。ショップをもっているワイナリーでも週末しか営業していないことが多いので、訪問する時にはワイナリーに問い合わせてからお出かけください。
空知ワイナリーガイドはこちら

空知地区、いいえ、北海道のワイナリーのリーダー格は、ココファーム(栃木)で長年ワインづくりを指導してきたブルース・ガットラブさんが開設した10R(とあーる)ワイナリーです。ワイナリーの開業を希望する方たちにブドウ栽培やワイン醸造をサポートする役割も担っており、ここで勉強して独立した方が道内に大勢います。
10Rワイナリー
10Rワイナリー。ブドウ栽培農家からブドウを引き受けて一緒にワインづくりをする
ブルース・ガトラヴさん
ブルース・ガトラヴさん。今の課題はもっとブドウをたくさん獲れるようにすることだと言う

ヤマザキワイナリーはテレビや雑誌で何度も取り上げられているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。北海道で代々続く農家で、上質なワインづくりをすることで農業を豊かにしたいと考えて創業したと言います。畑を伸びる細い未舗装の道を車を走らせ、本当にこの道でいいのだろうかと思う不安になるころにワイナリーの看板が見えてきます。週末だけショップで買い物ができます。
広大な畑のなかにポツンと看板がある
広大な畑のなかにポツンと看板がある
ログハウス風でショップは調度品も手づくりのものが多くおしゃれ
ログハウス風でショップは調度品も手づくりのものが多くおしゃれ

大泉洋さんが主演した映画『ぶどうのなみだ』の舞台となったのがこの宝水ワイナリーです。ここは平日もショップがオープンしています。3年前に訪ねたときは、まだ、映画のロケが行われたときのセットの一部が残っていました。軽やかなスッキリしたワインが楽しめます。
宝水ワイナリー
『ぶどうのなみだ』を観た方が立ち寄ることも少なくないそう
購入したワインを楽しめるフリースペースもある
購入したワインを楽しめるフリースペースもある

食糧自給率200%の農業大国北海道にはおいしいものがたくさんあります。北海道産のワインと一緒に楽しむと、おいしさは格別です。これから日本を代表するワイン産地になる北海道に注目してください。

※記事の情報は2018年9月11日時点のものです。

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